表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
思い出きらきら  作者: チャーコ


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

11/42

就職先が決まりました

 大学三年生も終わり頃になると、そろそろ就職活動です。大学で紹介された会社を中心に、企業研究を始めました。

 一応、アルバイト先の洋菓子会社も受けることにします。何店舗か支店のある洋菓子会社で、洋菓子業界ではそこそこ有名な企業でした。


 就職活動中は、あまりアルバイトのシフトに入れません。何次試験まで通るかわからないからです。でも、毎日のように「今日は入れない?」と電話がかかってきました。


 アルバイト先の会社の最終面接の日がきました。十五時から本社でと伝えると、十四時までは働けるよね、と当然のように返ってきました。ちょっと待ってください。お昼ごはんくらいは食べさせてください。十四時まで働くと、副店長がおむすびを二つ作ってくれました。


「これ食べて、頑張ってきてね」

「ありがとうございます」


 急いでおむすびを食べ終え、リクルートスーツに着替えて本社に行きます。十五時には間に合いました。

 人事部長と面接すると、「うちのアルバイトが受けに行きますので、どうぞよろしくお願いします」と店長が言っていたと伝えてくれました。さすがは店長です。私の後押しをしてくれています。その割には、ぎりぎりまで働かされましたが。


「S店で何年も働いているんだってね。あそこのお店は忙しいでしょう?」

「そうですね。今日も十四時まで働いてきました」


 人事部長は驚いた様子です。それはそうでしょう。一時間前まで働いていたのですから。


「それは大変だったね。普段はどんなふうに勤務しているのかな?」

「土日はランチ前の十一時から閉店作業が終わる二十四時までです。平日は早番で働いて、大学の講義を受けて、部活動を行い、習い事二つ終わったら、遅番で働いて帰ります」


 自分で答えながら、働きすぎだなあとしみじみしてしまいました。

 終始和やかな面接で、翌日内定の電話がかかってきました。


 別の会社の社長面接の日がきました。こちらも和やかなムードです。ですが、一つの質問で私は戸惑いました。


「他の会社の内定はもらっていますか?」


 就活本には、この質問の場合、正直に答えたほうがいいと書かれていました。なので、私は内定をもらっている旨を話しました。


 そうしたら、その会社に落ちてしまいました。ええー。内定をもらっていないと答えればよかったでしょうか。未だにその謎は解けていません。


 そうして私の就職先は、アルバイト先の会社になったのです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ