表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
72/91

71 教員達の入浴

 ブックマークをしていただき、ありがとうございます。

「はー……」


 教員用の宿泊部屋でくつろいでいると、珠戸(たまこ)先生が切なげに吐息を()いた。

 その物憂(ものう)げな表情も、なんだか色っぽい。


「どうしたのですか、珠戸先生?

 溜め息なんて()いて……」


「ああ、壬山(みやま)先生。

 修学旅行の引率は初めてなので、少し疲れてしまいました」


「ああ、分かります。

 私も初めてなので、緊張しちゃって……」


 この修学旅行のような違う土地での活動は、トラブルが発生しやすいから、なかなか気が抜けない。

 万が一迷子とかになる児童が出れば、この冬の北海道だと最悪の場合は命にも関わるし……。


 だけど年上の珠戸先生でも私と同じなのだと思うと、少し安心する。


「あ、そろそろ児童達の入浴時間も終わりますし、私達もお風呂で身体(からだ)を休めませんか?」


「……ええ、そうですね」


 そんな訳で、私達は大浴場へ向かう。

 しかし私は、そのことを少し後悔した。


 脱衣所で服を脱いでいる時、私は目のやり場に困った。

 うわぁ~……珠戸先生のスタイル、凄すぎ……!

 胸は大きいし、腰は引き締まっているし、お尻は大きいし……。

 私のように細いだけで、筋張(すじば)った身体(からだ)とは大違いだ。


 これで小学6年生の娘がいるなんて、信じられない……!

 そんな珠戸先生と比べたら、劣等感を抱かずにはいられないなぁ……。


 そして大浴場へ入ると、その広さに少し驚く。

 さすがにクラス単位で使うことが想定されているだけあって、かなり大きい。

 ちょっとした銭湯のようだ。

 それが今の時間帯は、私達2人だけの貸し切り状態だった。


 ここに珠戸先生と二人きりって、なんだか緊張するなぁ……。

 さっさと身体を洗ってしまおうか。


 そんな風に緊張している私だったが、一方の珠戸先生は湯船に()かっていても、何か憂鬱そうだった。


「珠戸先生、何か寂しそうですね……?」


「あら……分かりますか?

 ……いつもは娘と一緒に、お風呂に入っていますので」


「娘さん……と?

 もう6年生ですよね?」


「お恥ずかしい話ですが、まだまだ甘えん坊でして……」


 確かに娘さんの見た目は3年生くらいだし、そんなに違和感は無いのかもしれない。

 それにこんな母性的な母親なら、甘えたくなるのも分かるような気がする。

 私だってちょっと甘えたい……。


「いつもは娘がこの胸の中にスッポリと収まっているので、なんだか物足りなくて……」


 ああ……いつも使っている抱き枕が、無いような感覚なのだろうか?


「はあ……なんでしたら、そこに私が入りますか?」


 私は冗談で言ったつもりだったのだが、


「あら……それではお願いしますね」


「え?」


 え? 本気にした? 

 え? 本気(マジ)で?


 ええええええぇ~……?

 えええええええええええぇ~……?


 ……そんな流れで私は今、珠戸先生に抱きかかえられている。

 うう……男性と付き合ったことも無い私には、他人とこんなに素肌を密着させた経験が無い。

 ああ……初めての経験に凄く緊張して、心臓がドキドキしている……!!


 それに大きくて柔らかい胸が、背中に当たって……!!

 あれ? ちょっとコリコリとした2つの感触が背中に……?

 これって、もしかしてぇぇぇ……!?


 あああ……どうにかなってしまいそうだ。

 ああああああああああああ……。




「あれ……?」


 気がつくと私は、宿泊していた部屋で寝かされていた。


「私……?」


「ああ、目覚めましたか、壬山先生?」


「珠戸先生……。

 私は……?」


「壬山先生は、のぼせて倒れられたのですよ。

 気分はどうですか……?」


「え、だ、大丈夫です」


 と、私は答えたが、正直言って大丈夫じゃなかった。

 え……もしかしてお風呂でのことは夢?


 そうだよな……珠戸先生が、あんなことをするはずは……。

 でも、背中に残るあの柔らかい胸の感触は、本当に夢なのか……!?


 仮に夢だとしても、珠戸先生が気を失った私の身体を拭き、下着を含めて服を着せてくれたってことは本当だよな……。

 つまりその時に、私の裸を隅々まで見られたということ……!?

 それだけは紛れもない事実。


 あああああああああああああああああ~!

 顔が熱ぅい。

 もう当分の間、珠戸先生の顔を恥ずかしくてまともに見られないよぉ~っ!!


 私は頭からシーツを被った。

 お母さん、綺美ちゃん分が足りなくて、言動がおかしくなりつつあります。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ