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シーフードキーマカレー

夏のフェアメニューもそろそろ秋のフェアメニューに切り替わる季節。

そんな秋のフェアメニューは来週から始めるとアヌークから伝えられる。

なので夏のフェアメニューは今週いっぱいで食べ納めだ。

それにより駆け込み需要で注文も増えているようで。


「今回の届け先ってどこだっけ」


「16番街のトータスさんの家ですね」


「16番街だね」


「はい、行きましょう」


今回の届け先は16番街。


自転車が使えるようになり時間もだいぶ短縮可能になった。


「それで今回の注文って何」


「シーフードキーマカレーですね」


「シーフードってエビとかイカとかだよね」


「はい、それを使ったカレーです」


「そういえば夏のフェアメニューも今週いっぱいで終わるんだっけ」


「来週からは秋のフェアメニューに切り替わるそうですよ」


「アヌークさんもフェアメニューをたくさん考えるの凄いよね」


「それも一気に出すのではなく少しずつ小出しにしますからね」


「最初の一ヶ月ぐらいで出揃うんだっけ」


「みたいですね」


「でもシーフードか、内陸のこの国で海の幸が食べられるなんて思わなかったよ」


「保存が出来るからこそお店でも提供出来るのでしょうからね」


「技術はそれなりに進んでも保存の技術がまだだもんね」


「冷やす事は出来るんですけど、その状態で運ぶのが難しいんですよね」


「アヌークさんも凍らせたり冷やして保存するのは基本って言ってたし」


「そういうのを聞くと冷やした状態で運ぶ技術が一般に浸透しないとですね」


「そうだね、お店なんかでも店頭では冷やせるけど運ぶのが難しいって」


「冷蔵庫なんかも家庭には国から支給されるんですけどね」


「その支給って国にきちんとした住んでるって証明される事が必要だしね」


「だから内陸のこの国で食べられる魚といえば干物などしかなかったので」


「僕も家で魚の干物とかは食べてたから、エビとかがこんなに美味しいなんて驚いたよ」


「それも全て保存が出来るからこその美味しさですよね」


「だね、お店のまかないも美味しいし」


「それより行きましょう」


アレッシオはまかないで食べる海鮮類も気に入っている様子。

エビやイカ、貝類などが気に入っている。


この国は内陸の国なので俗に言う海なし県のような感じだ。

なので魚などはまず食べられない、食べられても加工品が精々だ。


そんな海の幸の美味しさを知ったアレッシオは感激もした様子。

鮮度のいい海産物を食べられる店のまかないはとてもいいものなのだ。


「でも海か、僕海って見た事がないんだよね」


「アレッシオさんはこの国から出た事がないんですか?」


「隣国ぐらいは行った事はあるけど、海のある国には行った事はないかな」


「そうだったんですね」


「だから海を見てみたいなぁって思ってるんだけどさ」


「稼いだお給金で海のある国まで旅行でもしたらどうですか」


「それもいいかもね、お給料はもらってるし」


「休みは言えばもらえると思いますよ」


「それも考えておくよ」


「この先が16番街ですね、行きましょう」


そのまま16番街に入っていく。

トータスさんの家はすぐそこだ。


「ここみたいだね」


「すみませーん!キッチンハウスの宅配です!」


「はい!」


「お待たせしました」


「はい、先に銅貨一枚と青銅貨三枚になります」


「これでお願いします」


「ちょうどいただきます、ではこちらがご注文のシーフードキーマカレーになります」


「ありがとうございます」


「容器は行政区分に従った上での可燃ごみでお願いします」


「分かりました」


「ではまたのご利用をお待ちしています、それでは」


「さて、いただきますか」


シーフードキーマカレー、キーマカレーとシーフードホワイトソースで食べるカレーだ。

ひき肉のキーマカレーとシーフードを使ったホワイトソースをライスにかける。


そんなハーフがライスとの相性も抜群だ。

キーマカレーとホワイトソースを混ぜても特に問題なく美味しい味になる。


ハーフでかけて別々に味わっても混ぜて食べてもいいお好みのカレーである。

辛さもそこまで辛くないので子供でも食べやすくもある。


「ん、これは美味しいですね、カレーソースとクリームソースなんですね」


「カレーには細かい肉が、クリームソースには海の幸が使われている」


「混ぜても美味しい、片方ずつ食べても美味しい、上手い料理だ」


「ライスについていた漬物も美味しかったですし、カレーとは面白いですね」


「辛い味と甘い味が同時に味わえるカレー、考えられているものです」


「限定メニューというのが惜しいところですね、これは」


その頃のアレッシオ達は帰り際に休憩していた。

夏の暑さも落ち着いて少しずつ涼しくなる季節だ。


「ふぅ、冷たい麦茶って美味しいよね」


「夏はこれが美味しいってアヌークさんも言っていましたし」


「でも夏ももう少ししたら終わるんだね」


「涼しくなる季節ですよ、仕事も楽になりますから」


飲み物を飲んだらそのまま帰路につく。

帰ったらまた仕事である。


「ただいま戻りました」


「お帰り、はい、おしぼり」


「ありがとうございます」


「特に問題なく届けられているようデスね」


「はい、自転車も慣れたものですから」


「ならとりあえずは安心かな」


「転ばないようには気をつけますので」


「事故は怖いデスからね」


どんなに気をつけても事故は起こるもの。

それへのリカバリーもしっかりせねばならない。


乗る分には今は特に問題はないようだ。

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