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カレーパン

すっかり秋本番になり王都には秋の風が吹き抜ける。

そんな中宅配限定メニューのハンバーガーやおにぎりなども結構売れているとか。

仕事の際の昼食などに買っていく客も結構多いらしい。

テイクアウトメニューは朝早くから買えるのも大きいのだろう。


「今回の届け先はどこかな」


「3番街のランドさんの家ですね」


「3番街ね、そんなに遠くはないかな」


「はい、行きますよ」


今回の届け先は3番街。


そんなに遠くはないのでさっさと届けてしまう事に。


「今回の注文は何かしな」


「カレーパンですね」


「カレーパン?」


「はい、カレーを包んで油で揚げたパンの事ですね」


「つまりパンを焼くんじゃなくて油で揚げてるんだね」


「みたいです、揚げパンって呼ばれるタイプのパンもあるらしいので」


「油でパンを揚げるっていう発想はないなぁ、そういうのもあるのか」


「揚げパンは一般的には砂糖やきなこなどをかけて食べるらしいですよ」


「きなこって確か大豆の粉だっけ?和のデザートなんかに使われてるやつだよね」


「ええ、揚げパンは砂糖やきなこなどをかけて食べるのが美味しい食べ方だとか」


「でも揚げパンかぁ、それはそれで美味しそう」


「カレーパンもそんな揚げパンの一種なんでしょうね」


「カレーパン、カレーが美味しいんだから当然美味しいんだろうね」


「カレーパンのパン生地はもっちりさせると美味しいらしいですね」


「確かにモチモチしたパンって美味しいよね」


「そうなんですよね、あの美味しさはなんなのか」


「でもカレーパンとかそういうのは宅配とテイクアウト限定なんだっけ」


「みたいですよ、パンやおにぎりなんかは宅配とテイクアウト限定みたいです」


「カレーパン、カレーってスパイス料理だけどそこまで高くないのは、スパイスの種類かな」


「胡椒は定番の高いスパイスですけど、他にも安いスパイスなんかもあるわけで」


「ただカレーみたいな料理は自分で作るのは難しそうだよね」


「美味しいのもまた事実ですけどね」


「カレーパンって油で揚げるって事だけど、周りがサクサクしてるのはそれが理由なのか」


「とはいえカレーパンみたいなのは仕事の際の昼食なんかにもいいんだと思います」


「手軽に食べられるのは強いもんね、おにぎりもパンも」


「その手軽さも宅配とテイクアウト限定な理由なんでしょうね」


「こっちかな?」


「二つ目の道を北西ですね」


パンやおにぎりなんかは宅配とテイクアウト限定のメニューである。

そんなパンやおにぎりはまかないとしてもたまに出たりする。


手軽に食べられるというのは人気の理由でもある。

なお宅配やテイクアウト限定のパンは工場で作ったものを売っているという。


セントラルキッチンで作ったものを店で調理して売るのだとか。

おにぎりは店で炊いた米を握っているようだが。


「そういえばパンって最初から出来たものを売ってるんだよね?」


「そうみたいですよ、セントラルキッチンと呼ばれるところで作っているとか」


「セントラルキッチン?なにそれ」


「お店と直接契約してる工場のような施設らしいですよ」


「工場、大量生産してるって事でいいのかな」


「そうみたいですね、なのでパンはお店で直接は作っていないみたいです」


「でもだとしたらそのセントラルキッチンはどこにあるんだろう」


「この国の中だとは思えないですけど」


「アヌークの知り合いがやってるとかなのかな」


「それはなんとも分からないですけど、そういう施設で作ってるみたいですね」


「でもおにぎりはお店で直接握ってるんだっけ」


「ええ、おにぎりはきちんとお米を炊いて握ってるっぽいですよ」


「おにぎりも美味しいし宅配とテイクアウト限定のやつって何かと便利だよね」


「持ち帰らせてもくれるのは嬉しいですしね」


「こっちかな?」


「この先の道を北西ですよ」


そのまま3番街に入っていく。

ランドさんの家はすぐそこだ。


「ここかな」


「すみませーん!キッチンハウスの宅配です!」


「今行く!」


「待たせたな」


「えっと、先に銀貨一枚をいただきます」


「これで頼む」


「ちょうどいただきます、ではこちらがカレーパン五つになります」


「すまない」


「包み紙は行政区分に従って可燃ごみでお願いしますね」


「分かった」


「ではまたのご利用をお待ちしています、それでは」


「さて、いただくとするか」


カレーパン、もっちりとしたパン生地にカレーを包んだパンだ。

ちなみにカレーパンは店で出しているカレーとはスパイスの配合が違うらしい。


それに加えパンはセントラルキッチンで作っている大量生産品だ。

パンとケーキなどのデザート類はセントラルキッチンで作ったものを出している。


料理は店で作ったり仕込んだりしているが、パンや一部デザートは店で直接は作っていない。

カレーパンは宅配やテイクアウトでも人気なのだという、安くてたくさん買えるのは大きいのか。


「うん、これは美味いな、もちもちしたパンの中にカレーが入ってるのか」


「カレーは辛すぎない程度なのがまた美味しくていいな」


「パンの外はサクサクしててそれもまた美味しさの理由なのか」


「にしてもスパイスって高いはずなのによくカレーをこの安さで売れるな」


「カレー、それをパンに包むなんて面白い料理だな」


「パンをこういう風に食べるっていうのは意外っていうか」


その頃のリーザ達は帰り際に休憩していた。

冷たい麦茶が体に染みる。


「ふぅ、冷たい麦茶は本当に美味しいよね」


「ええ、まだ冷たい麦茶が美味しい季節は続きますから」


「大麦から作るお茶なんだっけ」


「大麦もパンのイメージなので、お茶にするとは意外ですよね」


飲み物を飲んだらそのまま帰路につく。

帰ったらまた仕事である。


「ただいま戻ったよ」


「お帰り、はい、おしぼり」


「ありがとうございます」


「外はすっかり涼しい感じデスかね」


「うん、もう完全に涼しい感じだね」


「店でも秋服に変わったみたいだし、夏服はお役御免かな」


「はい、もうそれで問題ないと思いますよ」


「こっちはキチンと季節の気候があるのはいいものデスね」


こうして宅配とテイクアウト限定のメニューも売れ行きは好調である。

手軽に食べられる事や、昼食に食べる事が多いのだろうとは感じる。


朝からでも買えるというのが大きいのだろう。

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