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74 スキーはもういい

 スキーでゆっくりと時間をかけて下まで降りると、そこには丹治易(にじい)さんがいた。

 先程、物凄い勢いで滑り降りていった彼女は、雪の上に座り込んでいる。

 どうやら転倒はしなかったらしく、怪我(ケガ)もしていないようだ。

 していたらとっくに、救護室へ運ばれているだろうし……。


「あの……大丈夫?」


 私が声をかけると、彼女は立ち上がり、


「べ、別になんともありませんわよ!?

 ええ、平気ですわ!」


 と、言うが、足がガクガクと震えていた。

 よっぽど怖い思いをしたらしい。

 本当に平気な人は、平気アピールはしないんだよなぁ……。


「じゃあ、まだ滑るの?

 今は休憩中?」


「いえ……もうスキーは飽きましたわ。

 (あゆ)ちゃんと、雪で遊ぼうと思っていたところよ」


「……そうだね。

 私もスキーはもういいかな」


 どうせなら、もうちょっと自由に動けるスケートの方がよかったよ……。

 いや、氷の上で転ぶのも怖いけれど……。


 結局、私達は雪だるまを作って遊ぼうとしたが、


「あれ……雪がさらさら過ぎて、固まらないね」


「少し溶けかけている方が、いいのかもしれませんね。

 でもこの気温では……」


 うん、氷点下だものね。

 そう思うと、寒くなってきた。


ロッジ(山小屋)に入ろうか……?」


「そうですね」


 と、福井さんと話し合っていると、足下に何かが飛んできた。

 これは雪玉!?


「ふっふっふ……。

 あなた達には、私の雪合戦の相手を(つと)めてもらいますわ!」


「え~、それ私達になんの得が……?」


「それにこの雪質だと、雪玉を作るのも大変ですし……」


 と、私達が立ち去ろうとすると……、


「ま、待って!

 雪玉なら私達が作るから!

 ほら、素手でやると適度に溶けて作れるのよ」


 ええぇ……そこまでして構ってほしいの……?

 メンドクサカワイイ……。

 もうちょっと素直になれば、なおいいんだけど……。


「ねえ、(とも)ちゃんに付き合ってあげてよ」


 と、頭映(かしらば)さんがこっそり言ってきたので、


「仕方がないなぁ~」


 私達は雪合戦をすることにした。

 あ、勿論雪玉作りは、私達も手伝ったよ。


 その後、私の体力的な問題で、一戦だけ雪合戦は終了した。

 しかしそれでも、私は汗だくだ。

 スキー靴では動きにくくて、必要以上に体力を使うし、スキーウェアは意外と保温性が高くて、動き回っていると暑くなってくる。


 でも、じっとしていると寒くなってくるので……、


「早くロッジで温まろう……」


「そうですね……。

 汗が冷えたら風邪を引きます」


 そんな訳でロッジへと向かう。

 ここは所謂(いわゆる)山小屋というよりは、スキー場の休憩施設みたいな場所だった。

 一応宿泊施設も隣接してるけど、私達が入った建物は食事がメインで、喫茶店みたいな場所だ。


「わぁ……中は暖かいね」


「あ……あれは薪ストーブですね。

 実際に使われているのは、初めてみました。

 火力が結構凄いんですよね。

 石炭ストーブだともっと凄くて、近づけないくらいだとか」


「へ~。

 って、あれ?」


 その薪ストーブに貼り付くようにあたっている、見覚えのある人の姿があった。


「羽田さん!?

 そういえばスキー場で見ないと思ったら、こんなところにいたんだ……」


 羽田さんはストーブの(そば)なのに、震えている。


「寒いの、マジ無理デス!」


「苦手なんだ?」


 確か羽田さんの家族は、ジャングルがあるような熱帯の地域で動物を観察しながら生活していたとは聞いたけれど、その所為なのかな?


「北国の動物は、専門外だった……?」


「寒い所は、私もママも無理なので、パパだけ行ってましタ」


 単身赴任か……それは寂しいね。

 なんにしても、野生児のような羽田さんに、意外な弱点があったものだ。

 彼女ならば、雪山でもサバイバルができるというイメージがあったよ。


「さ、私達も汗を乾かそうか」


 それから私達は暫くの間、羽田さんと一緒にストーブにあたっていた。

 これ、近づきすぎると、本当に火傷するな……。

 なんで羽田さんは平気なの?


「砂漠の直射日光から比べればマシでース」


 ああ……はい。

 日本ですら、真夏は肌がこんがり焼けるしね……。

 

 って、あれっ!? 

 気がついたら、いつの間にかさくらちゃんが中にいて、ラーメンを食べている!?


「……またエネルギー切れなの、さくらちゃん?」


「お~、綺美。

 お腹が減っちゃってさ~」


 スキーって意外と疲れるよね。

 でも、あと30分くらいで、宿泊施設に戻って昼食なんだけど……。


「もう我慢できなくてさぁ……」


 我慢できなかったかぁ……。

 でもそのペースで食べていたら、お小遣いが無くなるよ……?

 お土産は買える?


 他人事ながら心配になるな……。

 前回はコロナワクチンの副反応で寝込んでいたので、更新ができませんでした。その所為で執筆も滞ったので、次回も間に合うかどうか……。

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