265/402

ホワイトソースハンバーグ

すっかり春本番となり外もすっかり暖かくなった季節。

そして食材や料理が痛みやすくなる季節も近づいてくる。

なのでとにかくなるべく早く食べるようにという事は周知していく。

食中毒はやはり怖いのだ。

「今回の届け先ってどこかな」

「３番街のフォリオさんの家ですね」

「３番街か、ならそんなに遠くないかな」

「はい、行きましょう」

今回の届け先は３番街。

そんなに遠くないので早く届けてしまう事に。

「それで今回の注文って何かな」

「ホワイトソースハンバーグ定食ですね」

「ホワイトソースってあのグラタンとかに使ってるあれ？」

「それとは少し違って、ミルク系のソースみたいですね」

「ミルク系のソースか、そういうのが作れる人って凄いよね」

「そうですね、ソース作りって結構大変らしいと聞きますから」

「でもソースがあるのとないのとでは美味しさがやっぱり全然違うんだよね」

「それは思います、焼いただけの肉だと何か物足りないんですよね」

「だからこそソースやタレがあるという事なのかもね」

「美味しく食べるために考え出された知恵って事なのかもしれませんね」

「ソースやタレも、色んな食材の美味しさが詰まってる感じはあるもんね」

「そんないろんなものの味が詰まっているからこそ肉も美味しくなると」

「焼いただけの肉でも食べられるけど、やっぱり何かが足りないのはあるもんね」

「まさに美味しく食べるための発明ですか」

「とはいえハンバーグって子供でも食べやすくて人気の料理だよね」

「お店でも子連れのお客はハンバーグを結構頼むみたいですしね」

「やっぱり人気って分かるなぁ」

「子供が好きな料理ってやっぱりハンバーグとか唐揚げとかそういうのなんですよ」

「分かりやすいのはあるかも」

「美味しいって感じるものも違うんでしょうしね」

「味覚が変わるって事だね」

「そのようですね」

「こっちかな」

「ここの先ですね」

ハンバーグは子供にも人気のメニューだ。

それもあり店では子連れの客はよく頼んでくれるという。

肉料理は大人も子供もやはり好きなもの。

多くの人が好きな肉料理はやはりよく売れるものだ。

そんな肉を美味しくするのがタレでありソースだ。

肉を焼いただけではやはり何か物足りないのである。

「それにしてもハンバーグのソースも様々なんだよね」

「和風ソースからおろしポン酢、デミグラスソースやトマトソースなどですね」

「焼肉とかもそうだけど、肉って大体の味は合うのかもね」

「ソースの好みも人それぞれですしね」

「僕はやっぱり甘めのソースが好きかも」

「アレッシオさんは甘い方が好みなんですね」

「ソアレは和風ソースとかが好きなんだっけ」

「ええ、大根おろしは美味しいですよ」

「大根おろしって僕はどうにも苦手なんだよね」

「好みが分かれる味ではあると思いますしね」

「やっぱりそうなのか」

「大根おろしはポン酢や醤油をかけて食べるものでしょうし」

「その方が食べやすくはなるのかもね」

「それはあると思います」

「こっちかな」

「もうすぐそこですね」

そのまま３番街に入っていく。

フォリオさんの家はすぐそこだ。

「ここかな」

「すみませーん！キッチンハウスの宅配です！」

「はい！」

「お待たせしました」

「えっと、先に銅貨一枚と青銅貨三枚を頂きます」

「これでお願いします」

「ちょうどいただきます、ではこちらがご注文のホワイトソースハンバーグ定食になります」

「ありがとうございます」

「容器は行政区分に従って可燃ごみでお願いします」

「分かりました」

「ではまたのご利用をお待ちしています、それでは」

「さて、いただきますか」

ホワイトソースハンバーグ、ハンバーグにミルクとチーズのホワイトソースをかけたもの。

ハンバーグはふんわりしていて食べると肉汁が溢れ出てくる。

そしてミルクとチーズを使った甘みが肉とよく合う。

ホワイトソースに限らず、ハンバーグは多様なソースと相性がいい。

子供も大人も好きな味がハンバーグでもある。

やはり肉は美味しいのだ。

「うん、美味しいですね、肉が柔らかいのがいい」

「このホワイトソースもミルクとチーズの味がするのがいいですね」

「こっちの野菜もシャキシャキしているのがいい」

「ライスと一緒に食べるとまた美味しいものですね」

「肉とライスの相性がこんなにいいものだとは」

「これはどんどん食べたくなりますね」

その頃のアレッシオ達は帰り際に休憩していた。

冷たい麦茶が体に染みる。

「はぁ、美味しいね」

「麦茶はいいものですね」

「不思議な美味しさだよね」

「この不思議な味がいいというか」

飲み物を飲んだらそのまま帰路につく。

帰ったらまた仕事である。

「ただいま戻りました」

「お帰り、はい、おしぼり」

「ありがとうございます」

「外はすっかり暖かくなったようデスね」

「はい、薄着でも全然問題ないかと」

「ならもう問題ないかな」

「はい、問題ないと思います」

「では夏服に向けても準備していかないとデスね」

外はすっかり春模様である。

そして次は夏がくるのだ。

食材の扱いにも気をつける季節はもうまもなくである。