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きのこたっぷりハヤシライス

秋の気候になり始め少しずつ涼しくなっていく季節。

とはいえ異世界でも残暑はあるようである。

本格的な涼しさの到来はもう少し先になりそうだ。

秋のフェアメニューも始まり少しずつ季節は変わりゆく。


「今回の届け先はどこかな」


「7番街のトミーさんの家ですね」


「7番街か、ならすぐそこだね」


「はい、行きますよ」


今回の届け先は7番街。


隣なのですぐに届けてしまう事に。


「今回の注文って何かな」


「きのこたっぷりハヤシライスですね」


「ハヤシライスってあれだっけ、カレーに似てるけど味が違うやつ」


「ええ、ハヤシライスはどちらかと言うと甘みが強いやつですね」


「ハヤシライスも二種類あって、トマトタイプのやつとデミグラスタイプのやつがあるよね」


「はい、お店で出しているのはデミグラスタイプの方ですね」


「ハヤシライスって作るのは難しいのかな」


「一から作るとなると難しいとは言っていましたよ」


「つまり簡単に作れるものがあるって事かな」


「そうみたいです、一から作るとなると10時間とか使ったりするらしいですし」


「そんなにかかるのか」


「煮込み料理でもありますから、それだけ煮込まないといけないんでしょうね」


「なるほど、ずっと野菜とか肉を煮込んで、それでやっと出来るのか」


「煮込み料理というのはそれだけ長く煮込むものって言ってましたよ」


「大変なんだなぁ」


「アレッシオさんも料理は覚えてきたんですよね」


「うん、たまに家で作ってるよ」


「食材なんかも結構手に入りますしね」


「今回のきのこなんかも料理を覚えたからいろいろ使えるようになったしね」


「きのこというのも食用になるものと毒があるものがあって、見分けは結構難しいとか」


「お店で売ってるものならまあ安全だろうしね」


「それはありますね」


「こっちかな」


「この先の三番目の角ですね」


アレッシオもそれなりに作れる程度には料理は出来るようになった。

たまに家で作ると喜ばれたりもするらしい。


今回の料理のようなキノコ料理なんかも家では好評なのだという。

きのこは割となんにでも使えるのは大きいという。


炒め物や煮物など簡単なものなら一通りは作れる。

稼ぎもあるので食材も結構揃うのだという。


「それにしてもきのこも種類は多いよね」


「山に登る時は食べられるきのこを知っておくと何かと助かると言っていましたね」


「毒があるきのこはそれだけ危険っていう事でもあるのか」


「そうらしいです、場合によっては非常に強い毒を持っていたりするとか」


「きのこの知識って大切なんだなぁ」


「ただ食用になるきのこでも生では絶対に食べてはいけないと言っていましたよ」


「食用になるものでもきのこの生食はいけない、生だと何かあるのかな」


「生のきのこは体を内側から破壊するって言っていました」


「怖いなぁ、それ」


「なのできのこは必ず火を通して食べろという事らしいです」


「覚えておこう」


「それだけ生食は危険という事なのでしょうしね」


「きのこの知識って大切だって改めて感じるね」


「それだけ研究されてきたという事なのでしょうね」


「こっちかな」


「この先の二つ目の角ですね」


そのまま7番街に入っていく。

トミーさんの家はすぐそこだ。


「ここかな」


「すみませーん!キッチンハウスの宅配です!」


「はい!」


「お待たせしました」


「はい、えっと、先に銅貨一枚と青銅貨二枚をいただきます」


「これでお願いします」


「ちょうどいただきます、ではこちらがご注文のきのこたっぷりハヤシライスになります」


「ありがとうございます」


「容器は行政区分に従って可燃ごみでお願いします」


「分かりました」


「ではまたのご利用をお待ちしています、それでは」


「さて、いただきましょうか」


きのこたっぷりハヤシライス、きのこをたっぷり使ったハヤシライスだ。

秋のフェアメニューの一つであり、秋の味覚でもあるきのこをたっぷり使っている。


玉ねぎや牛肉も使っているが主役はあくまでもきのこである。

そんなきのこたっぷりのハヤシライスにはきのこの旨味もたっぷりと出ている。


なのできのこの味がしっかりとしているハヤシライスなのである。

ハヤシライスときのこは意外と相性がいいという事らしい。


「うん、これは美味しいですね、きのこの美味しさがしっかりとしている」


「ソースは主に牛の肉と玉ねぎ、そこにたっぷりのきのこですか」


「ライスと一緒に食べるとまた美味しいものですね」


「ライスにかけて食べる事が前提の料理という事ですか」


「ライスにソースが染み込みそれが美味しさとなっている」


「これは確かに美味しい、ライスにかけて食べる料理、なるほど」


その頃のアレッシオ達は帰り際に休憩していた。

冷たい麦茶が体に染みる。


「はぁ、美味しいね」


「冷たい麦茶がまだ美味しいですね」


「暑い日は冷たい麦茶、すっかり定番だよね」


「この味があるからこそですね」


飲み物を飲んだらそのまま帰路につく。

帰ったらまた仕事である。


「ただいま戻りました」


「お帰り、はい、冷たいおしぼり」


「ありがとうございます」


「外はまだ暑い感じデスかね」


「涼しくはなったけど、まだ暑いかな」


「なら制服は用意だけするから必要なら秋服に着替えていいからね」


「分かりました、そうしておきます」


「暑さが収まるのはもう少しかかりそうデスね」


異世界でも残暑はあるのだという事。

とはいえこれから秋の涼しさが本格化し冬に移りゆく。


秋のフェアメニューもこれからもっと売れていくのだ。

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