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トマトカレー

春のフェアメニューも終りが近づいている異世界キッチン。

夏のフェアメニューに切り替わるまであと少し。

夏には主にスタミナ系や汗をかく料理が増えると思われる。

辛い料理やにんにく系の料理は夏には欠かせないものである。


「今回の届け先ってどこなのよ」


「15番街のスタークさんの家ですね」


「15番街ね、ならさっさと行きましょ」


「急がなくても平気ですよ」


今回の届け先は15番街。


最近は暑くなり始めたので日射対策も必要になってくる。


「それで今回届けるのってなんなのよ」


「トマトカレーですね」


「トマトカレーねぇ、カレーにもいろいろあるのね」


「夏はトマトが美味しい季節ってアヌークさんは言ってましたね」


「確かトマトって夏の野菜なのよね」


「そうみたいですね、太陽の下で育ったトマトは美味しいって言ってました」


「姫は野菜ってあまり好きじゃないのよね」


「子供は野菜が苦手な人も多いとは聞きましたけど」


「姫は子供じゃないわよ、野菜はそこまで好きじゃないけど」


「でも今の季節は夏野菜のカレーなんかは美味しいって言ってましたよ」


「野菜も食べられるけど、野菜が美味しいとは思わないわね」


「意外と偏食家なんでしょうか」


「なんで嫌いなものをわざわざ食べなきゃいけないのよ」


「一応ですけど、公の場だと食べられた方がいいからでは」


「確かに食べないのは失礼だとは分かるんだけどね」


「エトさんも味覚はまだ子供という事なのかもしれませんね」


「子供扱いされるのは不服なんだけど」


「そういうところが子供って言われる理由なのでは」


「うぐっ、別にいいでしょ」


「大人になるのはまだまだかかりそうですね」


「そういうソアレだって大人じゃないでしょ」


「でも一応一人暮らしですから」


「大人になるって難しいのね」


「エトさんはまだ精神的には未熟なんでしょうね」


「はぁ、大人ってなんなのかしらね」


「そろそろ15番街ですね、行きますよ」


エトも大人に憧れるような年頃なのか。

野菜が苦手なのは味覚はまだ子供という事なのだろう。


とはいえ食べられるように努力もしてはいる。

仮にも王族なので、仕事でそういう食事が出る事もある。


それでも野菜が苦手なのに変わりはないようである。

子供の味覚と言われてもそれを否定出来ないのはあるのだ。


「そういえばトマトカレーって言うけど、カレーにトマトって普通に使ってない?」


「たぶん使ってると思いますよ、でも使う割合の違いとかはあるのでは」


「つまりたくさんトマトを使ったカレーって事でいいのかしら」


「まあトマト料理は赤い色が強いので見た目があれですけど」


「でもトマト料理なんて珍しくないでしょ」


「それはそうなんですけどね」


「姫はトマトはそこまで好きでもないけど」


「そもそも野菜がそこまで好きでもないならそれは分かりますけど」


「でもケチャップとかミネストローネは好きよ」


「加工してあれば平気っていう事ですか?」


「たぶんそうよ」


「なんとなく好みが分かった気がします」


「ケチャップとかミネストローネとか美味しいのよね」


「この先みたいですね、行きましょう」


そのままスタークさんの家へと向かう。

夏は宅配の料理も早く食べるべきという事は徹底させねばならない。


「ここみたいね」


「すみませーん!キッチンハウスの宅配です!」


「はい!」


「待たせたの」


「はい、では先に代金として銅貨一枚と青銅貨二枚をいただきます」


「こいつでよいかの」


「はい、確かに、ではこちらがご注文のトマトカレーになります」


「うむ、すまなかったの」


「容器は行政区分に従って可燃ごみでお願いしますね」


「分かった」


「ではまたのご利用をお待ちしています、それでは」


「さて、いただくとするかの」


トマトカレー、夏野菜をたっぷり使った野菜カレーだ。

トマトカレーだけあり普通のカレーよりも赤い色が強い。


またスパイスもトマトカレー用に配合してある。

暑い季節には嬉しい汗をかける料理でもある。


夏も近いという事もあり、トマトカレーの需要は増えそうだ。

ちなみにトマトカレーは定番メニューである。


「ほう、こいつは美味い、思っているよりもさっぱりしているな」


「辛さはもちろん、トマトのおかげで食べやすくもある」


「暑い季節には嬉しい食べ物じゃな、これは」


「匙が止まらない程度には美味いというのがまたいい」


「これがあの値段で食べられるなら安いもんじゃ」


「汗が止まらん、これはいい」


その頃のエト達は帰り際に休憩していた。

冷たい麦茶が美味しい季節なのだ。


「麦茶って美味しいわよね」


「魔法瓶という水筒も不思議ですけどね」


「冷めたりぬるくなったりしないって凄いわよね」


「どういう技術なんでしょうか、気になります」


飲み物を飲んだらそのまま帰路につく。

帰ったらまた仕事である。


「ただいま戻ったわよ」


「お帰り、はい、おしぼり」


「どうも」


「夏になったら日差しの対策も必要になりマスね」


「炎天下にずっといるのは危険なのよね」


「うん、帽子とかも用意した方がいいかな」


「夏の対策とかはしておくべきですからね」


「とりあえず日差し対策は用意しておきマスよ」


夏になれば日差し対策が必要になる。

また宅配に使う自転車の練習もしなくてはならない。


必要なものはそれでも揃えるのがオーナーである。

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