フルーツポンチ
冬の限定メニューも順調に売れている異世界キッチン。
もうすぐ日本時間では年末年始という事もあり、こっちとの調整も行う。
日付などに関しては日本とは違うものの、大体は同じだそうな。
年末年始は各自のスケジュールに合わせて運営していく事となる。
「さて、開店前に年末年始についての確認デス」
「一応仕事には出てこられるけど、予定もあるよね?」
「それの確認もしておく必要があるからね、とりあえずフルーツポンチでも食べながら」
年末年始の予定の確認。
日本とこっちでは曜日や一年の年数も違うため、そこの調整も必要になる。
「まず年末年始は朝から昼までと夕方以降で人を減らしてやっていきマス」
「そっちも予定とかあると思うからね、予定が終わる時間とかあったら申告して」
「私と姫様は年末の王族同士の新年のパーティーがありますね」
「だから年明けと年末は昼間は来られるけど、夕方以降は無理よ」
「エトサンとイクスラサンは昼のみ、リーザサンとアレッシオサンはどうデス?」
「予定はあるけど時間は未定かな、でも夕方以降ならたぶん来られると思う」
「あたしも同じかな、午前と昼間は知り合い同士の集まりとかがあるから」
「なるほど、だとしたらホールは夕方まではエトと私で回せばいいかな」
「年末年始はお客も増えるか減るかはなんとも言えマセンしね」
年末年始は外に新年のイベントで出る事もあるだろうから、客の事は想定する。
とはいえ別の露店などがあればそちらで食べるかもしれない。
増えるか減るかはまだ完全には読み切れないのだ。
だが仕事が休みになるという事もあるので、営業する飲食店が減る事も想定する必要がある。
「そういえば去年の年末年始はこっちはどうだった?」
「去年…そういえば去年はここのお客増えてなかった?」
「年末年始は営業するレストランなどは少ないですからね」
「必然的にここの需要が上がる、かな?」
「でも家族で過ごしたいっていう人も多いと思うよ」
「だとしたらお客は家族連れとか子供連れが増える事を想定すべきかな」
「それが正しいと思う、去年のそれぐらいの時もそういうお客が多かったの覚えてるから」
「アレッシオ君、覚えてたの?実は記憶力がよかったりする?」
「アレッシオって頭いいんだよ、特に記憶系の問題とかに強いの」
「そういえばリーザとアレッシオってよく一緒に帰ったりとかで付き合いもあるわよね」
「だとしたら想定すべきは家族連れと子供連れデスね、少し多めに確保しておきマス」
「働けるのはエトとイクスラは朝から夕方まで、アレッシオとリーザは夕方以降っと」
「これなら回せそうデスね、ただ確定しているわけではないので、そこもデスが」
年末年始に関しては来れると思うというだけでもある。
家の方での事を優先しないといけないという事も考えておく必要がある。
なので出勤時間はその時期だけは決めないでおく事にした。
家の方でのやる事が終わって時間が取れたら出勤してくれればいいと。
「去年は一応出勤はしたけど、お客は平時に比べたら少なかったから」
「でも今はいろいろ伝わっていマスから、去年よりは確実に増えるとは思いマス」
「それも想定してるならお土産増やしてくれる?それで家の人達を落とすから」
「なるほど、分かりマシタ、上手く行った際にはそれで手を打ちマス」
「僕の方も家族にそれで理由にはなると思うよ」
「私と姫様も料理をダシにすれば説得は出来ると思います」
「パーティーに来る王族や貴族は舌が肥えてるものね、ここの料理でイチコロよ」
「ならそこは上手くやってね」
そんなわけで年末年始の予定は大体は決まった。
それはそうと曜日感覚を埋めるべく、カレンダーを頼む事に。
市販の適当なものでいいので、来年から控室に吊るす事にするからだ。
エトかイクスラなら関係者との繋がりもありそうなので、早めに手に入るか。
それに来年のものはもう発売していると思うのでリーザかアレッシオでも手に入るはず。
そこは最初に持ってきた人のものでいいという事にして、カレンダーを依頼する。
「では年末年始の予定は各自時間の空きと相談してクダサイ」
「私達はそれに合わせるから」
「人は少なくても回せると思うから、来られる場合だけでいいからね」
「分かりました」
「あたし達も増やしてくれるお土産で落とすから」
「国の貴族や王族は料理で籠絡するわ」
「そちらはお任せを」
そうして年末年始の予定は各自に任せる事に。
そこは家庭などを優先してもらう事とした。
「それとこのフルーツポンチ、レシピは覚えましたので」
「簡単に作れるから、国の方でも作ってみてね」
そうして年末年始へ向けて各自の予定が埋まっていく。




