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焼売弁当

冬の寒さが身に染みる異世界の冬。

宅配の時も防寒着は欠かせない程度には寒い様子。

とはいえその寒さは雪国などに比べれば全然のようでもある。

内陸にある国という事も関係しているのだろう。

「今回の届け作はどこかな」

「３番街のフロールさんの家ですね」

「３番街か、ならそんなに遠くないかな」

「はい、行きましょう」

今回の届け先は３番街。

そんなに遠くないのですぐに届けてしまう事に。

「今回の注文って何かな」

「焼売弁当ですね」

「焼売ってあれだよね、肉を固めたやつを皮で包んだやつ」

「はい、それを蒸して食べるのが定番みたいですね」

「蒸して食べるものなんだね」

「別に必ずしもそれでなくてもいいようですが」

「でも蒸すのが美味しい食べ方なんだよね」

「ええ、そうらしいです」

「肉料理も豊富でいいよね、焼売はあたしは好きかも」

「でも焼売はいろいろあるみたいですね、海老焼売や蟹焼売とか」

「エビとかカニの焼売もあるのか」

「ええ、基本的には肉焼売が定番らしいとは聞きますが」

「なるほど、定番は肉だけど、そういう種類もあるって事なんだね」

「あと焼売には醤油かソースかみたいな好みもあるみたいですね」

「ふーん、あたしは醤油派かなぁ」

「その辺の好みは人によりますからね」

「でも焼売って意外と自由な食べ方が出来るんだね」

「焼売はからしをつけて食べても美味しいそうですしね」

「からしってマスタードとは違うものなのかな」

「焼売に使うからしは和辛子と呼ばれるものみたいですね」

「和辛子、マスタードとは材料が違うとかかな」

「マスタードは一般的にはハニーマスタードなどが多いみたいですしね」

「ふーん、でも味的には和辛子の方が辛味は強い気がするかな」

「ハニーマスタードは名前の通り甘味も少しありますからね」

「だから辛さとしては和辛子の方が強いのかな」

「和辛子の方が合う料理も結構あるみたいですけどね」

「こっちかな」

「ここの二つ目の角ですね」

焼売というのは基本的には肉焼売である。

とはいえ海老焼売や蟹焼売もそれはそれで美味しいものだ。

焼売に何をつけるかは人の好みが結構分かれるものだ。

醤油派の人の方が多いとは思うが、ソースで食べる人もいる。

あとはからしを使う人もそれなりにいるかもしれない。

焼売にソースもそれはそれで結構美味しいのだが。

「それにしても焼売って定番は肉でいいんだよね」

「ええ、肉焼売が焼売の定番ではあるとは思いますよ」

「でも海老焼売とか蟹焼売もそれはそれで美味しそうかも」

「リーザさんは海産物は結構好きなんですよね」

「うん、故郷は離島だから肉より魚を食べる事の方が多かったから」

「そういうのは離島という感じはしますね」

「農業もそれなりにやってたけど、漁師の方が農家より多いと思うよ」

「魚が近海でたくさん捕れるという事ですか」

「うん、だから漁師は普通にたくさんいるよ」

「離島である以上海路でしか行けませんしね」

「そうそう、だから漁業の方が盛んなんだよね」

「まさに海に囲まれた島だからこそですね」

「魚は飽きるほど食べてたけど、別に嫌いでもないしね」

「魚は栄養価も優秀なものは多いですからね」

「こっちかな」

「そこの角ですね」

そのまま３番街に入っていく。

フロールさんの家はすぐそこだ。

「ここだね」

「すみませーん！キッチンハウスの宅配です！」

「はい！」

「お待たせ」

「えっと、先に銅貨一枚と青銅貨一枚をいただきます」

「これでお願い」

「ちょうどいただきます、ではこちらがご注文の焼売弁当になります」

「ありがとう」

「容器は行政区分に従って可燃ごみでお願いしますね」

「分かったわ」

「ではまたのご利用をお待ちしています、それでは」

「さて、いただこうかしら」

焼売弁当、肉焼売と海老焼売が三つずつ入っている弁当だ。

そこに漬物とライスがついてくる。

ちなみにライスは値段は変わるものの、チャーハンやおこわに変える事も出来る。

焼売にはからしと醤油がついていてお好みで使える。

なので焼売を美味しく食べる工夫もされているわけだ。

チャーハンやおこわに変えた場合は当然ライスよりも割高になる。

「うん、美味しいわね、この焼売って肉の美味しさの塊だわ」

「こっちのは海老焼売っていうものみたいね」

「海老焼売、確か海の幸の事よね」

「からしや醤油で食べるのもまた美味しいし、ライスとよく合うわね」

「からしは辛味が少し強いけど、味は凄くいいわね」

「肉焼売も海老焼売も美味しいのがいいわ」

その頃のリーザ達は帰り際に休憩していた。

温かい麦茶が体に染みる。

「ふぅ、美味しいね」

「温かい麦茶も美味しいですよね」

「麦茶って不思議な飲み物だよねぇ」

「夏にも冬にも美味しいですからね」

飲み物を飲んだらそのまま帰路につく。

帰ったらまた仕事である。

「ただいま戻ったよ」

「お帰り、はい、温かいおしぼり」

「ありがとうございます」

「外は寒いのデスよね」

「まあそれでもマシな方ではあるけどね」

「暖かくなるのはまだ先になりそうだね」

「とはいえ内陸なので暖かい方ではありますよ」

「土地というのは大切デスね」

外は寒いが内陸なので割と暖かい方らしい。

それでも寒いのに変わりはないので防寒着は欠かせない。

暖かくなるのはまだ先である。