表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
101/402

まるごと海老餃子

春のフェアメニューも順調に売れ始めている異世界キッチン。

こっちの言語に直したメニューをフェアメニュー限定でテスト的に出し始めている。

そのため分かりやすくなったという事もあり、よく出ているそうな。

定番メニューの切り替えは新通貨の発行に合わせて行う予定である。


「この辺りか?噂の料理屋は」


「なんでも美味い昼飯が食えるらしいが」


「なら食ってみたいってもんだな」


「お、ここか、さて」


彼の名はダン、街で建設の仕事をしている。


昼時という事もあり、昼食にやってきたようだが。


「防犯はされてるんだな」


「中は結構客が来てるな、場違いじゃなさそうだ」


「いらっしゃいませ!何名様ですか!」


「一人だぜ」


「かしこまりました、おタバコはお吸いになられますか」


「いや、吸わない」


「かしこまりました、では禁煙席にご案内します」


「働いてるのは若い奴なんだな」


そうして席に案内される。

そこで一通りの説明を受ける。


説明は問題なく理解した様子。

リーザは一旦下がり別の注文を受けに行く。


「そういや飲み物はセルフだったな、さて」


「ここにコップを当てて…しかし凄い設備だな」


「あとは氷と手拭き、だがここの建築はどうなってるんだ」


「さて、注文を決めるか、メニューはいろいろあるんだな」


「ふむ、お、これなんかよさそうだな、これにするか」


「確かこのボタンで」


ボタンを鳴らして店員を呼ぶ。

少しして由菜が出てくる。


「お待たせしました、ご注文はお決まりですか」


「ああ、こいつとこいつ、あとライス大盛りとセットドリンクを頼む」


「かしこまりました、ではオーダーを復唱させていただきます」


「まるごと海老餃子とダブル焼き餃子、ライス大盛りとドリンクバーです!」


「オーダー!まるごと海老餃子とダブル焼き餃子、ライス大盛りとドリンクバーです!」


「喜んで!」


「では少々お待ちください」


「料理人は奥なんだな、まあ当然か」


「さて、飲み物を選びに行くか」


そうしてドリンクバーに飲み物を選びに行く。

一通り見て選んだのはコーラだった。


やはりそういう飲み物が好きなのか。

コーラは男性客に人気があるものでもある。


「ん、こいつは美味しいな、炭酸が効いてる」


「炭酸水自体は普通にあるんだが、味のついた炭酸水なのか」


「こういう飲み物は俺が好きな味だ、こいつはいい」


「甘い炭酸水、ここはすげぇな」


そうしているとまるごと海老餃子とダブル焼き餃子と大盛りライスが運ばれてくる。

まるごと海老餃子は海老を一尾まるごと使った少し贅沢な餃子だ。


「お待たせしました、まるごと海老餃子とダブル焼き餃子、ライス大盛りになります」


「おう、サンキュ」


「あと餃子に必要な調味料は調味料コーナーからご自由にお使いください」


「分かった」


「こちらは伝票です、会計の際にお持ちください、それでは」


「とりあえず選んでくるか」


調味料コーナーから選んだのは醤油とラー油。

酢は使わないようだ。


まるごと海老餃子、海老を一尾まるごと使って作った贅沢な海老餃子。

皮から海老の尻尾が見えているのが特徴だ。


尻尾も食べられるが、食べる人はそんなにいない。

ちなみに海老の尻尾はカルシウムの塊でもあるが。


そんな贅沢な品という事もあり一皿に四つが限界のまるごと海老餃子。

それでも値段は出来る限りの値段に設定してある。


少ないと思う人も当然いるが、これが結構売れている。

安い値段で贅沢が出来るというのはお金がそんなにない人には嬉しいらしい。


こちらの世界では内陸の国では魚を始めとする魚介料理は貴重だからだという。

エトやイクスラ曰く、内陸の国では王族でもない限り魚はめったに食べられないと。


「ん、こいつは美味いな、中から肉の汁が溢れ出てきやがる」


「ライスも進むし、この餃子ってのはいいな」


「こっちの海老餃子ってやつも凄く美味い、贅沢ってやつなんだなこっちは」


「この餃子ってのは安いのにこんな美味くていいのか、すげぇなここは」


「はふっ、これは美味いなどんどん行けるぜ」


「やっぱ肉が一番だな、こいつはいい」


「タレにつけて食っても美味いし、皮はモチモチで食ってて満足だ、いい店じゃねぇか」


そうしているうちにまるごと海老餃子とダブル焼き餃子とライス大盛りを完食する。

飲み物を飲み干し会計を済ませる事に。


「すまん、支払いを頼む」


「はい、まるごと海老餃子とダブル焼き餃子とライス大盛りとドリンクバーですね」


「全部で銀貨一枚と銅貨二枚になります」


「これで頼む」


「ちょうどいただきます」


「満足していただけマシタか」


「あんたが料理人か」


「ハイ、シェフ兼オーナーのアヌークといいマス」


「すげぇ美味かったぜ、この値段であんな美味いなんてすげぇな」


「一応ギリギリの値段なのデスが」


「それでも普通のレストランに比べたら安すぎるぜ」


「ふむ、なら満足度も高いわけデスね」


「あの餃子ってやつは食べやすいし美味いしで文句なしだ」


「それは何よりデス」


「少し贅沢がしたい時はここはいい、知り合いにも紹介しとくな」


「ハイ、そうしてくれると助かりマス」


「ん?こいつはなんだ」


「持ち帰り用のお菓子デスね、甘いキャラメルデス」


「ふむ、ならこいつを一つもらえるか」


「はい、銅貨二枚になります」


「これで頼む」


「ちょうどいただきます」


「仕事の合間に食べるにはよさそうだ」


「ふむ、そういう考えもありマスか」


「それじゃ俺はそろそろ行くぜ、また食べに来るからよ」


「服装からして建設現場の人かな」


「だと思いマス」


そうしてダンは満足気に帰っていった。

餃子は人気のメニューの一つで、持ち帰りも結構出ている。


そこまで出るわけではないが、持ち帰りも需要はあるのである。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ