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ピスタチオジェラート

秋になり少しずつ涼しくなり始めた季節。

そんな中秋のフェアメニューも順調に売れているようである。

料理はもちろんデザート類も様々なものが並ぶ。

安くて美味しいデザートというのはやはり人気なのだ。

「また来てしまった、ここのお菓子類は美味しいですからね」

「安くて美味しいデザート類が食べられるというのはいいものです」

「街で買えるお菓子類とはまた違った美味しさを味わえますしね」

「では行きますか」

彼の名はニール、街の酒場で働く酒場の主人だ。

主な営業は夜なので昼間は結構時間が取れるらしい。

「この扉のシステムは面白いものですよね」

「中はもう涼しくはないみたいですね」

「いらっしゃいませ！何名様ですか！」

「一人ですよ」

「かしこまりました、おタバコはお吸いになられますか」

「いえ、吸いませんよ」

「かしこまりました、では禁煙席にご案内しますね」

「スタッフが若いのもいいものですよね」

そうして席に案内される。

説明は理解しているのでスムーズに進む。

簡単に説明を受けそのまま次へ。

タブレットの使い方も理解している様子。

「タブレットの使い方は分かりますね」

「はい、問題ありませんよ」

「分かりました、では何かあればお呼びください」

「さて、水を取りに行きますか」

そうしてエトは一旦下がり別の料理を運びに行く。

ニールは先に水を取りに行く事に。

「ここの水は美味しいものですよね」

「あとは氷と手拭き、使い捨てというのは面白いものです」

「さて、注文を決めてしまいますか」

「甘いもの、何にしますか」

「ふむ、これとこれとこれとこれで確定ですね」

「このタブレットというのは興味深いものです」

それから少ししてグラスワインの白が運ばれてくる。

アルコール類はグラスなら安くて飲みやすいのである。

「お待たせしました、先にグラスワインの白になります」

「どうも」

「デザート類はもう少々お待ちください、それでは」

「さて、飲みますか」

ワインに限らずグラスのアルコール類は安い値段で飲める。

なのでちょい飲みとして頼む人も多い。

「ここのお酒は美味しいですよね、大したものです」

「私の店で扱っているものでも勝てませんよ、この味は」

「ふぅ、美味しいものです」

そうしているとデザート類が運ばれてくる。

ワインで甘いものを食べるのが好きな食べ方らしい。

「お待たせしました、ピスタチオジェラートと杏仁豆腐とぶどうゼリーになります」

「どうも」

「こちらは伝票です、会計の際にお持ちください、それでは」

「さて、いただきますか」

ピスタチオジェラート、イタリア産のピスタチオを使ったジェラート。

なめらかで口溶けもよく、ピスタチオの香りもまた美味しさの理由だ。

練って食べると美味しいというのはアヌークのおすすめの食べ方。

もちろん練らずに食べても美味しい。

ピスタチオの香りはもちろんだが、ミルクの味もまた濃い。

なので濃厚なミルクの味もまた楽しめる。

ピスタチオの香りを楽しむのもまた美味しい食べ方だ。

ジェラートはソフトクリームやアイスクリームともまた違うアイス。

イタリアでは定番のデザートであり味も様々だ。

ピスタチオもまたイタリアでは定番の食材なのである。

「ふむ、これは美味しいですね、ミルクの濃厚な味がする」

「それに加えて香りも素晴らしいですね、ピスタチオというものの香りですか」

「この香りからしてピスタチオというのは木の実か何かでしょうか」

「こっちのぶどうゼリーも美味しいですね、甘くてそして食べやすい」

「ゼリーというのもまた不思議な食べ物ですね」

「杏仁豆腐というのは豆腐ではないんですよね」

「甘くてそしてツルッとしたこの味がいい」

「ここのデザート類はどれも美味しくていいものです」

そうしているうちにデザート類を完食する。

飲み物を飲み干し会計を済ませる事に。

「支払いをお願いします」

「はい、ピスタチオジェラートと杏仁豆腐とぶどうゼリーとグラスワインの白ですね」

「全部で銅貨一枚と青銅貨四枚になります」

「これでお願いします」

「銀貨一枚いただきます、お釣りの青銅貨一枚になります」

「どうも」

「満足していただけていマスか」

「これはシェフの方」

「甘いものがお好きなのデスか」

「ええ、ここのデザート類はどれも美味しくて実にいいですよ」

「そう言ってくれると何よりデス」

「それにここはお酒も美味しいですからね」

「お酒に詳しかったりするのデスか」

「一応酒場をやっていますよ、そこのマスターです」

「酒場のマスターデスか、ここのお酒は実際どうデスか」

「とても美味しいと思います、私の店で出せるものとはまた違いますし」

「なるほど」

「それにあの値段でお酒を提供出来るというのは凄い事だと思いますよ」

「お酒は専属の仕入先があるからこそデスね」

「専属の仕入先、なるほど」

「たくさん飲みたい人には量のあるメニューもありマスからね」

「その辺は飲みたい量に合わせているんですね」

「ハイ、お酒と一緒に料理や甘いものを楽しんでもらえるとそれもまたいい嬉しいデスよ」

「その辺は勉強させてもらえそうですね」

「お酒は楽しく飲んでこそデスから」

「おっと、ではそろそろ、また食べに来ますね」

「酒場のマスターか」

「お酒にも詳しそうデスね」

そうしてニールは満足そうに帰っていった。

ここの酒もまた気に入っている様子ではある。

甘いものとお酒をこよなく愛する酒場の主人なのだから。