【 MとKの事 】(投稿作品)
MとKはとても仲良しだった
実際に共同生活をしていたのがその証でもあろう
「だった」と過去形なのは今は違うのかと問われたら?
それは微妙だ
グレーの色が黒なのか白なのか?
濃厚の度合いが均等で無いなら部分的には白でもあり黒でもあったりするのが真理だ
KがMを今の●に誘った
Mが 「好きな事をさせてもらえない」 との事をKに相談して来たからだ
そんな理由で今の比較的自由にやらせてくれる●に誘われた Mに取っては渡りに舟だった
案の定、●に移って解き放たれたMは、元々あったであろう才能を爆発的に開花させて行くのであった
そんな理由でハッピーエンドで終われば世の中はもっと幸福な人ばかりだろう
だが残念な事にMは才能があり過ぎた
それはM本人やMを慕うファン、またMの活躍で潤う人たちだけに留まらず
同じ方向で活躍する人たちのパイすら侵食する事態になって行った
その事は、Mを今の場所に招き入れたKもまた例外では無かった
Kは次第にMを応援したり協力するのに息苦しさを覚えて行った
事情、KよりもMに期待する声が高まり、評価も鰻上りになって行くのは誰の目にも明らかだったから
いたたまれずKはMと距離を置ようになって行った
それは気持ちだけで無く物理的にも
ついに共同生活を解除し、Kは引っ越しする事を決意し、Mにもそれを告げた
「そう、引っ越しするのね、じゃあ私も近くに引っ越しするわ」
屈託の無い笑顔で答えるMにKは困惑した
同時に、そんなにも無邪気で人を疑う事さえ無いMをKは羨ましくも感じた
堪らなく自己嫌悪に陥るKに気付かないMは、相変わらず恩人のKを相手に親しげに話かけ続けるのだった
《引用》
https://www.news-postseven.com/archives/20160221_386628.html?PAGE=1#container
『風と木の詩』の竹宮惠子 萩尾望都への嫉妬に苦しんだ日々
https://www.cyzowoman.com/2016/04/post_19562_1.html




