ギャンブルはお好きですか?
十一月に、翌月の末にお休み希望を出そうか悩んでいました。十二月はクリスマスだけでなく、通常の日も忙しいのです。特に年末は遠方のアルバイトが帰省してしまうため、社員としては働かなくてはいけません。私は付き合っている彼と話しました。
「やっぱり働くよ」
「自分も用事があるから行けないな」
年末は競輪グランプリという大きいレースがあるのです。私と彼は競輪好きだったので、デートでよく競輪に行きました。
競輪場は年配の男性が圧倒的に多いので、若い女の子は珍しがられます。隣の席になった男性は、私を見て煙草の火を消してくれました。
「女の子がきちゃ、吸っているのは悪いな」
新聞を売っているおばさんもサービスしてくれました。
「珍しいから、特別に半額で新聞売ってあげるわ」
競輪場に行くと、そんな嬉しいこともあるのですが、競輪グランプリは諦めることにします。でも一応、一着から三着まで予想はしました。なんて言ったって年に一度、一番のビッグレースですから。
当日、別に行くわけではないのに、ちょっと「予想は当たるかな~」なんて、休憩中にそわそわしました。当たれば万車券です。家に帰って確かめると──。
「ああ~。当たりだ~」
普段行くときは当たらないくせに、行かないレースに限って当たるものです。万車券だったので、百円買っても二、三万円くらいになりましたでしょうか。確実にその日一日働くより稼げましたね。今思い出しても、あのとき行けばよかったな~と後悔しています。
後日、私とミチコさん、彼と彼の後輩のフジイくんと四人で競輪に行きました。で、万車券を当てたのはフジイくん(私たちが無理矢理誘っただけ)。
フジイくんにうどんを奢ってもらいながら、「無欲なほうが当たるのかもね~」などと話していました。
みなさまはギャンブルのご経験はありますか? 久しぶりに競輪場に行きたくなりました。




