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トマトハンバーグ丼

夏のフェアメニューも順調に売れている異世界キッチン。

その一方で宅配も順調に知られている様子。

それにより利用してくれる客は確実に増えたと言える。

店に来店しなくても店の味が食べられるというのは大きいようだ。


「今回の届け先ってどこかな」


「今回は18番街のイリーナさんの家ですね」


「18番街か、少し遠いけどまあ時間はかからないよね」


「はい、ただ夏は食べ物が駄目になりやすいですから、気をつけましょうか」


夏場は食べ物が痛みやすい季節。


だからこそ早めに届けて早めに食べてもらうようにを徹底している。


「今回の注文ってトマトハンバーグ丼だっけ」


「はい、夏はトマトが美味しい季節だって言ってました」


「トマトか、あたしの故郷だとトマトは名産品だよ」


「リーザさんの故郷って離島でしたよね」


「うん、そこで採れるトマトは果物みたいに甘くて、フルーツとも呼ばれてるの」


「へぇ、そんなに甘いんですね」


「でもお店でまかないで食べたトマトも凄く甘かったね、凄い美味しかった」


「甘いトマト、それって品種改良とかそういうものですか」


「聞いた話だと外から持ち込まれたものらしいよ、でも気づいたら島の名産に」


「はぁ、でも甘いトマトってそれだけ美味しいものなんですね」


「そういえばソアレってトマトが駄目な人だったりする?」


「えっと、生のトマトは苦手です、ケチャップとかソースなら食べられます」


「そっか、まあ生のトマトは好き嫌いが分かれるものってアヌークも言ってたよ」


「トマト嫌いっていくつかパターンがあるとか、加工品でも駄目な人もいるんですよね」


「生だけが駄目な人と、加工品も含めて全部駄目な人、なるほど」


「だから私は生だけが駄目なタイプですね」


「冷たい水で冷やしたトマトにかぶりつくのは凄く美味しいんだけどなぁ」


「リーザさんってそういうの絵になりそうですね」


「そう?なんか照れるかも」


「この先ですね、行きましょうか」


ソアレは生のトマトが駄目な人らしい。

ただケチャップやトマトソースは普通に食べられる。


リーザは故郷の事もあるのか、トマトは好物なのだと。

キンキンに冷やしたトマトに豪快にかぶりつくのが好きと本人は言う。


トマト自体そもそも好みが分かれるものだとアヌークも言う。

なので嫌いだとしても別におかしくはないのだ。


「そういえばアヌークからもらったトマトジュース、凄く美味しかったな」


「トマトジュースですか?」


「うん、アヌークの住んでる方だと普通に売られてるんだって」


「トマトジュース、トマトを搾ってジュースにしているとかでしょうか」


「そんな感じだって言ってた、夏場は暑さで倒れないために飲むのもいいって」


「トマトジュース…私は無理そうですね、あのなんとも言えない味が苦手ですから」


「トマトに関しては食べられるかどうかのラインがあるって事か」


「この先みたいですね、行きましょう」


その先へ向かい目的の家に到着する。

そこはそこそこ立派な家のようで。


「すみませーん!キッチンハウスの宅配です!」


「頼まれていたものをお届けに上がりました!」


「はーい!」


「お待たせ、待っていたわ」


「こちらご注文のトマトハンバーグ丼になります」


「ええ、ありがとう」


「全部で銅貨一枚と青銅貨一枚になります」


「これでいいかしら」


「はい、確かにいただきました」


「器は紙なので可燃ごみでお願いします、あと行政区分には従ってください」


「分かったわ、ありがとう」


「ではまたのご利用をお待ちしています」


「それでは失礼します」


「さて、美味しいお昼にしましょうか」


トマトハンバーグ丼、ライスとトマトソースのハンバーグの丼。

夏限定のメニューで、宅配にも対応している。


トマトソースはガーリックの味も効いていて夏には最高の味になっている。

ハンバーグもアヌーク特製の合挽き肉を使っている。


そのハンバーグはなかなかに分厚く食べごたえもある。

夏のガッツリ飯といった感じのハンバーグ丼だ。


「うん、これは美味しそうだわ」


「ハンバーグは美味しいわね、お肉って感じの味だわ」


「このトマトソースもガツンとしててとても美味しい、ライスにも合うわね」


「ソースがいい感じにライスに染みてこれはいいわね」


「暑い季節はしっかり食べなきゃだから、こういうものに限るわ」


「お肉とライス、暑い季節はこれが一番よ」


その頃のソアレ達は水分補給をしていた。

夏はきちんと水分補給をするようにアヌークに言われている。


「はぁ、生き返るぅ」


「塩レモンの水は体に染みますね」


「夏は塩とレモンがいいってアヌークは言ってたけど」


「きちんとした理由はあるみたいですよ」


「そっか、さて、帰ろうか」


「はい、また次を待たないと」


そうして店に帰還する。

空調の効いた店内は暑い外からの帰還の際にとても涼しく感じるものだ。


「ただいま戻ったよ」


「お疲れ様、はい、冷たいおしぼり」


「はい、どうも」


「休んだらまた仕事を頼みマスね」


「はーい」


「分かりました」


そうして宅配の仕事も何かとあるのは確か。

時間短縮のための乗り物などは今は検討中だ。


まとめて入った際には近い所から順次届けていく事になっている。

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