43 キャンプへ出発
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夏休みに入って2回目の水曜日の朝──。
今日はいよいよキャンプの日だ。
「おはよー」
「おはよう、綺美ちゃん!
キャンプ、楽しみね!」
私が目覚めると、お母さんは既に出発の準備を終えていた。
遠足の時みたいにキャンプが楽しみで、またロクに眠っていないな……?
なんでいい年して、そんな小学生みたいな気質なんだか……。
まあ、準備が終わっているのならば私も楽なので、ゆっくりと身支度を調えよう。
朝食はフレンチトーストでいいかな。
そして暫くすると、電話の呼び鈴が鳴った。
「あっ、おはようございます。
分かりました、今行きますね」
電話に出たお母さんの声から察するに、どうやらお迎えが来たらしいことが分かる。
私は荷物を持って立ち上がった。
さあ、いざキャンプだ。
「眠い~……」
締め切り明けで寝不足のゆりさんを連れてマンションの外に出ると、そこには車種はよく分からないけど、小型のバスみたいのが停車していた。
窓からは丹治易さんと、頭映さんが顔を出している。
「ごきげんよう!
迎えに来てあげましたわ」
「おはよ~」
「うん、おはよう。
そしてわざわざ車を出してくれてありがとう」
と、挨拶を交わす。
一方お母さん達も、運転席から降りてきた女の人に挨拶をしていた。
髪型がツインテールではなく、ストレートなロングヘアであることを除けば、丹治易さんを大きくしたような印象がある。
いや……胸はそんなに大きくはないな。
「もしかして、丹治易さんのお母さん?」
「ええ、私のお母様ですわ」
ふ~ん、丹治易さんも将来あんな風になるのかな?
遺伝的に胸は、あまり大きくならないみたいだけど……。
あれ? なんだか丹治易さんと、仲良くなれそうな気がしてきたぞ!?
でも私、いつかお母さんの遺伝子が目覚めて、大きくなるから……。
きっとなるから……!
ともかく、私も丹治易さんのお母さんに挨拶をしておこう。
「おはようございます。
今日はどうもありがとうございます」
「あら、あなたが綺美ちゃんね?
智と鮎から可愛い子がいるって、聞いているよ。
これからも仲良くしてあげてね」
「は、はい」
普通の口調だ!?
ということは、丹治易さんのお嬢様口調は、親の影響という訳じゃないってことか……。
服装だって割と普通だし、あまりお金持ちという感じにも見えない。
やはり、なんちゃってお嬢様……?
というか、私のことを可愛いって、家で話しているの……?
なんでそういうところを、直接私に見せてくれないかなぁ……。
それなら好感度が上がるのに……。
それから少し待つと、福井さんが来た。
なんでも近場に用事があったので、それを終えてから我が家の前に集合することにしたらしい。
「みなさん、おはようございます」
「おはよう。
迷わなかった?」
「ええ、大丈夫です。
しっかり道を覚えましたよ。
これでいつでも、珠子さんの家に遊びにこられますね!」
「あ、うん。
そうだね……」
これはいつか家に、誘わなきゃいけない流れだろうか……。
家にお母さんがいる時は、あまり人を呼びたくないのだけどなぁ……。
お母さんの本性を知られないように、神経を使うんだもの……。
「さて……さくらちゃん達は、直接歩いてキャンプ場へ行くって言っていたから、後は羽田さんだね」
羽田さんからはテントなどを借りるので、これから車で彼女の家に向かう。
確かお母さんが外国の人なんだよね。
外国の人はあまり近くで見たことが無いから興味はあるけど、日本語しか分からないから会話できる気はしないなぁ……。




