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私、みみっちい仕返しをいたします  作者: 明。
番外・マカラ編
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リヒャルト、覚醒

リヒャルト視点です

 湊様を思い出してから、自分の魔力に気がついた。そうか、僕はずっと守られていたんだね。


「やっと主様を思い出したのだね」


 小さな白蛇…僕の友人で守護蛇だった白雪だ。彼がずっと側にいてくれたおかげで僕の精神も肉体も守られていたらしい。


「すまないね。お前の身体と心を守るのだけで精一杯だった。湊様の命と、私の望みにより今度こそお前が幸せに寿命をまっとうできるよう守ろうと思っていたのに…力が足りなかったのだ」


「ううん、白雪はちゃんと僕を守ってくれていたよ」


 ひんやりとした白蛇に触れる。懐かしい。涙がこぼれる。


「そうか。早速ですまないが、一つ頼まれてはくれないかね」


「うん?」


「湊様が控えめに言っても大暴れしそうだ」






 僕、泣いてる場合じゃなかった。






 湊様は竜。竜とは川に例えられるもの。つまり水神。そして、水神は基本穏やかだが怒りで洪水を起こすこともあるわけだ。大暴れとはそういうこと。

 つまり、利人が住んでた町一帯が危なぁぁい!!


「そんなわけで、神力を発散してくれんかね。利人…今はリヒャルトだったか。お前が主様を思い出したことで、途切れていた(よすが)はまた繋がった。私を通じて神力を使え」


 懐かしい神主の衣装に、弓。矢はなく弓だけだ。そういうことか。利人だったころ、唯一得意だった運動が弓だ。神楽とかはリズム感がなくて駄目だった。自分との戦いとも言える弓が好きだった。


 いつものように、弓を構えて弦を引く。その手にないはずの矢が出現した。水神である湊様の神力の結晶。水の矢を天井に向かって放つ。矢は分裂して悪魔を次々と貫いていく。面白いぐらい当たるので連射しまくった。

 最後に、湊様の神力をたっぷりと籠めて一射を放つ。湊様、超キレていたのが伝わってきた。矢は竜になり、周囲を暴れまわって悪魔をかじり、尻尾で潰しつつ浄化している。なるほど、大暴れしているね。


「やるな、お前」

「異界の神の加護もちだったのか」


 謎のアヒル達は神使だったらしい。湊様との(よすが)が戻った今、真の姿が見えるようになった。姿勢を正して礼をする。


「はい。申し遅れました。異界の神、湊様にお仕えしておりました。今はリヒャルトと申します」


「リヒャルト様もアヒル様達と同じだったんですか!?」

「違います」


 驚愕しているレッタさんに否定した。ただ、説明が難しいなぁ。どう話したらわかってもらえるだろうか。


「リヒャルトはそこのアヒル達より高位の神に愛された魂を持っている人間だ。アヒル達よりは娘、お前に近いよ」


 白雪が説明してくれた。だからレッタさんに親近感があったのかもしれないね。無意識に同類だと認識していたのかな?


「わ、私?」


「そこの神使(アヒル)達の寵愛を受けているのだろう?神でこそないが、それなりの高位存在だね」


「え、ええええええ…」


 多分レッタさんは薄々わかっていたのだろう。そんなに驚いてはいなかった。ただ、受け入れられるかはまた別らしく、頭を抱えてしまった。



 改めて見回すと、周囲は綺麗に浄化しされたようだ。あれ?竜がまだ消えな……尻尾で異界の門に蓋をしている。しばらくすれば塞がるだろうし、こっちに来ようとすれば竜の尻尾に叩かれる。


「リヒャルト…お前…やっぱマカラちゃんの旦那だったんだな」


 クレストさんが悲しげに話しかけてきた。ジャンは何かブツブツ言っている。お兄ちゃん、別にそんなに変わってないと思うよ?とりあえず、クレストさんの言葉を否定した。


「どういう意味ですか!?僕はたまたま神様と縁があっただけですからね!?こんな強烈な浄化は人類には不可能です!神の御力ですからね!」


「リヒャルト、よくやったね。湊様も少し落ち着いたよ。でもあくまで少しだから、後でフォローしておくれ」


「う、うん」


 僕が頷くと白雪は影に潜り込んだ。

 僕は深呼吸すると、周囲を確認することにした。竜の尻尾に塞がれているから、もう悪魔の援軍は来ない。一応ぬいぐるみと夢魔さんは消し去らないようにしたのだが、周囲を浄化しすぎたらしくシオシオに萎びている。申し訳ない。

 マカラちゃんは鞭を持ってます。悪魔をあの鞭でしばいてました。さすがです。お義母さんはモーニングスターを装備してました。破壊力がありそうです。元気になったんですね。

 お義父さんは……車椅子がモビ○スーツみたくなっています。モ□ルスーツとは、空想の世界にしか存在しない人型有人兵器だそうです。このフォルムはまるで事務…じゃなくジ□を彷彿とさせますね。


「ナニをやらかしてるんですかぁぁ!??」


「いや、うん。リヒャルトの同僚と色々足したら………てへ」


「こらあああああああああ!!」


 後で分解してや………分、解………できるかなぁ…。あれカッコいい。どうせならもっと…いかんいかん!オーバーテクノロジーの中でも、兵器なんかは世に出したら絶対ダメなんだ!


「あら…懐かしいですわね。カンダタでしたっけ?」


「それは蜘蛛の…いや、ドラゴンな冒険か!?ンダしか合ってないよ!連邦の白いデーモン様を間違えないで!!」


 ルージュ様は首をかしげていた。イーリ様が僕に近い人種(オタク)であることがわかった。


「近いのはジ△よ!それもこのフォルムは、ジ△ヘンソン!」


 それ、村人……いや、確かに似てるけども。着ぐるみ感があって可愛いし。まさかのアイラ様もこっち側……予想外すぎる。いや、そこはどうでもいい。きちんと元車椅子のスペックを確認して、後で危険がないようにしよう。


 その判断は甘かったのだと、僕は後に思い知るのであった。



 ファンデ様と傍聴席にいた人たちが戻ってきた。


「急にピカピカしたけど、皆は大丈夫……空気がやけにスッキリしてるな。換気したのか?」


「いや、換気であの瘴気はどうにもならないかな…」


 僕は三体の悪魔をわざと見逃した。夢魔さんとぬいぐるみの悪魔と……あの男に憑いた悪魔だ。今度こそ、決着をつけよう。激しい憎悪を宿した瞳で僕を睨む男を、静かに見つめた。

白雪君は○○リンドさん…の贈り人とも縁があります。どこで繋がっているか、わからないものですね。

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