323/402

トマたまカレーうどん

夏のフェアメニューが始まり夏が来た感じがし始める。

そんな夏のフェアメニューは主に冷たい料理やスタミナ系の料理が並ぶ。

またそれ以外にはトマトの料理や夏の果物のデザートなどもある。

夏はやはりその暑さを乗り切るための料理が大切なのだとか。

「また来てしまった、今は夏のフェアメニューをやっているようですね」

「ここは季節限定のメニューなどもあるのがいいんですよ」

「さて、今日は何を食べようか」

「では行くとしますか」

彼の名はベント、牧場で牛を育てている酪農家だ。

乳製品などを卸しに来た際に帰りに寄るのがお約束になったらしい。

「この扉の仕組みは面白いものですよね」

「中は涼しい、冷房が効いてて癒やされますね」

「いらっしゃいませ！何名様ですか！」

「一人です」

「かしこまりました、おタバコはお吸いになられますか」

「いえ、吸いません」

「かしこまりました、では禁煙席にご案内しますね」

「スタッフが若いのものいいですよね」

そうして席に案内される。

説明は理解しているのでスムーズに進む。

簡単に説明を受けそのまま次へ。

タブレットの使い方も理解している様子。

「タブレットの使い方は分かりますね」

「ええ、問題ありません」

「分かりました、では何かあればお呼びください」

「さて、先に水ですね」

そうして由菜は一旦下がり別の料理を運びに行く。

ベントは先に水を取りに行く事に。

「ここの水は飲み放題で無料なのが凄いですよね」

「あとは氷と手拭き、氷で冷えた水は夏には何より美味しいですし」

「さて、注文を決めてしまいますか」

「夏のフェアメニュー、何にしますかね」

「ふむ、これとこれとこれで決定と」

「タブレットというのは便利なものですね」

そうしてベントはドリンクバーに飲み物を取りに行く。

迷わずに手を伸ばしたのはアイスティーだった。

冷たいお茶というのが新鮮だったのもあるが、何よりミルクティーが好きらしい。

ミルクポーションを2つ入れて飲むのがお気に入りなんだとか。

「はぁ、冷たいお茶というのは美味しいものですね」

「紅茶にミルクを入れて飲むのがこんなに美味しいとは」

「ミルクと紅茶の組み合わせは最高です」

「ミルクティーは何よりも美味しい至福の味ですよ」

そうしているとトマたまカレーうどんが運ばれてくる。

トマトカレーに溶き卵を加えたマイルドなカレーうどんだ。

「お待たせしました、トマたまカレーうどんになります」

「どうも」

「デザートが必要な時はお呼びください、それでは」

「さて、いただきますか」

トマたまカレーうどん、トマトカレーに溶き卵を加えたマイルドなカレーうどんだ。

トマトカレーも夏の日差しをたっぷり浴びて育った完熟トマトを使っている。

完熟トマトは甘味と酸味がちょうどよく、カレーにしてもとても美味しい。

そして何よりトマトというのは多様な料理に使える万能さが強い。

ただトマトは好みの分かれる野菜でもあり、無理な人は無理なものでもある。

カレーやケチャップなどの加工品なら大丈夫という人もいれば、全部無理という人もいる。

トマトは生は駄目だがケチャップなどの加工品は食べられる人も意外といる。

つまりトマトというのは生のトマトと加工品が好き嫌いの境目なのだろう。

トマトカレーもトマトが苦手な人でも結構注文してくれたりする。

トマたまカレーうどんもトマトが苦手な人でも割と好評だったりするのだ。

「うん、美味しいですね、トマトカレーのカレーうどんなんですね」

「トマトの酸味がカレーのスパイスと結構よく合ってる」

「そこに溶き卵が加わってマイルドな感じになってるんですね」

「卵の甘さがカレーの辛さをある程度抑えてくれている感じですか」

「うどんの麺も太くて食べごたえがありますね」

「カレーがよく絡んだうどんは実に美味しいものですね」

「トマトカレーというのがこんなに美味しいとは」

「トマトとカレーの組み合わせは実に素晴らしいです」

そうしているうちにトマたまカレーうどんを完食する。

続いてデザートを頼む事に。

「お待たせしました、デザートですか」

「はい、お願いします」

「かしこまりました、では器はお下げしますね、少々お待ちください」

それから少ししてアイスケーキが運ばれてくる。

冷たくてしっとりした美味しさのデザートだ。

「お待たせしました、アイスケーキになります」

「どうも」

「こちらは伝票です、会計の際にお持ちください、それでは」

「さて、いただきますか」

アイスケーキ、夏にはおいしいミルク系デザートだ。

冷たくてしっとりした美味しさが食後でもぺろりとイケるという。

「うん、やはりこれが美味しいですね」

「牛の乳をこんな風に使うというのも新鮮でいいですし」

「牛の乳を使ったデザート、実にいいです」

そうしているうちにアイスケーキを完食する。

飲み物を飲み干し会計を済ませる事に。

「支払いをお願いします」

「はい、トマたまカレーうどんとアイスケーキとドリンクバーですね」

「銀貨一枚と青銅貨三枚をいただきます」

「これでお願いします」

「ちょうどいただきます」

「満足していただけていマスか」

「これは料理人の方」

「トマトがお好きなのデスか？」

「トマト農家ではないですけどね、でもトマト料理は好きですよ」

「なるほど、トマトは好みが分かれるものなのでそう言ってくれると嬉しいデス」

「そういえばここは牛の乳を使っているデザートが多いですよね」

「そうデスね、デザートは多くは牛乳を使うものデスよ」

「なるほど、砂糖なんかも当然使っているんですよね」

「ハイ、砂糖は欠かせないデスね」

「砂糖は高級品なのによくそんなに使えるものですね」

「仕入れルートはありマスから」

「でも牛の乳を使ったデザートというのは美味しいものですね」

「砂糖とかを使わずにシンプルに凍らせるだけでも美味しかったりしマスよ」

「そんなものなんですか？それは意外というか」

「牛乳を凍らせると美味しいデスから」

「ふむ、覚えておきますか」

「牛乳がお好きなのデスか？」

「ええ、好きですよ」

「なるほど、ならいろいろ考えてみるのもいいかと思いマス」

「牛の乳を使ったデザート、それも面白そうです」

「お菓子には欠かせないものでもありマスから」

「おっと、ではそろそろ行かないと、また来ます」

「牛乳って何かと便利だよね」

「冷やした牛乳も美味しいデスしね」

そうしてベントは満足そうに帰っていった。

酪農家なので言うまでもなく牛乳が好きなのだという。

牛乳を使ったデザートは彼のお気に入りらしい。