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オムレツビーフカレー

店も年末体制に入り年末年始の予定もスタッフに通達された。

アヌーク達の世界での仕事始めまでは店も休業となる。

それに伴い異世界側のスタッフも正月休みを与えられる事に。

尤もアヌーク達の世界とは一ヶ月の日数が多少異なるので、それも考慮する事に。


「今回の届け先はどこかしら」


「3番街のトーラスさんの家ですね」


「3番街ね、ならさっさと届けちゃいましょ」


「ですね」


今回の届け先は3番街。


そんなに遠くないので早くに届けてしまう事に。


「それで今回の注文は何かしら」


「オムレツビーフカレーですね」


「それってあれよね、カレーにオムレツ乗せたやつ」


「ええ、カレーのトッピングの一つですね」


「なるほど、カレーって割と自由よね」


「カレーは基本的に何にでも合うと言われますしね」


「でも流石に合わないものもあるでしょ」


「お菓子の味付けでカレー味のものがあったりするぐらいだそうですし」


「本当になんでもありね」


「そういえばエトさんは年末年始の予定はどうなってるんですか」


「城での祝い事とかが多いわね、まあ兄上が基本的には取り仕切るけど」


「お店も新年の数日は休みになりますし、暇になりますよ」


「姫は休む暇なんてないわね、まあ王位継承権の低い姫でも仕事はあるしね」


「なるほど、そこは仮にも王族という事なんですね」


「ええ、お店で働くようになってからは少しは仕事も増えたしね」


「いろんな人と交流するというのはそういう事ですか」


「お父様がお店で働く許可を出してくれたのは今でも意外に思ってるわよ」


「仮にも王族の姫という人が街の店で働くという話ですからね」


「まあ結果としてはいい経験にはなってるわ、仕事の量も兄上に比べたら少ないしね」


「王族とはいえ王位継承権が低いと仕事も減ってくるんですね」


「王位継承権は男が優先っていうのもあるしね」


「だから割と自由に動けるんでしょうか」


「そんな感じね、お店なら多様なお客も来るからある程度の情報も集まるし」


「そういうメリットもあるわけですか」


「そんな感じね」


「お店だからこその利点といった感じですね」


「こっちかしら」


「ええ、この先ですね」


エトも王族ではあるが王位継承権は低い。

それもありある程度の自由があるのは大きいという。


店で働くのも民や他国の人間の声が直接聞けるのもあるのだろう。

また宅配が始まった事で現場もある程度は見られるようになった。


それにより国王の耳にもそれが届くようになったという。

なのでそれにより政治はある程度改善され、必要なものが届くようになったとか。


「それにしてもこの時期は人も少なくなってるわね」


「もう年末ですからね、街の人達も休みに入ってるんですよ」


「うちの店は年末ギリギリまでやってるのね」


「まあ年末年始はきちんと休みですけどね」


「でも年末にいろいろ分けてくれるのは嬉しいというか」


「年末年始に簡単に作れて美味しいものを食べられるのは助かりますよね」


「スタッフへの福利厚生の一環なのかしら」


「かもしれませんね、お蕎麦とかレトルト食品とかは簡単で美味しいので」


「お蕎麦は茹で方とか調理時間とかあるから、そこはイクスラに任せる方がいいわね」


「お城でもお蕎麦なんですね」


「城のみんなもすっかり気に入ってるわよ、そういうのを分けてくれるのは嬉しいし」


「お店なりの年末年始へのねぎらいなんでしょうね」


「レトルト食品は茹でるだけで作れるのに美味しいものね」


「私も年末はそれを食べて過ごすつもりですしね」


「とりあえず年末年始も姫は休みはないし、こういう時ぐらいは国の仕事よね」


「新年の仕事というのも王族らしいですね」


「新年に関しては他国との関係とかも出てくるしね」


「国際的な仕事があるのも年末年始ですか」


「こっちね、行くわよ」


「もうすぐそこですね」


そのまま3番街に入っていく。

トーラスさんの家はすぐそこだ。


「ここね」


「すみませーん!キッチンハウスの宅配です!」


「はい!」


「お待たせしました」


「えっと、先に銅貨一枚と青銅貨二枚をいただきます」


「これでお願いします」


「ちょうどいただきます、ではこちらがご注文のオムレツビーフカレーになります」


「どうも」


「容器は行政区分に従って可燃ごみでお願いします」


「分かりました」


「ではまたのご利用をお待ちしています、それでは」


「さて、いただきますか」


オムレツビーフカレー、ライスにオムレツを乗せたカレーである。

オムカレーとはまた違うので、そこは紛らわしかったりする。


オムレツカレーはライスにオムレツを乗せたカレー。

オムカレーはオムライスにカレーをかけたものである。


なのでオムレツカレーはカレーのトッピングにオムレツを追加したものという事だ。

そこの違いは紛らわしいが、オムカレーとオムレツカレーは違うものだという事である。


「うん、美味しいですね、カレーと卵の組み合わせはなかなかにイケる」


「カレーはスパイス料理という事ですが、スパイス料理がこの値段とは」


「しかし辛いながらも食べやすい辛さですね、これは」


「柔らかくなった牛の肉がカレーとよく合う」


「それにライスと一緒に食べるとこんなに美味しいんですね」


「スパイス料理というものの美味しさは実にいいものです」


その頃のエト達は帰り際に休憩していた。

この季節は温かい麦茶が美味しい季節だ。


「温かいわね」


「この季節は温かい麦茶が美味しいですよね」


「麦茶って不思議な飲み物よね」


「それが美味しさの理由かもしれませんね」


飲み物を飲んだらそのまま帰路につく。

帰ったらまた仕事である。


「ただいま戻ったわよ」


「お帰り、はい、温かいおしぼり」


「ありがとうございます」


「今年最後の仕事は特に問題なく終われそうデスね」


「ええ、来年もお世話になるわね」


「うん、帰りに渡すものがあるから、今年最後もしっかりやろうか」


「はい、では残りの仕事も片付けないとですね」


「ハイ、ではあと少ししっかりとやりマスか」


こうして今年最後の営業はきちんと終わる。

新年もまた各自しっかり働いていく事になる。


スタッフを増やすかどうかは来年にまた検討する事とする。

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