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私、みみっちい仕返しをいたします  作者: 明。
番外・レッタ編
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どこまでが現実なの!??

 とりあえず、変な夢を見たせいか、喉が乾きました。キッチンでお茶でも…と思ったら、紅茶を渡されました。


「どうぞ」


「ありがとうございます」


 温かい紅茶はとてもいい香りがしました。コーヒーも好きですが、苦すぎるからストレートで飲むなら断然紅茶ですね。これ、よくルージュ様がお飲みになっている高級なやつではないでしょうか。



 いや、待て。



 そもそも何故目覚めてすぐに紅茶が出てくるのですか!?私に紅茶を渡したのは誰ですか!?


「おはよう、レッタ。朝から叫ぶと迷惑だから、静かにね」


 とてもよく知る美女と知らない美青年が何故か私の部屋におりました。


「え?」


 人間、驚きすぎるとリアクションが薄くなるようです。


「レッタ様、おかわりはいかがです?最近、紅茶を趣味にしておりまして。いやあ、紅茶は奥が深い!」


「そうですね……私もまだ修行中です」


 紅茶の道は奥が深いのです。主の気分やその日の気候、季節感……さらにはお菓子とのバランス……極めようとすればするほど奥深いのです。


 いや、うん。そろそろ現実逃避はやめましょう。現実を見なければ。


「………どちら様ですか?」


「お久しぶりでございます。私はポッポ。レッタ様に日々迷惑をかけている神の使い達の上司です」


 え?あの変態の中身なんですか??


「……あれは私の趣味ではなく、ルージュ様が「私はバングナルト様のお尻以外に興味はございませんと何度も申しておりますでしょう!」


 朝から尻トークは勘弁していただきたいですね。そして、目の前にいる美青年は、ポッポちゃんという変態で間違いないようです。


「で、こんな早朝からどのようなご用件ですか?」


 早く帰っていただきたいので、本題に入ってもらうことにした。


「レッタ様にうちのクソ配下が多大なるご迷惑をおかけしていますので、その迷惑料の支払いに参りました」


「は、はあ……でもアヒル様達は我が国に貢献してくださってますし……」


 一応給金は出ているが、損害賠償としていくらか引かれているらしい。具体的にいくらもらっているかは知らない。


「レッタ様個人は得をしていません。厄介ごとを押しつけたという自覚はあります。ですから、レッタ様にボーナスをお渡ししたいと思います」


 一つめは、現金。とんでもない額だった。

 二つめは、領地の豊作。これはいいかも。私が生きている間だけらしいけど。

 三つめは、アヒル様達を人間にする。これは……したくない。私のエゴでアヒル様達をどうこうしたくない。

 四つめは、私を神の使いにすること。今すぐではなく、寿命で死んでから。これは死後にスカウトが来る場合があり、オススメしないとのこと。

 最後は、幸運。神にも何が起きるかわからないが、地味に幸せになれる祝福をくれるそうだ。


 あの不思議なロザリンドさんとユエさんと話していなかったら、きっとすごく困っただろう。どうしたいかは決まっている。


「貴女のおかげで、彼らは堕ちずに済みました。癒しの勇者に、心からの感謝を。貴女は真っ直ぐだ。その性質こそが、魂の輝きこそが、我々に人を守りたいと思わせてくれるのです。ボーナスにつきましては、いつでも心が決まったら言ってください」


「ありがとう、ございます」


 ずっと、心に引っかかっていました。彼らの隣に在るべきは、ルージュ様のような人なのではないか、と思っていたのです。私は私のままでいいという神の使いからの言葉に、救われたような気がしました。


「「レッタああああああ!!」」


 天井がまたしても大破しました。うちのアヒル……いや、今回は美青年姿ですね。またしても実家の屋根を破壊しやがりましたよ。


「大丈夫か!?すごく動揺してたから、心配で……」

「泣いているのか!?ポッポ様といえど、レッタを傷つける輩は容赦しない!!」


 ポッポ様はなにもしていませんよ。というか、叱りたいのに盛大に心配されたら……叱れないじゃないですか。困惑していたら、とても冷たい声がした。


「バルちゃん?ノアちゃん?」


 ルージュ様がお怒りです。普段滅多にキレないルージュ様。常にお側でお仕えしているからよくわかります。これは、本気でお怒りです!


「わたくしに、レッタの件を一任してくれたのではないのですか?わたくし、そんなに頼りないですか?ノアちゃんはともかく、バルちゃんはわたくしを信頼してくださっていると思っておりましたのに……わたくし、悲しいですわ」


 ルージュ様、見た目は悲しんでおいでですが、瞳の奥がブリザードです。


「そもそも、わたくしが出る羽目になったのは、どっかのお馬鹿さんが人目も憚らずレッタを口説きまくったせいですわ。おかげで見目麗しい男性二人に言い寄られるレッタが身のほど知らずな女性達に嫌がらせを受けそうになってしまいましたのよ。片っ端から圧力をかけて嫌がらせを未然に防いだのは、誰でした?その辺り、役立たずでいらしたのは、どなたでしたの?」


「ルージュ様、ありがとうございます!!一生お仕えします!!」


 そうか、いつの間にか嫌がらせがなくなったのは、知らないうちにルージュ様が手を回してくれていたからなんですね!!うちの主様、最高!!


「え?あら……そんなつもりではなかったのだけど……嬉しいわ」


 ルージュ様が美しい笑顔を見せてくださいました。


「「うわあああああああああん!!」」


「……色んな意味で、勇者様方に我々は勝てないようですねぇ」


 泣きながら天井を直さずに飛び去った白黒のアヒル様を見送りながら、ポッポ様が天井を直してくださいました。よかった、我が家の屋根は救われました。

ルージュたん最強説が浮上しました。

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