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濃厚ソース焼きそば

春のフェアも順調に売れている異世界キッチン。

その一方で宅配とテイクアウトも増えているのは多様な家族の形か。

また食べ残しを持ち帰れるサービスもあるので、多少は安心でもある。

そんな中汁物を宅配に追加するのはまだ検討中のようだ。


「今回の届け先ってどこかな」


「9番街のリーフィさんの家ですね」


「9番街か、それなら近いね」


「早く行くとしますか」


今回の届け先は9番街。


遠くから近くまで対応しているので、移動手段が欲しくなる。


「それで今回の注文ってなんだっけ」


「濃厚ソース焼きそばですね」


「焼きそばって中華麺を焼いたやつだっけ」


「はい、それにソースで炒めたやつですね」


「野菜なんかも結構入ってて食べやすいしいいよね」


「アヌークさんが言うには野菜でかさ増ししたやつを焼きそばとは認めないとか」


「あの人そういうこだわりだけは強いよね」


「焼きそばの主役はあくまでも麺だっていうのがアヌークさんの持論ですから」


「でも分からなくはないかも、うちのチビ達も麺が多い方が喜ぶし」


「アレッシオさんの家って大家族なんでしたっけ」


「うん、焼きそばとかだと野菜も食べてくれるのは嬉しいけどね」


「焼きそばみたいな味付けだと子供でも野菜を食べやすいですからね」


「そうなんだよね、ピーマンが苦手な子も多いけど、焼きそばだと普通に食べるよ」


「野菜が苦手な子供ってその味が苦手っていう事は多いですからね」


「アヌークさんが言うには子供の時と大人の時だと味覚が変わるらしいですよ」


「なるほど、だから野菜が苦手だったりするのか」


「野菜は焼きそばのような野菜の味を打ち消せるような感じがいいんでしょうね」


「焼きそばはうちのチビ達もお気に入りだから、そういう味が好きなんだよね」


「子供の時は焼きそばに限らずですけど、そういう味付けを好むんですよね」


「なるほどなぁ、味覚って難しいや」


「持ち帰りもさせてもらえる辺りはスタッフにも優しくていいですよね」


「おかげでチビ達がそれを楽しみにしてるからね」


「この先が9番街ですね、行きますよ」


アヌークが言うには焼きそばの主役は麺だという事。

なのでアヌークが焼きそばを作る際には麺が7に対して具が3で作るという。


野菜でかさ増ししたようなやつは焼きそばとは認めないというのはアヌークの持論。

夏祭りで売っているようなのは麺入り野菜炒めだとアヌークは言う。


それもありアヌークの焼きそばへのこだわりは麺が主役であるべきという事。

アヌークの焼きそばの黄金比は麺が7で具が3こそが最高との事だ。


「それにしてもアヌークさんって焼きそばには結構なこだわりがあるんだね」


「焼きそばに限らずこだわりはあるみたいですけどね」


「でもそういうこだわりがあるから美味しくなるんだろうな」


「焼きそばの黄金比は麺が7で具が3らしいですよ」


「つまり麺が主役であるべきっていう考えなのか」


「まあそういう私も麺が多い方が嬉しいですけどね」


「うちのチビ達もそういう感じだから、それは合ってるのかな」


「だと思いますよ」


「焼きそばの黄金比か」


「この先ですね、行きましょう」


そのままリーフィさんの家へと向かう。

電子レンジのない世界において食事はすぐに食べるものという認識なのだ。


「ここかな」


「すみませーん!キッチンハウスの宅配です!」


「はい!」


「お待たせしました」


「はい、では先に代金として銅貨一枚をいただきます」


「これで」


「ちょうどいただきます、ではこちらがご注文の濃厚ソース焼きそばになります」


「確かに受け取りました」


「容器は行政区分に従って可燃ごみでお願いします」


「分かりました」


「ではまたのご利用をお待ちしています、それでは」


「さて、いただこうかしら」


濃厚ソース焼きそば、ソースの味の濃さをマシマシにしたソース焼きそば。

それによりジャンク感が増していながら満足感も高い。


ソースのブレンドはアヌークの独自ブレンドを量産してもらっている。

またこだわりの通り麺と具の比率は7と3で作っている。


具には豚肉とキャベツ、それとピーマンを使うのがアヌーク流だ。

もやしは水分が多く味を損なうため使わないと言っているようだ。


「ん、これは美味しいわね、味がとても濃いわ」


「麺を多めにしていながら野菜もしっかりと炒められているのね」


「そんなに多くはないけど、肉も入っているしソースの味が染みてて食べやすいわね」


「でもこれだけ濃い味が作れるというのも凄いものね」


「この止まらない感じの味が何よりの魅力なのかしら」


「確かに美味しいし、また機械があったら他にも頼んでみましょう」


その頃のアレッシオ達は帰り際に休憩していた。

冷たい麦茶のサービスは宅配の際にはありがたい。


「ふぅ、麦茶はやっぱり美味しいや」


「魔法瓶という水筒は不思議なものですね」


「冷めたりぬるくなったりしないもんね」


「どんな仕組みなのやら、この魔法瓶は」


飲み物を飲んだらそのまま帰路につく。

帰ったらまた仕事である。


「ただいま戻りました」


「お帰り、はい、おしぼり」


「どうも」


「宅配の際に移動手段も欲しいデスが、とりあえず自転車デスかね」


「ここのスタッフでも乗れるものでお願いしますね」


「乗る練習も必要になりそうだしね」


「時間がある時にでもそれはしておきますね」


「ハイ、近いうちに届きマスから、練習デスね」


近いうちに宅配に使う自転車が届くとの事。

こっちの世界にも乗り物は当然あるが、宅配なら自転車の方がいい。


入り組んだ道を進める乗り物で時間も短縮だ。

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