なろう作家様とお会いしました ~メイド喫茶編~
無花果無双様と、まおもあ様に事前に掲載許可を取っています。
大学生活のことを書いている最中ですが、許可をいただきましたので、「小説家になろう」作家様とご一緒した昨年の夏コミレポートを書きます。
昨年の夏、お友達作家様の無花果無双様がツイッターで「夏コミに行く」とつぶやいているのを見ました。「東京へ行くならメイド喫茶も行ってみたい」とも書いてありました。無花果様は関西の方です。「無花果様がメイド喫茶!? イメージが湧かない!」と呆気にとられながらも、以前オフ会でお会いして、また会いたいなと思っていましたので、澄ましたふりをして「ご一緒したいです」とツイッターでやり取りしました。
夏コミに、お友達作家様のまおもあ様が出るということですので、無花果様と会いに行くことにしました。でも、行列には並びたくありません。
「何時くらいなら、並ばなくてすみますか?」
無花果様に問われましたので、私は考えました。学生時代からよく行っていました(そのお話はいずれ)ので、空いている時間なら見当がつきます。
「お昼の十二時から十三時頃でしたら、並ばずに入場できますね」
「でしたら、その前に、秋葉原のメイド喫茶に行きたいのですが……」
どうして無花果様は、そこまでメイド喫茶にこだわるのでしょう。若くて可愛いメイドさんとおしゃべりしたいのですか? メイド喫茶には私も行ったことはありませんが、都内に住んでいますので、秋葉原の地理ならわかります。ネットで調べて(検索するといっぱい出てきますね!)、無花果様と二人でメイド喫茶へ行くことになりました。
当日、秋葉原駅の改札で待ち合わせました。無花果様は黒の服がお似合いの、格好良い男性です。前のオフ会でも黒い服でしたので、無花果様の服装は黒一色が定番なのでしょう。ネックレスが胸元でお洒落に輝いています。お互い本名は知りませんので、ユーザネームでの呼び合いなのですが、なんだか街中で「無花果さん」「チャーコさん」と話していて、他の方はどう思ったでしょうね。恥ずかしいですけれど、無花果様が堂々としていますので、割り切ることにします。
てっきりすぐにメイド喫茶に向かうのかと思いましたが──。
「高性能イヤホンが壊れたので、欲しいのです」
「はあ。では電器店に行きましょうか」
無花果様は東京に来る途中でイヤホンが壊れたらしいです。秋葉原ですので、イヤホンなら見つかると思い、知っている電器店に案内しました。あちこち探しましたが、無花果様のお気に召すものが見つかりません。と申しますか、目を離すと無花果様を見失います。無花果様は自由人なので、馴染みがない秋葉原でもふらふら歩き回るので誘導するのが大変です。
「欲しいイヤホンがない……」
「……そうですか」
何店舗か回り、無花果様のマイペースぶりに早くも振り回されながら、結局イヤホンは諦め、メイド喫茶に行きました。
無花果様とともに、無事に(?)目的のメイド喫茶にたどり着きました。行きたいと主張していましたのに、無花果様はメイド喫茶の前で逃げ腰です。なんというか、年上の男性なのですが可愛い方ですね。
メイドさんは他のお客さんとおしゃべりしていたので、しばらく私たちに気づきませんでした。長年接客業をしてきた私は接客態度が気になります。メイドさん、早く気づいてくださいー。そんな態度ではメイド失格ですよー。それなりの年齢の男女二人がメイド喫茶の前で立ち尽くしているのは滑稽です。
メイドさんがようやく気づいて「お帰りなさいませ」とお迎えしてくれました。初めてのメイド喫茶の風景に、無花果様も私も戸惑いの色を隠せません。黄色を基調とした明るい雰囲気の店内で、促されるまま席に着き、差し出されたメニュー表を真剣に見つめます。
「おじょうサマ、真顔になっています」
メイドさんに笑われてしまいました。だって初めてなのですから、大目に見てください……。無花果様も苦笑いです。
私たちに付いてくれたメイドさんが、名前を訊いてきます。
「チャーコです」
「え? チャー……チャーコ、おじょうサマでよろしいですか?」
「はい。スミマセン……」
メイドさんが困惑しているのが伝わってきて、申し訳ない気持ちになります。本名を名乗ればよかったでしょうか。無花果様は平然と答えました。
「無花果です」
「い、無花果ご主人サマですね。かしこまりました」
メイドさんはそれでも笑顔で応対してくれます。プロですね。接客態度はいただけませんが(まだ言う)。
メニューのお値段はそんなに高くありませんでした。無花果様と相談して注文することにします。メイドさんと写真が撮れるメニューがあるようですので、それを頼むことにしました。
「無花果ご主人サマと、チャーコおじょうサマと私の三人で写真を撮りますか?」
メイドさんの問いかけに、無花果様は頷いています。待ってください、無花果様は写真を奥様や会社のみなさまに見せると言っていませんでしたか? 私と一緒ではまずいでしょう。天然な無花果様に突っ込んで、別々に写真を撮影することにしました。
ウサミミを付けて、メイドさんと二人で写真を撮りましたが、出来上がった写真を見ますと、完全に接客スマイルの私が写っていました。この場で私は接客スマイル以外の笑い方ができません。無花果様はネコミミを付けて、微妙な笑顔でポーズを決めていました。格好良い男性がこういう場にいますと、見ている分には面白いですね。
メイドさんがお絵かきしてくれたラテを飲むと、そろそろ時間です。ずっと微妙な半笑いだった無花果様を連れて(ちょっと不気味でした)、私は国際展示場に行くことにしました。
あとから聞いたのですが、無花果様は壁の向こうで話しているメイドさんたちの会話を耳にしたというのです。メイドさんたちのおしゃべりでは、私が無花果様の先生で(なんの先生?)、それから話がどう発展したのか、私が無花果様を買っている設定になっていたそうです。
ユーザネームで呼び合っていたのが、親しそうに見えたのでしょうか。私は無花果様を買いませんよー。びっくりしました。




