表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
214/402

抹茶あずきのパンケーキ

夏も少しずつ近づいてきている様子の異世界キッチン。

来月から夏のフェアメニューに切り替わるためその準備にかかる。

フェアメニューは四季に応じて三ヶ月で切り替わっていく。

夏は冷たい料理やスタミナがつく料理が中心になりそうだ。


「また来てしまった、美味しいというのはずるいわよね」


「仲間に教えてもらったとはいえ、一人で来るのもいいわよね」


「教えてくれた仕事仲間には感謝かしらね」


「さて、行きましょ」


彼女の名はアンジェラ、歴戦の傭兵だ。


仕事でこの国を訪れた際に仕事仲間と食べに来て気に入った様子。


「この扉のシステムは面白いものよね」


「中は少しだけど涼しいのね」


「いらっしゃいませ!何名様ですか!」


「一人よ」


「かしこまりました、おタバコはお吸いになられますか」


「いえ、吸わないわ」


「かしこまりました、では禁煙席にご案内します」


「若い女の子が働いてる姿は見てて眼福よね」


そうして席に案内される。

説明は理解しているのでスムーズに進む。


簡単に説明を受けそのまま次へ。

タブレットの使い方も理解している様子。


「タブレットの使い方は分かりますね」


「ええ、問題ないわ」


「かしこまりました、では何かあればお呼びください」


「さて、水を取りに行きましょ」


そうしてリーザは一旦下がり別の料理を運びに行く。

アンジェラは先に水を取りに行く事に。


「ここは水も美味しいから凄いわよね」


「あとは氷と手拭き、氷をこんなに用意出来るって凄いわよね」


「さて、注文を決めないと」


「やっぱり甘いものよね、何にしようかしら」


「ふむ、これとこれで確定っと」


「タブレットって便利な道具よねぇ」


そうしてアンジェラはドリンクバーに飲み物を取りに行く。

迷わずに手を伸ばしたのはメロンソーダだった。


甘くて不思議な色をした飲み物がメロンソーダ。

こっちの世界にも炭酸水はあるが、コーラやソーダというものはない。


「ふぅ、このメロンソーダっていうのは美味しいわねぇ」


「しかし緑色で甘い炭酸水って不思議な飲み物よね」


「お酒を炭酸水で割ったりはするけど、甘い炭酸水はなかなかに珍しいわよ」


「どうやって作ってるのかしらね、これ」


そうしていると抹茶あずきのパンケーキが運ばれてくる。

パンケーキに抹茶アイスとつぶあんを乗せて黒蜜などでいただくものだ。


「お待たせしました、抹茶あずきのパンケーキになります」


「どうもね」


「こちらは伝票です、会計の際にお持ちください、それでは」


「さて、いただきましょ」


抹茶あずきのパンケーキ、パンケーキにあんこと抹茶アイスを乗せていただく。

他にもマスカルポーネチーズやバナナなども乗っている。


そしてそこに黒蜜でいただくのが和風パンケーキだ。

パンケーキは抹茶アイスやあんことも相性がいい。


パンケーキ本体もふわふわに焼き上げられたアヌーク秘伝のレシピだ。

そしてふわふわなのにしっかりと食べごたえもある。


そんなパンケーキ本体もしっかりと甘いので、飽きさせない。

なお定番メニューにはホットケーキも並んでいたりする。


アヌーク曰くホットケーキは料理でありパンケーキはデザートなのだという。

実際ホットケーキはパン料理のカテゴリとしてメニューに載っている。


「ふぅ、このパンケーキっていうのは美味しくていいね」


「抹茶っていうお茶のアイス、あとあんこっていう甘い豆」


「美味しいんだけど不思議な料理って感じよね」


「あとは果物と、これはチーズよね」


「それらの相性もいいし、パンケーキもナイフで簡単に切れるし」


「甘いものが好きな身としてはこういうのは本当にたまらないわよね」


「それにしても豆を甘く煮るって変わってるけど美味しいものなのね」


「乗ってるアイスやチーズも美味しいし、こういうのを求めてたのよ」


そうしているうちに抹茶あずきのパンケーキを完食する。

飲み物を飲み干し会計を済ませる事に。


「支払いをお願い」


「はい、抹茶あずきのパンケーキとドリンクバーですね」


「全部で銅貨一枚と青銅貨二枚になります」


「ちょうどいただきます」


「満足していただけているようデスね」


「あら、シェフの人」


「甘いものがお好きなのデスか?」


「好きね、仕事先でその土地の甘いものの食べ歩きが趣味なの」


「筋金入りの甘党デスか」


「ここの甘いものは味がどれも素晴らしくて凄く気に入ったの」


「それは何よりデス」


「それにしてもあんこっていうの?甘く煮た豆ってあんなに美味しいのね」


「あんこが気に入ったというのは嬉しいデスね」


「甘い豆なんてどこの国に行っても食べられるものでもないしね」


「好みも分かれる味という事デスね」


「ええ、私は好きだけどね」


「あんこは元々そういうものデスからね」


「でも豆を甘く煮るっていう考えは素晴らしいと私は思うわよ」


「それを使った料理も他にもありマスからね」


「さて、そろそろ行くわ、またこの国に来たら来るわね」


「一つの土地に留まらない仕事の人かな」


「そのようデスね」


そうしてアンジェラは満足そうに帰っていった。

超がつく甘党の彼女もここのデザートを気に入った様子。


甘党だからこそここでデザートを食べるのである。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ