82 お母さんからのプレゼント
ブックマークをありがとうございました。
「ただいま~!」
あ、帰ってきた。
私が電話をしようとした丁度その時、お母さんは何か荷物を持って帰ってきた。
それを買う為に遅くなったってことなの?
「遅くなるのなら、連絡くらいしなよ。
事故にでもあったのかと、心配になるじゃない」
「ごめんね~。
帰り道でコンビニに寄ったら、半額だったからケーキやチキンとかを買ってきたわよ~」
「いや……今日はもう食べ物はいいです」
「ええーっ、折角買ってきたのにぃ!?」
「クリスマス会で散々食べたし、物理的にもう無理……」
分かるでしょ、それくらい……。
「そっかぁ~。
それじゃあ明日食べましょうか。
冷蔵庫に入れてくるわね」
そうしてください。
お腹が減っている時なら、嬉しいお土産だし。
「あ、そうだ」
お母さんは何かを思い出したのか、自分の部屋に入っていった。
そして何かを抱えて戻ってくる。
「綺美ちゃん、クリスマスプレゼントよ!」
あ、今年も用意してくれたんだ。
正直言って、クリスマス会のプレゼント代を出してくれだだけでも、十分だったんだけどね。
「あ、ありがと……。
開けても?」
「いいわよ?」
駄目と言う訳はないんだけど、一応お母さんに確認を取って、ラッピングを剥がす。
そして中から現れたのは、葉の先端が尖った植物の鉢植えだった。
「わ、アガベだーっ!!」
それは多肉植物の一種、アガベという植物だった。
テキーラの材料にもなることで有名なやつだ。
そして滅茶苦茶高い。
大きいサイズのものだと、数万円とかするものもある。
まあ、これはサイズ的に2~3千円といったところだろうけれど、珍しい品種のものだと5千円以上は普通にすると思う。
大きな園芸店に行くと、このアガベに限らず、数万円する植物がゴロゴロとあるのだから、戦慄するよね……。
数千円が安く感じるという錯覚が生じるほどだ。
だからこそ子供の私では、ちょっと手が出しづらいものだった。
それが私の手の中にある。
「あっ、ありがとう、お母さん!」
「うん、どういたしまして」
お母さんは私の嬉しそうな顔を見て、満足そうだった。
悔しいけど、さすがに私が喜ぶポイントをおさえているなぁ……。
それなら、私からもお返ししないと……。
「……はい、私からのプレゼント」
「これは……手作りの肩叩き券ね」
色々と考えたけど、お母さんは私と接触できるこれが1番喜ぶ。
実際、お母さんはニコニコだ。
「しかも、一緒にお風呂券と、添い寝券が1枚ずつ付属している!?」
まあオマケでね。
本当はちょっと嫌なんだけど、これはこれでメリットもある。
回数制限を設定することできるからだ。
あと、修学旅行の時に約束していたけど、まだ履行していなかった「一緒にお風呂」も、これで済ませることができる。
しかも──、
「これは勿体なくて、使えないわねぇ~。
でも……いや……」
計画通り……!
お母さんは葛藤しているけど、これで「一緒にお風呂」や、「添い寝」が流れるのならば、その方がいい。
それでもお母さん本人は喜んでいるのなら、Win-Winだ。
「それとね、お母さん……」
「え、まだ何かあるの?」
「あのサンタ衣装の無駄遣いについて、ちょっとお話を聞かせてもらおうかな……!」
「えっ……?」
プレゼントは嬉しかったけど、「それはそれ、これはこれ」で、お説教はしておかないとね……。
お母さんには、1時間ほど正座してもらったよ。




