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急なお呼びだしは勘弁してください

 さっさと用件を済ませたかったので、もともと今日は気が進まないけれど城に行くつもりでした。嫌だけど、仕方ないですものね。

私、小心者なんですの。だから偉い人とか基本的に苦手なんですよ。






「王妃様の命でお迎えに上がりました」





 だから、いきなりお呼びだしとかは勘弁してくださいぃぃ!!


「……………はい」


 内心そのように叫んではいるけど、小心者の私が否と言えるはずもなく……馬車に乗せられ運ばれるのでした…いや、逆にアポイントを取る手間が省けたと思えば…!

 しかし、用件が気にかかる。何故呼び出されたのだろうか。心当たりがありすぎる!私のささやかな嫌がらせ計画が露見したのか!?


「くわぁ」


 そんな風にマイナス思考だった私に、バングルがスリスリしてくれた。きっと大丈夫だと励ましてくれているのだ。


「…ありがとう、バングル」


 私にはバングルがいる。一人ではないから、きっと大丈夫だ。とりあえず尻を揉んだらつつかれた。うむ、なんかバングル(のお尻)のおかげで緊張がほぐれてきたよ!







 そう、きっと大丈夫…………じゃなかったよ!







 私は現在城の庭園に王妃様と『国王陛下』とティータイムなうである。なんで!?なんで陛下も一緒なの!?


「…ルージュ…」


 王妃様は泣きそうだが、私も混乱していて泣きそうだ。なんで最高権力者が揃ってるんですかぁぁ!?やはり、嫌がらせしようとしていたのがバレて私処刑…いや、まだなにもしてないからね!


「ルージュ、うちのバカ息子がごめんなさいね!」


 王妃様に抱きつかれた。とっさにバングルを膝から下ろしといて良かった。確実にぺしゃんこだ。なぜなら王妃様のハグは絞め技なのではないかと疑うぐらいに苦しいからね…うう、息ができない!


「くわぁ!くわぁぁ!!」


 バングルが私の顔色のヤバさに気がついたのだろう。必死で王妃様に抗議してくれている。これはヤバイ。本気で意識が遠のいてきた。


「…そのくらいにしておきなさい。ルージュ嬢が窒息してしまうだろう」


「あらやだ!ごめんなさいね!」


「ゲホッ!だ、大丈夫…です」


 窒息しそうだってわかってたんならもっと早く止めてくださいよ、陛下!


「くわぁ…」


 バングルが私の足元に来た。心配してくれているらしい。ああ、相変わらず尊いお尻………


「妻がすまないね、ルージュ嬢。いや、息子も含めてだな」


 陛下が頭を下げた。






 え??






 思考停止してしまったが、陛下が頭を下げているのは変わらない…いや、王妃様どうしたらいいの助けてと助けを求めようとした。


「ルージュ、私からも謝罪するわ。バカ息子が本当にほんっとうにごめんなさい」



 頭を下げる王妃様。


 あかん、状況が悪化した。国の最高権力者達から頭を下げられるとか、小心者には辛すぎる!しかし気絶とかはできないある意味丈夫な体が憎い!


「あ、頭を上げてください!お気持ちはわかりました!私も悪かったのですから…仕事ばかりにかまけてしまっておりましたから」


 そう…私と王太子(バカ)殿下は仲が良かった。最初は王太子(バカ)殿下が私を妻にと望んだのだ。


 私は努力して、王太子妃に相応しくなろうと頑張った。頑張って頑張って…ストレスで少しぽっちゃりしたら王太子(バカ)殿下は明らかに冷たくなった。

 しかも仕事をサボりたがるもんだから、捕まえて仕事をさせる日々を送った結果…嫌われた。


 そしてついには、私の誕生日すら忘れて婚約者がいる身でありながら他の女性と遊び呆けていたのだ。私も私で誕生日なんか忘れて仕事をしていた。でも友人達からのプレゼントで思い出して…王太子(バカ)殿下がその日に何をしていたのかを知って、一気にキレた。


『許せない』


 (ルージュ)が悪役令嬢になるのも仕方ないよ。それはヒロインに嫌がらせするわ!だって、王太子(バカ)殿下が最低限の礼儀すら果たさなかったんだもの。もっと円満に別れる方法だってあった。逆にルージュに話を通してあくまでヒロインを側妃にすると言っていたならよかったのだ。


「…過ぎたことは仕方ありません。王太子殿下が私や我が家に謝罪すらせずに婚約解消に同意したこと…もうご存知かと思います」


 私には…いや、私達には監視兼護衛が常についている。それを知りながらヒロインを殺そうとした悪役令嬢(ルージュ)の覚悟は凄まじいものだっただろう。今の私には前世?の記憶があったからかろうじて踏みとどまったが、そうでなければ私も同じ過ちをしたかもしれない。


「…そうだな。まだ我々に話は来ていないが、正式な婚約解消は時間の問題だろう」


「ルージュ、もうあのバカ息子は廃嫡するから第2王子の婚約者にならない?」


「え!?」


「状況も読めずガーネット家を敵にまわしかねないバカを国王になんてできないわ!」


「えええ!?」


 私は慌てて王妃様を止めた。というか、何故毎度私が王太子(バカ)殿下を庇わねばならないのだろうか。なんかおかしい。


「ガーネット家は王家の敵にはなりません!それに、私はささやかな仕返しをしたいのです!王妃様も協力してください!」


 確実に廃嫡よりは私の仕返しの方がましだろう。私は王妃様に計画を打ち明けた。


「なるほどねぇ…」

「ふむ…」


 お二人とも、悪い顔になってますよ?そしていい笑顔で快諾してくださいました。

 最近お二人の話を聞こうともしないそうで、いい薬だろうとのことでした。


 これで最難関はクリアですね。良かった良かった。しかし、まさか国王夫妻から了承を得るとは思いませんでした。


 ホッとしてバングルの尻を揉もうとしたら華麗に避けられました。くっ!後で絶対揉んでやるんだから!

・国王夫妻が仲間になった!


 現在の仲間だけで既にオーバーキルな気がするのは気のせいでしょうか。

 いや、実は初回から既にオーバーキルな気がします。

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