78 クリスマス会開始
終業式が終わった。
つまり2学期も終わったということだ。
これから冬休みに入る訳だけど、その前にクリスマス会がある。
私はクリスマス会で食べる料理を作ることになっているんだけど、下ごしらえは昨日のうちにしておいた。
帰宅したらすぐに調理して、重箱に詰めるだけだ。
10段重ねもあれば足りるだろうか……?
さくらちゃんがいると微妙だなぁ。
それにあまり量が多いと、私だけでは運べないし……。
こういう時は、自動車が使えると便利なんだけど、さすがに昼間だと運転できる大人達は仕事があるからねぇ……。
いや、ゆりさんは家にいるけど、車を持っていないし……。
仕方がないので、運ぶのは福井さんに手伝ってもらうことになっている。
あとはお母さんとゆりさんの、夕食の分を取り分けておいて……、
「ふ~、よし終わり」
これで準備完了だ。
できればクリスマスケーキも作りたかったけど、さすがに時間が無いので、丹治易さんの家でホットプレートを使って、パンケーキを焼くことになっている。
生クリームの他に、あんこやバター、蜂蜜も……これだけを用意しておけばいいよね。
ピンポーン。
あ、福井さんが来たかな?
「はーい!」
それじゃあ、丹治易さんのところへ行こうか。
「いらっしゃいませ、委員長。
料理をありがとうございますわ」
「おじゃまします。
みんなは?」
「既にみんな来ているよー」
丹治易さんの家に着くと、丹治易さんと頭映さんが出迎えてくれた。
すでに他の人達は、集まっているらしい。
クリスマス会をする部屋へ行くと、みんなは据え置き型ゲーム機でゲーム大会をしていた。
……それはいいんだけど……。
「なに、その格好……!?」
さくらちゃん達はサンタクロースというか、ミニスカサンタのコスプレをしていた。
だけどその衣装を、私は知っている!
それは先日お母さんが2千円札と引き換えに、「着てくれ」と頼み込んできた衣装だった。
当然私は断った。
まあ、それで2千円札を取り上げられるようなことはなかったけど、「随分簡単に引き下がるな……?」とは思っていたんだよねぇ……。
まさかこんな風にみんなを巻き込んで、逃げ道を塞いでくるとは……!?
というか、何万円使ったの、この衣装で!?
あと、さすがに全員部のサイズを用意できなかったのか、羽田さんの胸が弾けそうになっているし、スカートが短すぎてパンツが見えそうなんですけど!?
「おばさんからの差し入れさ。
はい、綺美の分」
くっ……みんなが着ているのに、私だけ着ない訳にはいかないじゃない……!
ああ、悲しき日本人の性……。
「たくさん写真や動画を撮って、送ってくれ……って、おばさんに言われているんだ」
あっ……これ、他にも食べるので買収されているな……?
「あ、私もそれ欲しいです!」
「いいよー、福ちゃん」
……福井さん、そう言いつつも、既に自前のスマホで私のことを撮っているんだけど……。
……仕方が無い。
「着替える場所を貸してね」
「はいよー。
私達も着替えるから、こっちね」
そんな訳で頭映さんに案内された別室で、私はサンタのコスプレをすることになった。




