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発想の転換

 バングルが消えた日。気がつけば、私の左耳にはアイスブルーのピアスがありました。バングルの瞳と同じ色の宝石がついたピアスですわ。バングルと過ごした日々は夢ではないと、バングルがくれたであろうピアスが教えてくれていました。


 バングルが居なくなって、世界は色を無くしたようでしたわ。

 あんなに好きだった勉強がつまらない。

 ごはんもおいしくない。

 異国の景色を見ても、心が動かない。

 誰といても、寂しい。


 王太子(バカ)殿下に別れを告げた時だって、こんなに辛くはありませんでしたわ。だって私にはバングルが居ましたもの。いつも隣にいてくれましたもの。


 気がついてからは、さらに駄目でしたわ。何日も泣きました。


 見かねた留学先の友人が、それなら新しい使い魔を持ったらどうかと提案してくださいました。


 アヒル、犬、猫…たくさんの使い魔を見ましたが、どれも『ずっと一緒に居たい』とは思いませんでした。




『バングルだから』ずっと一緒に居たかった。

『バングルだけが』欲しい…欲しかった。

 私はバングルを愛していたのだと、今頃気がついてしまいました。なくしてから気がつくなんて、私はなんと愚かなのでしょう。





 そして、私はこう結論いたしました。


『誰より美しいアヒルになろう』


 私が誰より魅力的なアヒルになれば、バングルもふりむいてくれるかもしれません。最悪、アヒルが無理でも魅力的な女性になれればバングルのご主人様を籠絡して、バングルのつがいとして飼っていただけるかもしれませんわ!バングルは迎えに行くと言っていたから、きっと一度はまた会えるはず!


 それに、ソルレイク出身の友人が自分の瞳の色をしたピアスを贈る意味と、左耳にする意味を教えてくれましたわ。

 バングルがくれたピアスの意味を知り、私は立ち上がりました。ピアスは私のお守りになりました。



 私はそこから努力いたしました。

 まず精神を鍛えるために魔法使いに弟子入りして魔法訓練と精神鍛練を施しました。

 そしていざとなればバングルを守れるよう騎士に剣を習い、実戦訓練を重ねました。

 最後にやはり知識は武器であろうと、異国の知識を貪欲に求めました。

 さらには美を追求いたしました。これならばきっと、バングルに負けない美しく素晴らしいアヒルになれるはずですわ。







 そうこうしているうちに1年はあっという間でした。今日は久しぶりに母国へ帰ってきました。実は今日が卒業式。流石に出ないわけにはいきませんからね。

 すでに卒業式の会場には大好きなファンデとマカラが来ていましたわ。


「ファンデ、マカラ!」


「ルー、ジュ?」

「ルージュ、なのか?」


 私は首をかしげた。何か変かしら?


「はい、ルージュですわ!」


 にっこり微笑んだら、なにやら周囲がどよめきました。え?変かしら?なんで??


「うわあ…」

「これはまずいな」


「??あの、私…何かおかしいですか?」


 何かおかしいのであれば教えていただきたいわ。


「いいえ、可愛いわ。ううん、さらに綺麗になったわね」

「ああ、可愛いよりは綺麗だ。本当に美しくなったな」


「ありがとうございます??」


 綺麗になると何故まずいのかしら?


「やあ、見違えたね!ルージュ嬢!」


 あら、チャラい保健医…が蹴飛ばされたわ。


「お帰りなさい、姉様!」

「お帰り、ルージュ!」


「ただいま、リップル。ただいま戻りました、ヴェース様」


 可愛らしい二人が保健医を蹴り飛ばしたなんて、目の錯覚よね。この子達がそんなことするはずありませんわ。


「…ルージュ」


「うふふ、二人とも元気でしたか?」


「はい、姉様!」

「ああ、元気だぞ!」


「あの、ルージュ…」


「とても素敵になりましたね」


「姉様、嬉しいです」

「ルージュ、なら僕と婚約しないか?」


「ルージュ…」


 王太子(バカ)殿下が話しかけていますが、無視ですわ。仕事は手伝いませんし、よりも戻しませんわ!


「…ルージュ様」





 は?






 王太子(バカ)殿下は私にひざまづき、あろうことか私の靴に頬擦りをした。


 場の全員が王太子(バカ)殿下のあり得ない行動に硬直した。


「ルージュ様!私の女王様!!私は貴女に叱られて、真実の愛に目覚めたのです!その凍るようなまなざし、女神のような美しさ…!私の女王様になってください!!」


「お断りします!!」


 私、加虐趣味はありませんわよ!マカラとファンデが言っていたのはコレでしたのね!?


「お願いだ…いや、お願いします、ルージュ様!私の女王様になってください!!なんでもいたします!」


「き、きゃあああああ!?」


 なんと王太子(バカ)殿下は変態にクラスチェンジしておりました。

 王太子(へんたい)殿下は私の靴と脚を舐めようとしたので、私に足蹴にされました。鍛えあげた脚力によりくり出された蹴りで王太子(へんたい)殿下が吹っ飛びましたが、流石に私は悪くないですわ!正当防衛です!


 そして、私はその鍛えあげた脚力と魔力を駆使して逃亡するはめになりました。変態って恐ろしいし、おぞましいと初めて知りましたわ!だ、誰か助けてくださいましぃぃぃ!!

・男子生徒達が魅了された。

・ルージュは美しいアヒルになることにした!

王太子(バカ)殿下は王太子(へんたい)殿下にクラスチェンジした!


・シリアス先輩はたった1話で退場させられた!

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