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鮭茶漬け

春のフェアメニューが始まり季節は春へと移り変わる。

その一方でモーニングを楽しみに来る客もそれなりにいる様子。

朝早くからはモーニングもやっているというのが嬉しい客もいるのだ。

朝の静かな店内で腹を満たしてから仕事に行く人も意外といるのだから。

「また来てしまった、とはいえ朝もやっているのは嬉しい限りです」

「朝は朝にしか食べられないものもありますからね」

「朝の楽しみもまたあるものですよ」

「さて、行きますか」

彼の名はステイン、国の研究機関で働く研究者だ。

そんな彼も朝は店で食べてから行く事が多いという。

「この扉の仕組みは相変わらず面白いですね」

「中は静かだ、朝だからこそですね」

「いらっしゃいませ！何名様ですか！」

「一人です」

「かしこまりました、おタバコはお吸いになられますか」

「いえ、吸いません」

「かしこまりました、では禁煙席にご案内しますね」

「朝はスタッフも少ないけど、それでも回せるんでしょうね」

そうして席に案内される。

説明は理解しているのでスムーズに進む。

簡単に説明を受けそのまま次へ。

タブレットの使い方も理解している様子。

「タブレットの使い方は分かりますね」

「ええ、問題ありません」

「分かりました、では何かあればお呼びください」

「さて、先に水ですね」

そうして由菜は一旦下がり別の料理を運びに行く。

朝は二人でも回せるので、アヌークと由菜で回している。

「ここの水は飲み放題なのに無料なのが凄いですよね」

「あとは氷と手拭き、使い捨てなのにも理由があるんでしょう」

「さて、注文を決めますか」

「朝にしか食べられないものもあるのがここの面白さです」

「これとこれとこれで確定と」

「このタブレットというのは便利なものですね」

そうしてステインはドリンクバーに飲み物を取りに行く。

迷わずに手を伸ばしたのはそば茶だった。

お茶は豊富にあれど気に入っているのはそば茶の様子。

ここはお茶の種類が豊富なのもまたいいのだ。

「ふぅ、やはりこのそば茶というのは美味しいですね」

「そばというのはあのそばの事だとは思いますが」

「それをお茶にするなんて興味深いものです」

「はぁ、癒やされますね」

そうしていると鮭茶漬けが運ばれてくる。

モーニング限定の朝食メニューだ。

「お待たせしました、鮭茶漬けになります」

「どうも」

「デザートが必要な時はお呼びください、それでは」

「さて、いただきますか」

鮭茶漬け、鮭を使ったお茶漬けだ。

ライスにお茶漬け海苔をかけ、そこに熱々のお茶をかけていただく。

サラサラしているので朝でも食べやすいのがまたポイントでもある。

それに加え腹持ちはそれなりにいいので、エネルギーにもなりやすい。

お茶漬けにも様々あるので、好みは人によるもの。

鮭茶漬けはそんなお茶漬けでも人気の高いメニューだ。

また朝からしっかりと食べたいという人にも人気だったりする。

サラサラしているお茶漬けはゆっくり食べてもいいし素早く食べてもいい。

お茶漬けはモーニング限定だからこそファンになる客も多いという。

特に鮭茶漬けはシンプルなお茶漬けよりも人気なのだとか。

「はぁ、美味しいですね、やはりこれですよ」

「このお茶漬けというのはライスにお茶をかけていただくというのが面白いですね」

「スープライスとはまた違う美味しさがある」

「お茶なのでライスが一粒ずつほぐれるのもまたいい」

「あとこの鮭という魚がいい塩気になっているんですよね」

「ほぐしてある鮭の身がライスの美味しさを引き立てている」

「水分でライスがサラサラしているので食べやすいのもまたいい」

「やはりお茶漬けというのは仕事の前にちょうどいい料理ですね」

そうしているうちに鮭茶漬けを完食する。

続いてデザートを頼む事に。

「お待たせしました、デザートですか」

「はい、お願いします」

「かしこまりました、では器はお下げしますね、少々お待ちください」

それから少ししてイタリアンプリンが運ばれてくる。

朝でも食べられる数少ないデザートだ。

「お待たせしました、イタリアンプリンになります」

「どうも」

「こちらは伝票です、会計の際にお持ちください、それでは」

「さて、いただきますか」

イタリアンプリン、マスカルポーネチーズが美味しいハードプリンだ。

カラメルの苦味がその甘さをまた引き立てる。

「ふぅ、やはりプリンというのは美味しいですね」

「チーズの味がするからにはチーズを使ってあるんでしょうし」

「この少し苦いソースが甘さを引き立てていますし」

そうしているうちにイタリアンプリンを完食する。

飲み物を飲み干し会計を済ませる事に。

「支払いをお願いします」

「はい、鮭茶漬けとイタリアンプリンとドリンクバーですね」

「全部で銅貨一枚と青銅貨三枚になります」

「これでお願いします」

「ちょうどいただきます」

「満足していただけていマスか」

「これはシェフの方」

「これからお仕事なのデスよね」

「はい、その前にお腹を満たせるのはいいものですね」

「モーニングもそれ目当てで来るお客はいマスからね」

「とはいえなぜ朝限定の料理があるんですか」

「朝は設備の事などもあり出せる料理がある程度限られるのデスよ」

「なるほど、つまり設備のチェックなどがあるのでその辺は限られてくると」

「ハイ、それに朝から重い料理を頼む人も少ないデスしね」

「まあそれは確かにそうなんですが」

「それにしてもお茶漬けがお気に入りなのデスね」

「ええ、ライスにああいう食べ方があるというのは知りませんでしたしね」

「お茶漬けは食べやすさもそうデスが、簡単に作れるのもいいのデスよ」

「ライスにお茶をかけるというのは面白いと思いますしね」

「お茶漬けというのは風邪の時なんかにも食べやすくていいデスよ」

「確かに、あれはライスがお茶で柔らかくなっていますしね」

「ハイ、腹持ちもそれなりにいいデスしね」

「おっと、ではそろそろ行きます、また来ますね」

「朝はお茶漬けも食べやすくていいよね」

「モーニング目当てのお客もそれなりにいマスしね」

そうして仕事に向かっていったステイン。

モーニング目当ての客も今はそれなりにいる様子。

朝は客が少ないというのも地味に大きいのかもしれない。