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7-タイトル回収

 ブックマークありがとうございました。

 その時、授業開始を知らせるチャイムが鳴る。

 それと同時に、担任が教室に入ってきた。


「おはようございます!」


「お、早速担任が来た」


「来てしまったねぇ……」


 あらかじめ廊下で待機していたのだろう。

 私とさくらちゃんが話題にしていたから……という訳ではないのだろうけれど、噂をすればなんとやらである。


「席に名札が貼ってあるので、各自そこに座ってください」


 担任の指示に従って席を探す。

 たぶん出席番号順だから、教室の中心付近かな?


 あ、あった。

 困ったことに、教壇に立つ担任からもよく見える位置だ。

 今後の席替えに期待しよう。


「全員席に着きましたね?

 それでは始業式の時間まで、学級会を行います。


 まずは先生の自己紹介からですね。

 私は6年1組の担任になった、珠戸恵です」


 はい、うちの母です。

 家でのだらしない姿は何処へやら。

 ピッシリとスーツ姿で身を固めて、眼鏡をかけているその姿は、「誰だこれ?」……って感じ。


 なんだかこの教師の姿には違和感しかないけど、お母さんはお父さんが亡くなった直後から大学に通い出して教員免許を取って、3年くらい前からこの学校で教師をしている。

 お父さんが残した遺産はそれなりにあったので、すぐに生活に困るようなことはなかったみたいだけど、将来を見据えて失業する可能性が少ない公務員を目指したんだって。


 ……この学校、私立だから公務員じゃないけどね?

 多分目的は私で、側に居る為に職場を決めたということは、昨日の件でハッキリと把握した。

 

 ちなみに、お母さんが大学に行っていた頃の私は、幼すぎてあまり記憶に無い。

 けれどお母さんの留守中はゆりさんに預けられていたので、寂しいということは無かったと思う。

 ある意味では、ゆりさんが第2のお母さんだ。

 

 ともかく、今までは学校でお母さんと接触することは無かったけれど、ついに同じクラスになってしまった……。

 

 でもおかしくない!?

 普通肉親は、特別な配慮ができないように別のクラスにするでしょ!?

 それに同じ名字が2人いたらややこしいし。

 だから双子の姉妹とかだって、別々のクラスに振り分けるよね!?


 クラスが1クラスしかないのならともかく、6年生は5クラスもあるのに、なんでわざわざ親子を一緒のクラスにした……?


 ……まあ、担任になってしまったものは仕方が無いけど……。

 ……仕方が無いのかなぁ……?

 なんだか()せぬ。


 それはさておき、お母さんの自己紹介を受けて、クラスメイト達の反応が伝わってくる。


「うわぁ……綺麗な人だね~」


「ホント、美人だわ」

 

 君達はお母さんの上辺しか見ていない。


「でも、結構厳しい先生だって聞くよ……?」


「マジか。成績は上がりそうだけど……」

 

 自分には甘いけどね?


「素敵……お姉様って呼びたい」


 ちょっと、今の誰!?


 ……うん、一部変なのがいたけど、(おおむ)ね好意的に受け止められていると思う。

 私だってお母さんを評価されるのなら嬉しいけど、なんだかむずがゆいような感覚もある。

 

 それに万が一お母さんの駄目人間ぶりが露呈したら、娘である私の立場も崩壊する。

 たぶん、もう学校に通えなくなるよ、私……。

 というか、恥ずか死ぬ。

 

 そんな私の苦悩を余所(よそ)に、お母さんの挨拶は続いていく。


「私は初めてクラスの担任を受け持つ事になりましたが、だからこそ全力で取り組んでいこうと思っています。

 どうかこれから卒業式までの1年間、よろしくお願いしますね」


 そう、これから1年間の私は、家でも、そして学校でも、


 『おかあさんがいつも一緒』


 ……ということになる。


 ……ホント、勘弁して欲しい。

 今回で漫画版の1話分が終わりましたが、次回からも場面が変わらずに普通に続きます。

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