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いちご大福

異世界キッチンの売上も順調に推移しつつあるいつもの日々。

そんな中アヌークが向こうではすでにやっているサービスも検討している様子。

まずは人を募る事からなので、アレッシオやリーザの力も借りる事に。

その計画というのは。


「というわけなのデスが」


「宅配サービスですか、確かにテレフォンの確保は出来ると思いますが」


「そもそも宅配って何?あとこのいちご大福って美味しいわね」


「宅配というのは家まで料理を届けるサービスの事デスね」


どうやら宅配を始めようというアヌーク。


こっちでは運ぶ手段なんかもあってそれ自体は練っていたようではある。


「おはようございます」


「おはよー」


「あ、おはよう」


「何か話していたんですか?」


「また何か始める気?」


「うん、アヌークが宅配を本格的に始めようっていう事みたい」


「宅配?」


「家に料理を届けるサービスデス、もちろんお店ほどとは行きマセンが」


「つまり注文を受けた料理をその人の家に届ける、ですよね」


「テレフォンに関してはお父様に言えばなんとかしてもらえるわ」


「通じるようになるまでは数日必要ですが」


「そういえばここってテレフォンがなかったね」


「普通にあるものだと思ってました」


「お二人もいちご大福でもドウゾ」


「うん、あ、美味しい」


「それで宅配を始めるのはいいけど、どうやって届けるんですか」


「テレフォンで注文を受けて料理と届け先を聞いてそれで、って感じかな」


流石にこちらの世界でネット注文のような事は難しいと知っている。

なのでこちらの世界の情報網などを活用しようという事になる。


技術こそ発達しているが、隣国の技術だという事はエトも言っている。

イクスラのような存在を生み出せても、まだまだ向こうに比べるとローテクだ。


なので電話で注文を受けるという形を取る事にした。

あとは新聞広告などを活用して宅配サービスを周知させる。


メニュー自体は新聞に入れる折込チラシを活用する。

他には人の集まる場所に置いてもらって人に周知させていくといった感じだ。


「とりあえずテレフォンについてはお父様に言っておくわ、登録もされてるしねここ」


「あとは宅配スタッフを一人追加で募集したいのデスが」


「流石にお店の前に募集の張り紙をしても簡単には行かないよね」


「それなら冒険者連盟を活用してはいかがですか」


「冒険者連盟?」


「簡単に言うと傭兵とかの派遣所の事よ、そういう仕事で生計を立てる人もいるの」


「なるほど、そこなら求人も受け付けてくれるんだ」


「でも本来は傭兵とかの派遣所でしょ?宅配スタッフなんて来るかな」


「一応求人サービスの一つではありますから、そういう募集自体は受けてくれますよ」


「ならそれを使いマス、宅配スタッフはとりあえずは一人デスね」


「一人で足りるんですか?」


「タブレットの導入でホールも多少は余裕が出来マシタからね」


「つまり手の空いてるホールスタッフとその宅配スタッフに行かせるんだね」


「ハイ、流石に何時間も空ける事はないと思いマスから」


「お金は流石に商品と交換になるわよね?」


「ハイ、もしお金を踏み倒すようなら商品は孤児院などに寄付に回しマス」


「確かに貧富の差はありますし、孤児院はこの国にもあるのでいい考えだとは思いますが」


「でもだとしたら宅配スタッフはそれなりの腕が必要だよね?襲われるかもしれないし」


「もしかして冒険者連盟を勧めたのって」


「はい、そこなら腕っぷしの強い人も来ますから」


イクスラが冒険者連盟での求人を勧めた理由がそれ。

つまり腕っぷしの強い人を宅配スタッフとして雇おうという算段だ。


そうすれば踏み倒す際に襲われても正当防衛が成立する。

要するに踏み倒そうと思うなよというメッセージにもなるからだ。


まさに求める人材が来る場所でもある。

イクスラの考えは流石と言うべきである。


「とりあえず求人に関してはあたしが行くよ、宅配スタッフを一人だよね」


「ハイ、そうなりマス」


「それじゃ今日の仕事終わりに冒険者連盟の支部に行かなきゃね」


「僕もついていきます、リーザさん一人だと心配ですし」


「あんた達、すっかり仲良しよね」


「テレフォンが使えるようになるためには機材が届いてから三日程度だと思います」


「そっちはお父様に帰ってから話しておくわね」


「あとは新聞に折込チラシを入れてもらいたいんだけど」


「それは新聞の販売所との交渉になりますね、そちらは私がやっておきます」


「イクスラなら安心ね」


とりあえずは大体の話はまとまった。

まずは宅配スタッフの求人を冒険者連盟のこの国の支部に出してもらう。


あとは電話を引いてもらい、使えるようにする。

新聞の折込チラシを入れてもらい宅配サービスの宣伝。


さらに冒険者連盟の建物や役所などにもチラシを置いてもらう事。

それとついでにアレッシオとリーザが人を通して伝えてくれる事になった。


あとはエトとイクスラが知り合いを通してくれる事になった。

イクスラがここで覚えた料理は好評なので、話は簡単に通るだろう。


「では大体は決まりデスね」


「そうね、期待してるわよ」


「そろそろ開店だね、それじゃ今日もよろしくお願いします」


「はい、では着替えますか」


「だね、行こう」


そんなこんなで話はまとまった。

宅配スタッフは冒険者連盟で募集をかける。


宣伝は新聞を活用する。

あとはスタッフによる人伝も使う。


宅配サービスの本格的な開始は電話が使えるようになってから。

その上で宅配スタッフが来てからになる。


開始日自体はそれに合わせて設定していく事になった。

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