67 修学旅行へ
さて、いよいよ修学旅行の日が来た。
目的地は最北の地、北海道。
この学園の創始者が北海道出身だった関係で、毎年北海道へ行っているそうだ。
その北海道までは、飛行機で行くことになる。
昔は寝台車という汽車があって、それで一晩かけて行っていたそうだが、それだと移動時間が大半を占めるので、現在では飛行機が使われるようになったらしい。
その分、旅行代はちょっとお高めになってしまったそうだ。
あと、青函トンネルは、ちょっと経験してみたかったかな……。
延々と続くトンネルは、途中で飽きそうだけど、他には無いだろうし。
ただ、飛行機に乗ること自体は初めてなので、それはちょっと楽しみだった。
……と思ったけど、案外あっという間に着陸しちゃったし、私の席からは窓の外があまり見えなかったので、いまいち飛んだという感覚が薄いな……。
せめて機内食でもあれば良かったんだけど……。
で、初上陸の北海道だけど。
「寒っ!?」
気温が全く違う!?
冬の北海道って、こんなに寒いの……?
「本当に寒いですね……。
でも、北海道の人がこの季節に西日本とかへ行くと、逆に暑いと感じることもあるらしいですよ。
ただ、建物の気密性や暖房設備は十分ではないので、室内は寒いと感じるそうです」
「ええぇ……?」
福井さんの言葉を聞いて、私は本当に同じ日本の話なのかと思う。
とにかく早く建物の中に入ろう!
このままじゃ、凍死するよ!
それから私達は空港の建物に入る。
あ……建物の中は暖房が効いているのか、外から比べればかなりマシだ。
もうここから動きたくないと思えるくらいに……。
だけどそうもいかず、ここからバスで移動することになる。
バスの窓から見える景色は、既に雪ばかりになっていた。
最近は温暖化も叫ばれているが、雪の量自体は増加傾向にあるらしい。
これだけ大量の雪を生で見るのは初めてなので、雪遊びをすることは少し楽しみだが、先程体感した寒さを考えると、あまり外には出たくないという気もする。
それから程なくして、最初の目的地に着いた。
そこは水族館だった。
水族館ならば私達が住む市の周辺にもあるけれど、ここは北海道の川魚を中心に展示されているらしい。
『シャケの故郷館』と言ったか。
すぐ隣にある川に、鮭が遡上してくるらしい。
で、鮭はともかく川魚というと、大したことがないように思えるかもしれないけれど、実際に見てみるとかなり印象が違う。
「おお~、これは綺美を飲み込めそうだな……」
「そこまで大きくないよ!
というか、私はそこまで小さくないよっ!」
さくらちゃんの感想に、私は反論する。
だけどその魚は私の身長くらいあって、もしも川で泳いでいる時にこんなのに出会ったら、パニックになると思うな……。
「幻の魚と言われているイトウですね。
アイヌの伝承では、熊を飲み込むほど巨大なのがいたとか……」
福井さんの解説はありがたい。
さすがは作家を目指しているだけあって、色々と物知りだ。
「Oh! 私、アマゾンでこれの倍以上ある魚を釣り上げたことがありますヨ!」
羽田さんがそう言ったが、そっちなら本当に私を飲み込めそうだな……。
「ふふ……そんな大魚なら、是非とも釣り上げてみたいものですわ。
私と鮎ちゃんの2人がかりならば、どうにかなるでしょう!」
「ね~!」
丹治易さんと頭映さんが、そんな仮定の話をしているが、2人揃って河に引きずり込まれるオチしか見えないよ……。
他にもガラス張りの向こう側に川の中が見える場所があったり、直接魚に餌をやれる場所があったりと、案外面白い場所だな……と思った。
魚とかにはそんなに興味は無かったんだけどね。
でも、水生昆虫やカエルとかはちょっと苦手かなぁ……。
しかもそのコーナーでは、日本の水辺にいるものばかりが展示されているという。
これが私達の家の近所にも、いるかもしれないというのか……。
うん、今後は池や沼には、あまり近づかないようにしよう。
あ、カモみたいのもいる。
そんなのも飼っているんだ?
その後は売店を見て回ったけど、ゆりさんにキーホルダーでもお土産に買おうかな?
いや……ゆりさんなら、食べ物の方が喜びそうだ。
荷物になるし、帰りの空港でもいいよね?
水族館のモデルは実在しますが、私が行ったのは10年くらい前なので、今も同じような展示状態なのかは分かりません。あくまでモデルはモデルということで。




