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ローストビーフサンド

秋のフェアメニューが始まり季節の変わり目を感じる時期。

そんな秋のフェアメニューも汁物以外は大体は宅配にも対応している。

なお汁物が対応していないのもあるが、デザート類も対応しているものは少ない。

デザート類は痛むのが早い事もあり、一部を除いて宅配持ち帰りには未対応である。


「今回の届け先ってどこかな」


「16番街のロビンさんの家ですね」


「16番街だね、少しあるから早く届けようか」


「そうですね、早めに行くとしますか」


今回の届け先は16番街。


そこまで遠くはないがなるべく早く届ける事にする。


「それで今回の注文ってなんだっけ」


「ローストビーフサンドですね」


「ローストビーフって確か牛肉を焼いたものだっけ」


「正しくは蒸し焼きにした料理ですね」


「蒸し焼きか、そういえばローストビーフって中は赤いんだよね」


「生肉を食べるのは危険すぎるとは言っていましたが、こういう料理もあるんですよね」


「火はきちんと通すけど、肉の中身には赤身を残した肉料理って事だよね」


「ええ、本場ではローストビーフはエンドカット、両端の部分が地味な人気なんだとか」


「その理由って塊の肉を使うからでいいのかな」


「みたいですね、なので両端が一番美味しい部分って言われているんだそうです」


「肉はとんかつとかでもそうだけど、端の部分が一番好きっていう人は結構いるよね」


「それは私も感じます、肉は両端が一番美味しいと感じる人は少なからずいるんでしょうね」


「ローストビーフもそんな感じなんだね」


「あとローストビーフは基本的にソースと合わせて食べるっていうのはありますから」


「あと合わせるのにわさびとかマスタードを使ったりもするんだっけ」


「みたいですね、国にもよりますがヨーグルトやマヨネーズ、生卵とかも使うとか」


「ソースに合わせる調味料も何かとあるんだね」


「ソースはグレイビーソースが基本ですしね」


「あとわさびもマスタードも辛い調味料なのにそんな辛く感じない不思議があるかも」


「そこは上手く混ぜ合わているんでしょうね」


「こっちかな」


「ええ、こっちですね」


ローストビーフはサンドイッチにしたりハッシュドビーフに使ったりもする。

また両端の部分、エンドカットの部分には一番旨味が染み込んでいる。


とんかつなどでもそうだが、両端の部分が好きな人は少なからずいる。

それは両端の部分が一番美味しいと思っているからなのだろう。


肉でも食パンでも端っこの部分が好きという人はいるものなのだ。

ローストビーフのエンドカットが好きな理由も分かる気がした。


「それにしても両端の部分が一番美味しいっていう人は少なからずいるんだね」


「わざわざそこを注文するお客もいると聞きますから、ローストビーフは」


「とんかつとかでもそうだけど、端っこが美味しいって知ってるのかもね」


「食パンとかロールケーキなんかでも端っこが好きという人は少なからずいるそうですし」


「そういえばそういうのも端っこが出る料理なんだっけ」


「ええ、なので肉に限らず端っこが好きという人はいるんですよ」


「なるほど、端っこがいいっていう理由はあるんだろうね」


「ローストビーフでエンドカットを頼む人が昔から存在しているようにですね」


「昔の人でも端っこが一番美味しいって知ってた人はいたんだね」


「わざわざエンドカットを注文するぐらいですからね」


「それが今でも普通にいて、ロールケーキや食パンでも生まれたって事かな」


「そんな感じだと思いますね」


「こっちかな」


「もう少しですね、早く届けますか」


そのまま16番街に入っていく。

ロビンさんの家はすぐそこだ。


「ここかな」


「すみませーん!キッチンハウスの宅配です!」


「はい!」


「お待たせしました」


「えっと、先に銅貨一枚と青銅貨三枚をいただきます」


「これでお願いします」


「ちょうどいただきます、ではこちらがご注文のローストビーフサンドになります」


「どうも」


「容器は行政区分に従って可燃ごみでお願いします」


「分かりました」


「ではまたのご利用をお待ちしています、それでは」


「さて、いただきますか」


ローストビーフサンド、ローストビーフとレタスを挟んだシンプルなサンドイッチだ。

ローストビーフのソースはグレイビーソースを使っている。


本来食べる時はホースラディッシュやマスタードを合わせたりもする。

ただ宅配などでは子供が食べる事も想定してか、そういうものは省いてある。


ローストビーフはアヌークが本場で学んだ調理法で作っている。

なおエンドカットは基本的に店でも持ち帰りでも提供はされない。


「うん、これは美味しいですね、肉が柔らかくて食べやすい」


「ソースとの相性もいいですし、野菜もシャキシャキだ」


「挟んでるパンもふわふわで美味しいですね」


「ローストビーフというのは牛の肉でしたか、確か」


「いい牛の肉は貴族が食べるものというイメージでしたが」


「こんな美味しい牛の肉がこの値段で食べられるならお得なものですね」


その頃のアレッシオ達は帰り際に休憩していた。

冷たい麦茶が体に染み渡る。


「はぁ、美味しいね」


「ですね、麦茶のこの美味しさは不思議なものです」


「材料が手に入れば家でも作れるのかな」


「そこはなんともですけど」


飲み物を飲んだらそのまま帰路につく。

帰ったらまた仕事である。


「ただいま戻りました」


「お帰り、はい、冷たいおしぼり」


「ありがとうございます」


「外はまだ暑いデスかね」


「そうですね、暑いけど暑さは落ち着いてきてる感じです」


「ならまだ夏服のままでいいかな」


「そうですね、切り替えるのはもう少し先でいいと思います」


「分かりマシタ、ではそんな感じで調整しておきマス」


秋のフェアメニューも始まり季節は移り変わっていく。

とはいえまだ外は残暑の残る季節。


本当に秋が来るのはもう少し先になりそうだ。

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