表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
24/91

23 お母さんの本音

 ブックマークありがとうございました。

「はいはい、ちゃんと靴を脱いでね~」


「あう~」


 私は抱きついてきたお母さんを引き剥がして、靴を脱ぐように促す。

 そのまま家に上がられると、後で掃除が大変なんだからね!

 

 とにかくお母さんは、外でお酒を飲む時は本性を出さないように気を張っている所為か、家に辿り着くと気が抜けて、突然グデングデンになってしまうことが多い。

 完全に泥酔状態だ。

 当然、行動はいつもよりおかしくなる。


「綺美ちゃ~ん……」


 私に抱きついていたお母さんは、突然両手の掌で私の頬を挟み込んだ。

 え? まさか!?

 私が嫌な予感を覚えたその時、


「チューッ!

 しゅき~!」


 と、お母さんは、強引にキスしてくる。


「わーっ!?

 バカ、バカっ!!

 やめろーっ!!」


「はい」


 ……え?

 やめた?

 なんで?


「……随分素直だね?」


「綺美ちゃんが本気で嫌がるようなことは、いたしません」


 マジで?


「……でも、私が本気で拒まなかったら、その……キスするつもりだったんでしょ?」


「勿論です」


「……そういう素直さは、いらないかなぁ……」


「スミマセン」

 

 嘘でも良いから、「違う」と言って欲しかった。

 でも酔っ払っている所為か、お母さんはいつもよりも正直に本音を言っているようだ。

 ある意味、通常よりも会話が成立しているような気さえする。


 ……この機会に、普段は聞けないようなことを、色々と聞いてみるか。

 まずは小手調べに普通の質問。


「お母さん、好きな食べ物は?」


「綺美ちゃんです」


「違うよ!?」


 違う、私食べ物違う。

 普通の質問をしたはずなのに、いきなりぶっ飛んだ答えが出てきたなぁ……。


「じゃあ、へそくりの隠し場所は?」


「冷凍庫の奥の、ポリ袋に入れてます」


 そんなところに……。

 一応覚えておこう。


「他に隠している物は?」


「薄い本が本棚の奥に……」


 薄い本?

 なにそれ?

 でも、深く聞いちゃいけないことのような気がするのは、何故なのだろう……。


 さて、そろそろ本命の質問を聞いてみるか。


「ねえ……お母さんは、なんで私のことがそんなに好きなの?」


「綺美ちゃんは、恩人なので」


 え? なに? どういうこと?

 訳が分からないので、もう少し詳しく聞いてみる。


「それはどういう……?」

 

「お父さんが死んで、私が駄目になっていた時に、綺美ちゃんが助けてくれたのです。

 確か『お父さんが心配しているから、元気を出して』……って、言ってくれて……」


 え……私、そんなこと言ったの?

 全然覚えていない……。

 まあ、3才くらいの時だから、当然だけど……。


「そして更に綺美ちゃんは、お父さんが将来の為に貯めていた貯金や、生命保険など、私も知らなかった物の存在を教えてくれました。

 ……あれは本当に助かりました」


 ふぁっ!? なんで私がそんなことを知ってるの!?

 お父さんが、私にだけ教えていたってこと!?

 でも幼児に何故そんなことを!?


「だけど私は、これは危ないな……と思いました。

 だから私がしっかりして、綺美ちゃんのことを守ってあげなければいけな……いと…………眠い」


 えっ、えっ、ちょっと待って!?

 大事なところで寝ないでっ!?

 一体どういうことなの!?


「あ~もう!

 ここで寝られたら私じゃ運べないから、なんとか自力でベッドまで行ってよぉ!」


 こうして肝心なところは、有耶無耶になってしまった。

 しかも翌日のお母さんは二日酔いになっていて、昨日のことは聞くに聞けない空気になっていた。


 ……私の過去に、どんな秘密があったのだろう……?


「うぇぇ……綺美ちゃ~ん、頭が痛い~。

 お水ちょうだ~い~」


「はいはい、今持って行くからぁ~!」


 あ~もう、このお母さんの面倒を見ていたら、細かいことなんか気にしている暇が無いなぁ。

 でも機会があったら、も1度詳しく聞いてみよう……。

 家族が入院中の為、更新が不定期になる可能性もあります。ご了承ください。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ