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カレーピラフ

春はすぐそこまで来ているようで、フェアメニューももうすぐ切り替わる。

とはいえ本格的に暖かくなるのにはまだかかるそうな。

それでも確実に暖かくなりつつあるとは聞いている。

桜が咲く季節も遠くないようだ。


「今回の届け先ってどこかな」


「今回の届け先は5番街のロイドさんの家ですね」


「5番街だね、なら遠くはないかな」


「はい、では行きますよ」


今回の届け先は5番街。


店があるのは6番街なのですぐそこである。


「今回の注文ってなんなの」


「カレーピラフですね」


「カレーピラフってカレー味の炒めたご飯だよね」


「そうですよ」


「でもカレーピラフとカレーチャーハンとかの違いがよく分からないんだけど」


「ピラフはあとから炊くものでチャーハンはあとから炒める感じらしいですね」


「要するに調理工程の順番で変わるのか」


「みたいですよ」


「料理の奥深さを感じる、あたしには違いが分からん」


「でもカレー味の料理はカレー粉を使っているのが個人的に凄いと思ってますよ」


「スパイスは普通に見るけど、カレー粉っていうものは見ないもんね」


「ええ、カレー自体は出しているレストランもあるみたいですが」


「そういうのってお店のシェフが自分でスパイスを配合して作ってるんだよね」


「ほとんどのお店はそうらしいですね、カレー粉なんて便利なものはないです」


「でもアヌークも自分の配合は持ってるって言ってたけど」


「アヌークさんが言うにはスパイスの配合は人の数だけあるとは言っていましたね」


「つまりカレーって同じ味は二つとないって事?」


「カレーの本場ではそうらしいです」


「スパイスって奥が深いんだなぁ」


「だからなのか家庭料理向けの固形スパイスみたいなのがあるんだとか」


「つまりそれを使えばどんな家でもカレーが作れるみたいな代物かな」


「はい、カレールウと言うものらしいですよ」


「カレーもいろいろ進化してるんだね、カレーの可能性を感じるよ」


「カレーは肉でも魚でも野菜でも大体は美味しくなりますしね」


「カレー粉とかカレールウとか簡単にカレーが作れるって凄いよ」


「カレーを気軽に食べられるわけですからね」


「それより急ごう」


「そうですね、こっちですよ」


こっちの世界にもカレーはあるようだ。

とはいえカレー粉やカレールウといったものはないのだという。


そのためカレーはシェフの独自の味が強く、また辛味も強いものが多いとか。

カレーはあるが、簡単に作れる料理ではないのだ。


そのため簡単にカレーを作れるという事はない。

そんなカレーを安く食べられるというのは驚かれてもいる。


「そういえばカレーの味って割となんにでも合うよね」


「確かに、炒め料理や麺類、スープなんかもありますよね」


「うん、カレーの可能性って凄いんだなぁって感じるよ」


「ただカレーの味でも料理によって辛さの加減は様々みたいですね」


「確かにスープカレーなんかは辛さが強いよね」


「その一方でカレーピラフなんかは辛さはそこまで強くないですし」


「料理によって辛さは強い方が美味しいとかあるのかな」


「スパイスは体が暖まるのでカレー料理が生まれた土地も関係しているのかもしれませんね」


「だとしたらスープカレーなんかは寒い土地で生まれた料理なのかな」


「その可能性はあると思いますよ」


「土地柄な味っていうのもあるんだなぁ」


「寒い土地の料理は体が暖まるスープ系の料理が多いというのは言っていましたし」


「なるほど、確かにスープは体の中から暖まるもんね」


「辛味の強いスープカレーはそんな寒い土地だからこそなんだろうとは推測出来ますね」


「カレーって一言で言い表せる料理じゃないって事か」


「スパイスの配合は人の数だけあり、カレー味は多くの料理に合うという事も含めてですね」


「この先かな、早く届けちゃおう」


「ええ、もう目の前ですしね」


そのまま5番街に入っていく。

ロイドさんの家はすぐそこだ。


「ここみたいだね」


「すみませーん!キッチンハウスの宅配です!」


「はい!」


「お待たせしました」


「はい、では先に代金として銅貨一枚と青銅貨一枚をいただきます」


「これでお願いします」


「ちょうどいただきます、ではこちらがご注文のカレーピラフになります」


「確かに受け取りました」


「容器は行政区分に従って可燃ごみでお願いします」


「分かりました」


「ではまたのご利用をお待ちしています、それでは」


「さて、いただきますか」


カレーピラフ、そのままカレー味のピラフである。

ピラフとチャーハンの違いは調理工程の順番の違いだ。


カレーピラフはひき肉や細かく刻んだ野菜を使っていたりする。

家庭料理ではこんな感じのものをドライカレーとも呼んだりする。


とはいえカレーピラフとカレーチャーハンとドライカレーは全て似ているが別物だ。

人によってはどれも同じだろと言われそうな話でもある。


「ふむ、これは美味しいですね、辛すぎずな味がちょうどいい」


「カレーというと高い料理のイメージですが、カレーの味の炒めたライスなんですね」


「つまりこれはライスにカレーの味をつける事が出来るものが使われている?」


「カレーは本来ライスにソースをかけて食べるものですよね」


「なのにこれはライスそのものにカレーの味がついている」


「カレーの味をつけられるもの、そんなものがあるという事ですか」


その頃のリーザ達は帰り際に休憩していた。

温かい麦茶が体に染み渡る。


「ふぅ、落ち着くね」


「まだ寒さは残ってますからね」


「春も近づいてるけど、まだ寒さは続きそうだね」


「春の訪れはもう少しかかりそうですね」


飲み物を飲んだらそのまま帰路につく。

帰ったらまた仕事である。


「ただいま戻ったよ」


「お帰り、はい、温かいおしぼり」


「ありがとうございます」


「まだ寒さは続いているみたいデスか?」


「うん、まだ寒いけどそれでも暖かくはなってきてるよ」


「なら来月の中旬ぐらいには春の暖かさも来てるかな」


「防寒着もそれぐらいの時期なら使用頻度も減っているかと」


「分かりマシタ、とりあえずもう少し様子を見ておきマスね」


まだ寒いが寒さはだいぶ落ち着いてきた。

春はもうすぐそこまで来ている。


春のフェアメニューと春の訪れはもう遠くないようだ。

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