表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
264/402

喫茶店のコーヒーゼリーパフェ

春も本番となり春の陽気が体を暖める季節。

春のフェアメニューも季節の食材を使ったものから少し贅沢なものまで並ぶ。

季節の食材を使うのは意識するが、季節に関係なく贅沢なものも考える。

フェアメニューとはちょっとしたプチ贅沢を意識して作るとアヌークは語る。


「また来てしまった、ここは甘いものが凄く美味しいのでな」


「安くて美味しい甘いものがたくさんあるというのは素晴らしすぎる」


「甘党の人間にはまさに楽園だ、長生きはするものだな」


「さて、行くとするか」


彼の名はジェイムス、国の騎士団で騎士の育成をしている教官だ。


引退している身とはいえ、かつての同僚とは今も付き合いがあるという。


「この扉の仕組みは面白いものだな」


「中は相変わらず賑やかだ、それだけ多様な人が来るのだな」


「いらっしゃいませ!何名様ですか!」


「一人だ」


「かしこまりました、おタバコはお吸いになられますか」


「吸うには吸うが、食事の時は吸わないと決めている」


「かしこまりました、では禁煙席にご案内しますね」


「若い者がしっかりと働いているのはいいものだな」


そうして席に案内される。

説明は理解しているのでスムーズに進む。


簡単に説明を受けそのまま次へ。

タブレットの使い方も理解している様子。


「タブレットの使い方は分かりますね」


「ああ、問題ない」


「分かりました、では何かあればお呼びください」


「さて、先に水だな」


そうしてリーザは一旦下がり別の料理を運びに行く。

ジェイムスは先に水を取りに行く事に。


「ここの水は無料で飲み放題というのは凄いものだな」


「氷と手拭き、使い捨てというのはそういうメリットもあるのか」


「さて、注文を決めてしまうか」


「やはり甘いものだな、ふむフェアメニューか」


「これとこれとこれで確定だな」


「このタブレットというキカイは不思議なものだな」


そうしてジェイムスはドリンクバーに飲み物を取りに行く。

迷わずに手を伸ばしたのはカルピスだった。


カルピスは異世界人からしたら不思議な飲み物に映るようだ。

ジェイムスはそんな甘くてスッキリした味が気に入った様子。


「このカルピスという飲み物は不思議なものだな」


「白くて甘い飲み物、それでありながらスッキリしているのがまたいい」


「どのようにして作っているのかも分からんが、とにかく美味い」


「甘い飲み物が豊富なのもいいものだな」


そうしていると注文したデザートが運ばれてくる。

甘党のジェイムスにとってここのデザート類はどれも至高の味に感じるらしい。


「お待たせしました、喫茶店のコーヒーゼリーパフェと喫茶店のプリンパイになります」


「すまない」


「こちらは伝票です、会計の際にお持ちください、それでは」


「さて、いただくとするか」


喫茶店のコーヒーゼリーパフェ、春のフェアメニューで喫茶店の味をイメージしたものだ。

一緒に頼んだ喫茶店のプリンパイも似たように喫茶店の味をイメージしている。


春のフェアメニューの中の一つでもある、喫茶店の味シリーズ。

料理にもそれがあり喫茶店のナポリタンや、喫茶店のサンドイッチなどもある。


コーヒーゼリーパフェはコーヒーゼリーにクリームを乗せたものでもある。

スポンジを敷いたその上にコーヒーゼリーを乗せ、そこにたっぷりの生クリームだ。


普通のパフェに比べると簡素になっているが、アヌークにとってはそれが喫茶店なのか。

贅沢とは言い難いが、どこか不思議な美味しさを感じる味。


贅沢な味ではないがどこか懐かしさを感じる味が喫茶店シリーズだ。

異世界人からしたら喫茶店の味とはなんの事かと思うかもしれないが。


「うむ、これは美味しいな、甘いの中に不思議な苦味がある」


「コーヒーゼリーというのは苦いものと聞いていたが、これは美味しいな」


「このクリームが混ざり合う事で苦いコーヒーゼリーが美味しく感じるのか」


「甘いクリームと混ぜる事で苦味を抑え、甘さを感じるようになる、なるほど」


「こっちのプリンパイというのはさっくりとした生地の中に甘いクリームか」


「このパイの中にあるクリームがプリンの味という事なのだろうな」


「プリンというのはそのままでも美味しいが、クリームパイにするのもまた美味しい」


「プリンパイ、こうした不思議な美味しさがまたいいものだ」


そうしているうちに喫茶店のコーヒーゼリーパフェと喫茶店のプリンパイを完食する。

飲み物を飲み干し会計を済ませる事に。


「支払いを頼む」


「はい、喫茶店のコーヒーゼリーパフェと喫茶店のプリンパイとドリンクバーですね」


「全部で銀貨一枚になります」


「これで頼む」


「ちょうどいただきます」


「満足していただけているようデスね」


「おお、シェフの方」


「甘いものがお好きなのデスね」


「ああ、元々好きだったのだが、今はもっと好きになってしまったな」


「見た感じからしてもそれなりのお歳デスよね」


「ああ、これでもかつてはそれなりに腕の立つ騎士だったからな」


「なるほど、引退しているという事デスか」


「今は若い騎士を育成する教官だな」


「そして甘いもの好きにも拍車がかかったのデスか」


「すっかりな、ここの甘いものはどれも美味しくて実にいい」


「甘党も極まった感じデスね」


「ここのデザート類は甘いのだが、甘すぎないのが何よりもいいのだ」


「甘いものが好きデスが、甘すぎるものは好まない感じデスか」


「そんな感じだな、だからこそここの甘いものは何よりも美味しい」


「そういう感じの甘党だからこそデスか」


「ああ、ここのデザート類はそういう味だからこそ私は気に入っている」


「甘いものが好きな人にも様々デスね」


「さて、ではそろそろ行く、また食べに来るぞ」


「お爺ちゃんって感じなのに元気だし、甘党なのか」


「元気な老人というのは見てて元気をもらえマスね」


そうしてジェイムスは満足して帰っていった。

客の中には結構なお歳の人も普通にいる。


そうしたお爺ちゃんやお婆ちゃんは見ていて元気をもらえるものなのだ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ