71 教員達の入浴
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「はー……」
教員用の宿泊部屋でくつろいでいると、珠戸先生が切なげに吐息を吐いた。
その物憂げな表情も、なんだか色っぽい。
「どうしたのですか、珠戸先生?
溜め息なんて吐いて……」
「ああ、壬山先生。
修学旅行の引率は初めてなので、少し疲れてしまいました」
「ああ、分かります。
私も初めてなので、緊張しちゃって……」
この修学旅行のような違う土地での活動は、トラブルが発生しやすいから、なかなか気が抜けない。
万が一迷子とかになる児童が出れば、この冬の北海道だと最悪の場合は命にも関わるし……。
だけど年上の珠戸先生でも私と同じなのだと思うと、少し安心する。
「あ、そろそろ児童達の入浴時間も終わりますし、私達もお風呂で身体を休めませんか?」
「……ええ、そうですね」
そんな訳で、私達は大浴場へ向かう。
しかし私は、そのことを少し後悔した。
脱衣所で服を脱いでいる時、私は目のやり場に困った。
うわぁ~……珠戸先生のスタイル、凄すぎ……!
胸は大きいし、腰は引き締まっているし、お尻は大きいし……。
私のように細いだけで、筋張った身体とは大違いだ。
これで小学6年生の娘がいるなんて、信じられない……!
そんな珠戸先生と比べたら、劣等感を抱かずにはいられないなぁ……。
そして大浴場へ入ると、その広さに少し驚く。
さすがにクラス単位で使うことが想定されているだけあって、かなり大きい。
ちょっとした銭湯のようだ。
それが今の時間帯は、私達2人だけの貸し切り状態だった。
ここに珠戸先生と二人きりって、なんだか緊張するなぁ……。
さっさと身体を洗ってしまおうか。
そんな風に緊張している私だったが、一方の珠戸先生は湯船に浸かっていても、何か憂鬱そうだった。
「珠戸先生、何か寂しそうですね……?」
「あら……分かりますか?
……いつもは娘と一緒に、お風呂に入っていますので」
「娘さん……と?
もう6年生ですよね?」
「お恥ずかしい話ですが、まだまだ甘えん坊でして……」
確かに娘さんの見た目は3年生くらいだし、そんなに違和感は無いのかもしれない。
それにこんな母性的な母親なら、甘えたくなるのも分かるような気がする。
私だってちょっと甘えたい……。
「いつもは娘がこの胸の中にスッポリと収まっているので、なんだか物足りなくて……」
ああ……いつも使っている抱き枕が、無いような感覚なのだろうか?
「はあ……なんでしたら、そこに私が入りますか?」
私は冗談で言ったつもりだったのだが、
「あら……それではお願いしますね」
「え?」
え? 本気にした?
え? 本気で?
ええええええぇ~……?
えええええええええええぇ~……?
……そんな流れで私は今、珠戸先生に抱きかかえられている。
うう……男性と付き合ったことも無い私には、他人とこんなに素肌を密着させた経験が無い。
ああ……初めての経験に凄く緊張して、心臓がドキドキしている……!!
それに大きくて柔らかい胸が、背中に当たって……!!
あれ? ちょっとコリコリとした2つの感触が背中に……?
これって、もしかしてぇぇぇ……!?
あああ……どうにかなってしまいそうだ。
ああああああああああああ……。
「あれ……?」
気がつくと私は、宿泊していた部屋で寝かされていた。
「私……?」
「ああ、目覚めましたか、壬山先生?」
「珠戸先生……。
私は……?」
「壬山先生は、のぼせて倒れられたのですよ。
気分はどうですか……?」
「え、だ、大丈夫です」
と、私は答えたが、正直言って大丈夫じゃなかった。
え……もしかしてお風呂でのことは夢?
そうだよな……珠戸先生が、あんなことをするはずは……。
でも、背中に残るあの柔らかい胸の感触は、本当に夢なのか……!?
仮に夢だとしても、珠戸先生が気を失った私の身体を拭き、下着を含めて服を着せてくれたってことは本当だよな……。
つまりその時に、私の裸を隅々まで見られたということ……!?
それだけは紛れもない事実。
あああああああああああああああああ~!
顔が熱ぅい。
もう当分の間、珠戸先生の顔を恥ずかしくてまともに見られないよぉ~っ!!
私は頭からシーツを被った。
お母さん、綺美ちゃん分が足りなくて、言動がおかしくなりつつあります。




