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カルボナーラチキン

新年の営業が始まり、すっかり元の日常が戻ってきた。

そんな異世界キッチンも新年の回転からまたいつものように賑わっている。

この季節は温かい食べ物が多く揃うので、体も温まるものだ。

宅配には防寒具などが用意されているので、きちんと温かいのである。


「今回の届け先ってどこかな」


「10番街のベクターさんの家ですね」


「10番街か、ならそこまで遠くないね」


「ええ、では行きましょう」


今回の届け先は10番街。


そこまで遠くないのですぐに行ける距離だ。


「それで今回の注文って何かな」


「カルボナーラチキンのセットですね」


「カルボナーラチキン、カルボナーラってパスタソースのあれだよね」


「ええ、それですね」


「カルボナーラソースって意外となんにでも使えるんだね」


「そうですね、肉料理やピザなんかにも使ったりしてますし」


「でもカルボナーラは僕は好きだな、子供が好きそうな味というか」


「アレッシオさん、もうそろそろ成人になる年齢でしたっけ」


「うん、今は家でも料理とかするようになったし、変わったと思ってるよ」


「アレッシオさんは家族思いなんですね」


「まあ大家族なのもあるしね」


「親と上と下の兄や妹が結構いるんでしたっけ」


「うん、だから作る量も多くなるんだよね」


「でもそれだけを作れる時点で凄いと思います」


「ただ手に入る材料に限りはあるし、小さい子もいるから作るものは限られるけどね」


「辛いものとかは厳しい感じですか」


「うん、ただ美味しいって言ってくれるのは嬉しいけどね」


「お店で作る場合と家庭で作る場合だとその辺は違ってきそうですしね」


「その辺はアヌークさんに教えてもらってるしね」


「流石はプロという感じですね」


「うん、あと今は鶏肉がみんな好きになったよ」


「つい以前までは鶏肉は不人気な肉の代名詞でしたからね」


「こっちかな、行こう」


「急がなくても大丈夫ですよ」


アレッシオもすっかり家庭的に育ってきた様子。

家で料理を作ったりするようになったのは店で働き始めた事での変化だろう。


また家族に人気なのはクリーム系の料理なのだとか。

カルボナーラなんかもそうだが、クリームシチューなんかも人気らしい。


クリーム系の料理を作れるようになったというのはなかなかに凄いものでもある。

牛乳や小麦粉などは割と安く手に入るからこそでもあるのか。


「そういえばカルボナーラってチーズとか牛乳で作るんだよね」


「ええ、生クリームは本来は使わないと言っていましたね」


「そうなんだ、なんか意外かも」


「カルボナーラはチーズクリームに近いソースなんだそうですし」


「へぇ、でも確かに僕が教わったレシピもチーズをたくさん使うな」


「チーズは万能な食材だって言ってましたよ」


「そういえば確かにチーズはいろんな料理に使えるよね」


「ええ、なのでチーズを使いこなせるようになるとレパートリーも広がるとか」


「確かにチーズはそれだけ幅広く使えるのか」


「なのでチーズは料理の幅を広げてくれるんだそうですよ」


「便利だなぁ、チーズ」


「それだけ使い道が広いって事ですよね」


「そうだね、チーズって凄い」


「多様な使い道があるわけですからね」


「こっちかな」


「もうすぐそこですよ」


そのまま10番街に入っていく。

ベクターさんの家はすぐそこだ。


「ここだね」


「すみませーん!キッチンハウスの宅配です!」


「はい!」


「お待たせしました」


「えっと、先に銅貨一枚と青銅貨四枚いただきます」


「これでお願いします」


「ちょうどいただきます、ではこちらがご注文のカルボナーラチキンセットになります」


「確かに」


「容器は行政区分に従って可燃ごみでお願いしますね」


「分かりました」


「ではまたのご利用をお待ちしています、それでは」


「さて、いただきますか」


カルボナーラチキン、カルボナーラソースをかけた焼いたチキンだ。

そこに生卵をインして食べるのが美味しい食べ方だという。


カルボナーラのチーズの濃厚さに卵の美味しさが加わればまさに至福の味。

カルボナーラソースはライスにも合うので、ライスにかけても美味しい。


そのカルボナーラソースもアヌークが考えて作ったものである。

濃厚なそのソースがチキンにもライスにも合うのである。


「うん、これは美味しいですね、肉とクリームのソースがよく合う」


「ソースはライスにかけても美味しいですね、これはいい」


「こっちのサラダも食べやすくていい、ドレッシングというものみたいですね」


「そういえばこの卵は肉にかけるんでしたね」


「うん、確かに美味しい、生卵は抵抗はありますが、意外と美味しいものです」


「この濃厚な味が何よりいいものですね」


その頃のアレッシオ達は帰り際に休憩していた。

温かい麦茶が体を温める。


「ふぅ、美味しいね」


「麦茶というのは不思議な飲み物ですよね」


「でもそれが美味しさなのかもね」


「確かにそうかもしれませんね」


飲み物を飲んだらそのまま帰路につく。

帰ったらまた仕事である。


「ただいま戻りました」


「お帰り、はい、温かいおしぼり」


「ありがとうございます」


「外は結構寒いデスか」


「寒いけど、防寒着のおかげでポカポカですね」


「ならよかった」


「寒くても特に問題はないですね」


「とりあえず何かあれば言ってクダサイね」


そうして今年も宅配はたくさん出そうな予感がする。

フェアメニューも汁物以外はほぼ全てが宅配に対応している。


それも宅配やテイクアウトのメリットである。

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