表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
104/402

モカケーキ

新たな通貨の発行が始まり、メニューの改定も始まった異世界キッチン。

それに合わせて新たなシステムの導入なども始めた様子。

開店前にそれをきっちり説明しておく事になる。

そんな開店前の新しいシステムなどの説明をする事に。


「全員いマスね」


「ええ、なんか話す事があるんでしょ」


「新通貨の発行が開始されましたので、それも届いているはずですからね」


とりあえずモカケーキでも出して話をする事に。


それは新システムなどについてだ。


「とりあえずモカケーキでも食べながら話を聞いてクダサイ」


「はい、どうぞ」


「はい、それで説明ってなんですか」


「新しく導入したタブレットについてだね、これだよ」


「この板みたいなやつ?これの説明?」


「これからは注文はこれを使ってお客の方からしてもらう事になりマス」


「つまり今まで通りにオーダーを聞きに行かなくていいの?」


「うん、それでホールスタッフは料理を運ぶのは今まで通りね」


「だとしたらなんか寂しくなるなぁ」


「そうでもないよ、その分お客さんの細かいところまで聞いてあげられるから」


「つまり注文自体はこのタブレットで簡略化、その分お客様の要望を聞くと」


「ハイ、もちろん理不尽なクレーマーは塩対応で結構デス」


アヌークが言うにはタブレットの導入でその分お客の要望に対する時間を増やすという。

客が求める事があれば、ホールスタッフを通してアヌークに伝えて欲しいとの事。


ついでにメリットとしてはオーダーミスを防ぐ目的もあるという。

今まではたまにオーダーミスで注文と違うメニューが出る事もあった。


タブレットでは客が自分で注文するため、店員側の過失にはならない。

あなたが注文したのだから、という事になる。


「でもお客の要望を聞くって具体的に何をするのよ」


「例えば分からない事の説明などは基本的に店一丸でやりマスよ」


「まあタブレットの説明は必要ですからね」


「あと出たメニューが自動的に集計されるから、フェアメニューの参考にするって」


「そんな機能があるんだ、これ」


「料理を運ぶのは基本的に今まで通りだね、あとは運ぶ際の回転効率を上げる目的かな」


「確かに書き入れ時だと運ぶのに時間がかかる場合とかあるね」


「ハイ、なのでタブレットの導入によりキッチンとホールと共に回転効率を上げマス」


「お客の方から注文を決めるわけだから、その分運ぶ方に全力を回せるものね」


「うん、提供するスピードを上げるのはタブレット導入の最大の目的だね」


「お客に出すスピードが速くなれば回転効率もだけど、数も捌けるもんね」


「そうだね、それじゃタブレットの操作方法を説明するね」


タブレット導入の最大の目的は回転効率を上げる事。

運ぶ事にリソースを集中させ、キッチンも調理に専念出来る。


それにより書き入れ時でも提供する速度を上げる事が可能になる。

つまりはリソースの集中化である。


「タブレットの画面に指を触れてみて」


「こうかしら」


「画面が表示されたよね」


「はい、メニューが出てきました」


「試しに食べたいものに指でタッチしてみて」


「えっと、こうでいいのかな?」


「うん、それで指で弾くようにスライドさせてみて」


「画面が移動しましたね」


「あとはこっちの言語に対応してるのは確認したかな」


「ええ、確かに私達の国の言葉で表示されてるわ」


「なら問題はないかな?」


「ハイ、言語に対応しているのなら一番の壁は突破したようデス」


「それで食べたいものにタッチしてみたよね」


「ええ、したけど」


「そうしたら左上にある黄色いやつをタッチしてみて」


「確認画面が出てきたよ」


「それでいいなら確定ボタンをタッチしてみて」


「こうですか?」


「それで注文は確定デス、厨房の方に確定された事を伝える音がなるようになってマス」


「なるほど、確かにこれなら店員側のヒューマンエラーは防げますね」


「それにしてもこのタブレットってなんなの?隣国にもこんな技術ないわよ」


「一応通信端末の一種デスよ、これで遠くにいながら連絡を取れるのデス」


「つまりテレフォンのようなものですか」


「そんなところかな」


「テレフォン自体は分かるけど、こんな板みたいなテレフォンはじめて見たよ」


「普通に技術革命じゃないの、どこから手に入れてくるのよ、それも大量に」


「それで操作方法は分かったかな」


「はい、難しいかと思ってたけど、思ってるより簡単でした」


「なら何よりデス」


「常連の人や新しいお客にも使い方をきちんと説明してもらわないと困るからね」


「スタッフに説明してもらえれば客も理解すると思いマスから」


「そうですね、改定版のメニューも始まったので、それも含めて」


「お客も最初は戸惑うと思いマス、それでも丁寧にお願いしマスね」


「開店までもう少しだから、新生のこのお店をこれからもよろしくね」


そんな朝の説明会も一応伝わった様子。

こっちの世界のスタッフ達はタブレットについてはかなり興味があるようでもある。


新システム導入の初日は客側にも戸惑いはあった様子なのは報告を受けた。

とはいえ難しいものではないという事も報告を受けた。


寧ろ回転効率が上がり、食べるまでの時間が短くなったという感想は多かった。

ホールスタッフの説明も分かりやすいという報告も多かった様子。


もちろんタブレットのメニューも写真付きである。

技術者のお客などはタブレットにとても興味を示していたという。


新通貨の発行に合わせたメニューの改定と新システムの導入。

異世界キッチンは新たな事にも積極的なのだという事である。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ