表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
258/402

春野菜の天せいろそば

春のフェアメニューも本格的に始まり季節も移りゆく。

外もかなり暖かくなったようで、宅配にも防寒着は着ていく日も減った。

そんな春のフェアメニューは春の味覚が多く並ぶ。

また旬と関係ないようなメニューも用意するのがフェアメニューだ。


「また来てしまったわね、ここは安くて美味しいからいいんだけど」


「あとここは旬の野菜も食べられるのがいいのよね」


「仕事仲間に聞いた話が本当だったわけだし」


「さて、行くわよ」


彼女の名はアマンダ、農村で野菜を育てている農家の娘だ。


仕事仲間から聞いた事で、王都に卸しに来た際には立ち寄るようになったという。


「この扉のシステムは面白いわよね」


「中はもう暖かくはない感じなのね」


「いらっしゃいませ!何名様ですか!」


「一人よ」


「かしこまりました、おタバコはお吸いになられますか」


「いえ、吸わないわ」


「かしこまりました、では禁煙席にご案内しますね」


「スタッフも若くていいわよね」


そうして席に案内される。

説明は理解しているのでスムーズに進む


簡単に説明を受けそのまま次へ。

タブレットの使い方も理解している様子。


「タブレットの使い方は分かりますね」


「ええ、問題ないわよ」


「分かりました、では何かあればお呼びください、それでは」


「さて、まずは水ね」


そうしてエトは一旦下がり別の料理を運びに行く。

アマンダは先に水を取りに行く事に。


「ここの水は飲み放題というのが凄いわよね、それも美味しいし」


「あとは氷と手拭き、使い捨てというのも汚れないからいいものよね」


「さて、注文を決めてしまわないと」


「野菜のメニュー、この季節は何があるかしら」


「ふむ、それじゃこれとこれとこれで確定と」


「このタブレットというのは不思議なキカイよね」


そうしてアマンダはドリンクバーに飲み物を取りに行く。

迷わずに手を伸ばしたのは緑茶だった。


お茶は元々好きだが、特に緑茶を気に入ったようである。

特に温かい緑茶が何よりも好きなようだ。


「ふぅ、この緑茶っていうのは美味しいわよね」


「冷たいのも美味しいけど、やっぱり緑茶は温かいものがいいわ」


「お茶があんなに種類があるなんてここに来てはじめて知ったものね」


「美味しいお茶っていいものよね」


そうしていると春野菜の天せいろそばが運ばれてくる。

春野菜の天ぷらと冷たいせいろそばのセットメニューだ。


「お待たせしました、春野菜の天せいろそばになります」


「ありがとう」


「デザートが必要な時はお呼びください、それでは」


「さて、いただこうかしら」


春野菜の天せいろそば、春野菜の天ぷらと冷たいせいろそばのセットメニューだ。

天ぷらに使われている春野菜は主に山菜とアスパラガス、あとはたけのこなどだ。


さらに春の新玉ねぎや新じゃがの天ぷらもあったりする。

天ぷらの種類が多いだけに値段も結構するメニューでもある。


また天ぷらとそばは別の器で用意されている。

天ぷらには天つゆもついているので、それをつけて食べる事がおすすめだ。


冷せいろそばはアヌークが選び抜いたそば粉を使った二八そばである。

アヌーク曰くそばは二八そばが一番安定して美味しいのだとか。


春野菜の天ぷらはもちろん、そばにもこだわっているのは言うまでもない。

そばつゆや天つゆもアヌークが独自に選んだ素材から作っていたりもする。


「うん、これは確かに美味しいわね、天ぷらはサクサクで天つゆなしでも美味しいわ」


「でも天つゆってまさに天ぷらのためにあるようなつゆなのね」


「こっちのお蕎麦ものどごしがよくて、めんつゆとよく合うものよね」


「冷たいお蕎麦はこうやってつゆにつけて食べるのものなのね」


「天ぷらは天つゆはもちろん、そばつゆにつけて食べるのも何気に美味しいのよね」


「この蕎麦の美味しさは実に不思議な味がするものよね」


「そば、そば粉というのはそばの実から作るという事なのかしら」


「こんな美味しい野菜があるなんて凄いものよね」


そうしているうちに春野菜の天せいろそばを完食する。

続いてデザートを頼む事に。


「お待たせしました、デザートですか」


「ええ、お願い」


「では器はお下げしますね、少々お待ちください」


それから少ししてわらび餅が運ばれてくる。

春のフェアメニューのデザートの一つだ。


「お待たせしました、わらび餅になります」


「ありがとう」


「こちらは伝票です、会計の際にお持ちください、それでは」


「さて、いただこうかしら」


わらび餅、春のフェアメニューのデザートの一つだ。

ここでは黒蜜をつけて提供している。


「うん、これは美味しいわね、わらびっていうのは植物の事なのかしら」


「この黒蜜っていうのがまた不思議な甘さで美味しいのもいいわね」


「わらび餅、作り方とかが気になるわね」


そうしているうちにわらび餅を完食する。

飲み物を飲み干し会計を済ませる事に。


「支払いをお願い」


「はい、春野菜の天せいろそばとわらび餅とドリンクバーですね」


「全部で銀貨一枚と銅貨一枚になります」


「これでお願い」


「ちょうどいただきます」


「満足していただけていマスか」


「シェフの人、ええ、とても満足よ」


「それは何よりデス」


「それにしてもここの野菜はどれも美味しいのね」


「野菜がお気に入りなのデスね」


「ええ、これでも農家の娘だもの」


「なるほど、それでなのデスね」


「それはそうとあのお蕎麦っていうのはどうやって作っているの」


「蕎麦デスか?そば粉と小麦粉を混ぜて作っているのデスよ」


「そば粉というのはそういう植物があるのよね」


「ハイ、そばの実を挽いて作るのがそば粉デスよ」


「なるほど、そばの実、覚えておくわ」


「そば粉というのはガレットという食べ物が分かるなら、分かるかと思いマスよ」


「ガレット…少しお高いお店なんかで聞いた事があるわね」


「あれに使われているのもそば粉デスよ」


「なるほど、なら覚えておくわね」


「蕎麦というのは簡単に見えて作るのはかなり難しいのデスよ」


「おっと、そろそろ行かなきゃ、また食べにくるわね」


「農家の人が野菜料理を気に入ったりする辺り、餅は餅屋なのかもね」


「プロのお眼鏡に叶うのは嬉しい限りデスよ」


そうしてアマンダは満足そうに帰っていった。

農家は野菜が好きだし、猟師は魚が好きになるなどが見受けられる。


餅は餅屋というのも間違いではないのかもしれない。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ