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80 プレゼントの中身

 ブックマークしていただき、ありがとうございました。

 あみだくじによって、プレゼントは全員に行き渡った。


 まず羽田さんは、修学旅行で見た札幌時計台の模型だった。

 こういうのを作るのは……、


「オー、これ頭映(カシラバ)が作ったですカ?」


 頭映さんが得意だから、すぐに分かる。


「でも、これ千円以内で作れるの!?」


 まるで本物みたいなんだけど……。


「割り箸と爪楊枝で作ったから、大丈夫だよー」

 

 いや、これは数万円の技術料が発生しても、いいレベルな気がするんだけど……。

 実際、ネットオークションに出せば、それくらいの額を付ける人はいそうだ。


 そして頭映さんが当てたのは、


「ゲームソフト……?

 私、この機種は持ってないなー」


「じゃあ中古店に売ればいいんじゃないかな?

 元々千円程度で買える中古だから、高くは売れないだろうけれど。

 あ、なんなら私のと交換する?」


 と、久遠(くどう)さん。

 あっ……これ、自分が欲しいものを買ってきたな……?

 そして交換することで、合法的に自分のものにする……と。


「え、いいの?

 じゃあ、お願いしようかな?

 あ、マフラーか。

 いいね」


「ああ、それは(わたくし)が用意したものですわ」


「わー、(とも)ちゃんの?

 嬉しいなぁ」


「私も、(あゆ)ちゃんに受け取ってもらえて、嬉しいですわ」

 

 ……相変わらず頭映さんと、丹治易(にじい)さんは仲が良いなぁ。

 

「私は羽のアクセサリーですわね」


 それから丹治易さんが当てたのは、鳥の羽を加工した首飾りだね。

 綺麗な青や緑色をした羽だけど、どんな鳥のだろう?

 外国の鳥かな?


「うちで飼ってるオウムの抜けた羽を使って、私が作りましたデス」


 あ、羽田さんの家で飼っている鳥か。

 さすがに何処かの国で拾ってきた鳥のではないんだね……。


「綺麗ですわね。

 これ、量産できるのならば、うちの店で売れますわよ?」


「う~ん、うちの子の羽をむしる訳にもいかないから無理デス」


「では、何処かから羽を仕入れたら?」


「それなら……」


 あ、なんだか商談を始めた。

 丹治易さんに、こんな商売人の一面もあったのか……。


「あ、これ綺美のでしょ?」


「え、さくらちゃんに当たったの?」


 私が用意したプレゼントは、私の趣味を知っている人なら、すぐに分かる物だった。

 種から育てる桜の木の栽培キットだ。

 まさか桜がさくらちゃんのところへ届くとは、なんという偶然。


 でも、大雑把なさくらちゃんは、こういう決められたスケジュールで水をやるなどの、半永久的に世話が必要な物には不向きだから、ちょっと心配だな……。

 そんなことを思っていると、


「それ、私のと交換しませんか?

 駄菓子の詰め合わせなんですけど、私、お菓子はあまり食べないので……」


 福井さんがそんなことを言い出した。


「いーよー。

 それ、お姉ちゃんが用意したものだね」


 ……まあ、さくらちゃんは「食べ物と交換」と言われたら、嫌とは言わないよね……。

 私としても福井さんなら、しっかり世話をしてくれそうで安心だけど……。


「ありがとうございます。

 私、これを珠戸(たまこ)さんだと思って、一生懸命育てますね」


 ……それ桜だから、どちらかというと、私よりもさくらちゃんじゃない?


 そして私が当てたのは──、


「靴下……?」


 いや、なんか長いな!?

 ニーハイソックスってやつかな?

 で、これを持ってきたのって……。


 私が福井さんの方を見ると、彼女はさっと目を逸らした。

 いや、残っているさくらちゃんはこういうのを選ぶタイプじゃないし、(おのず)ずと特定されるよ。


 福井さんが何を想ってこれをプレゼントに選んだのかはよく分からないけど、無碍(むげ)にするのも悪い。

 そんな訳でそのニーハイソックスを穿()いてみたけど、中途半端に太股が露出しているのが恥ずかしいなぁ……。

 どうせならば、タイツの方が良かったかも……。


 だけど福井さんは──、


「素晴らしき(かな)、絶対領域──」


 そう言いつつ、鼻血を吹き出しながら倒れてしまった。


「ふ、福井さーんっっ!?」


 またか、またなのか!?


「け、啓内(けいだい)さん……写真……動画……お願いします」


「わ、分かったよ、福ちゃん!」


 悲愴な顔をしたさくらちゃんが福井さんの手を握りながら何かを話しているけど、なんだこのノリ……?

 まあ、福井さんの鼻血はいつものことなので、もう気にしないでおこう……。


 ちなみに、こぶしちゃんが当てたのは、さくらちゃんが用意した駄菓子の詰め合わせだった。

 双子の姉妹で同じ物を用意して、同じ物を手に入れた訳だけど、こぶしちゃんは当たり前のようにそれを、さくらちゃんへと進呈していた。

 本当に妹に甘すぎる……。


 結局、今回のこのプレゼント交換は、さくらちゃんの一人勝ちだったような気がする……。

 まあ、誰も損はしていないと思うけどね。

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