40 キャンプへ行こう
ブックマークをありがとうございました。
「百合なキャ……いえ、キャンプなんてどうでしょうか。
キャンプ場ならば市内にもありますし、テントなどもレンタルできるはずなので、気軽に行けると思いますよ」
と、福井さんが提案してきた。
「なるほど……キャンプなら泊まれるし、近所だとしてもちょっとした旅行気分が味わえるかもね。
ついでにキャンプ場から行ける範囲で、羽田さんに町の案内をするのもいいかも」
「オー!
キャンプなら得意ですヨー!」
あ、羽田さんはサバイバルとか慣れていそう……。
そういうガチなのは求めていないけど、いざという時には頼りになるかな?
「じゃあ、みんなでキャンプに行けるかどうか、検討してみようか?
まあ間違い無く保護者としてお母さんは付いてこようとするだろうから、お母さん次第だと思うけど……」
「あ~……」
さくらちゃんは、仕方がないな……という感じで声を上げた。
先生が一緒だと気楽に遊べないから、できれば避けたいというのが本音ではあるのだろうな。
「むしろ先生が一緒なら、他の親御さんからも許可を得やすいと思うので、是非お願いします!」
福井さんは、物凄い勢いで頭を下げてきた。
ええぇ……そんなにお母さんと一緒がいいのぉ……?
「それで、丹治易さん達はスイスに行くのだし、不参加ってことでいいんだよね?」
「なんでよっ!?
日程が合うかもしれないでしょう!?」
そうか……来るのか……。
たぶんさくらちゃんが参加ならこぶしちゃんもくるから、また無駄に勝負を挑んで返り討ちにあうのだろうなぁ……。
落ち着いたキャンプは、期待できそうにないのかもしれない……。
「キャンプ、いいわよ?」
家に帰ってからお母さんにキャンプの話をすると、あっさり許可はおりた。
まあお母さんのことだから、私と何処かへ行きたいという気持ちもあったのだと思う。
つまり渡りに船だ。
「でも子供達が沢山いるのなら、保護者が私だけでは不安ねぇ……。
ゆりちゃんも誘いましょうか」
「そうだね」
ゆりさんは引きこもり気味だから、たまにはアウトドアとかした方がいい。
小説の締め切りはあるかもしれないけれど、小説ならノートパソコンさえあれば、どこでも書けるだろうし……。
ともかく、キャンプへ行くことが決まったのならば、キャンプ場のこととかを色々と調べないとね。
お母さんからパソコンを借りて、ホームページなどを確認してみる。
「へえ……ガスコンロが使える炊事場の他に、石で竈を作って焚き火で料理をしてもいいんだ……。
焚き火で料理は、ちょっと挑戦してみたいなぁ……。
揚げ物とか」
「やめてっ、イメージ的に油に引火しそう!」
お母さんから、割とガチ目に却下された。
実際にはそう簡単には引火しないよ?
する時はするかもしれないけど。
「え~っ……不安定な油の温度で、どう上手に揚げるのか、試行錯誤するのが面白そうなのに……」
「その綺美ちゃんの料理への情熱は、何処からくるの……?
お母さんは、無難にカレーや豚汁とかでいいと思うの」
う~ん、それだとちょっと面白みが無いなぁ……。
せめてハヤシライスやスープカレーにするとか、何か変化球を……。
まだ時間はあるし、色々と考えてみようか。
「ともかく、夏休みになったらキャンプ場が混むと思うから、日程と人数は早めに決めてね。
予約を入れておくから」
ああそうか、キャンプ場が混むかもしれないのか。
じゃあなるべく空いていそうな平日の方がいいかな?
「……って、お母さんが行ける日が分からないと、決められないよ?
勤務表を出してよ」
「私は綺美ちゃんの為なら、校長を脅しても休むから、いつでもいいわよ!」
「お願いだからやめて!」
そういうことを、ドヤ顔で言われても困る……。




