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実は召喚したくなかったって言われても困る  作者: 極楽とんぼ


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1282/1303

1282.18階の魔物討伐(4)

 オーガの魔石を取りだしてそのまま進んだところ、暫くして複数の魔力が隆一の魔力探知に引っ掛かった。

「アーミーアントの群れだな。

 二人が手を抜きつつ俺も一緒に戦う感じにするのか?

 それともデヴリンが先に間引いておいて俺が3、4体倒す?」

 魔力を練りながら護衛役の二人に尋ねる。


 アーミーアントだったら足止め用魔道具で動きを鈍らせつつ氷矢アイスアローをぶつけて更に動きを鈍らせて順番に弱らせながら倒すのが正解だろう。

 それなりに動きが早いので、初撃を一発で当てられなければ氷槍アイスランスを外す可能性が高く、足止め用魔道具か氷矢アイスアローを当てられれば動きを鈍らせられるので、氷槍アイスランスを使う価値はない。

 しかも数が多いので、アーミーアント相手に氷槍アイスランスをぶっぱなしまくって倒すのは魔術師でも厳しいらしい。

「明日は低圧洗浄機モドキを持ってこよう。

 あれをぶちまけながら攻撃魔術を放てるか実験したいし、出来るとしたらそれで群れを対処できるかも試してみたい」

 今日はオーガとポイズンスライムを倒す予定だったので、アーミーアントに当たるとは思っていなかったのだ。

 探索者ギルドや商業ギルドの連中もテストであちこちの群れと戯れているし。


「あ~。

 出来ればアーミーアントは殺さないでくれって話だったんだが。

 ちょっともう、手遅れだな」

 ポリポリと顎を掻きながらダルディールが言った。

 既に向こうも隆一達を認識しているらしく、こちらにハイスピードで進んできているので、今から方向転換しても逃げ切れるかは怪しい。

 しかもテリトリーを敢えて認識しないように動いていたので、どちらに行くと最速でアーミーアントのテリトリーから外れるかも微妙に不明だ。


 基本的に通常の魔物は接敵即滅なデヴリンとダルディールは、最下層以外ではマッピングを覚えていないので、テリトリーの場所もおぼつかないのだ。

 隆一が各階に到着するたびにマッピングをしてテリトリーをしっかり記憶していたのでそれで問題なかったのだが、敢えてテリトリーを考えないようにしようとした弊害が出てきたようだ。


「まあ、待っていれば他のアーミーアントの群れだってリポップするんだ、構わないさ。

 明日は倒さない方が良いかもだが。

 リュウイチが開発者なんだし、水まき魔道具を持ってきておいて一回ぐらいそっちの実験をしたってかまわんだろう」

 デヴリンが軽く笑いながら言った。

 問題ないらしい。

「取り敢えず、デヴリンは適当に間引き、私は隆一の所に3体以上進まないようにコントロールするから、頑張ってみてくれ」

 ダルディールが戦闘の流れを決定した。


 中々ハードに行くことになったらしい。


「了解。

 取り敢えず、群れの左側の方を間引く感じで頼む」

 近づいてきたアーミーアントに足止め用魔道具の狙いを定めながら隆一が頼んだ。

 デヴリンに足止め用魔道具を絡めてしまったら、目も当てられない。

 攻撃魔術のフレンドリーファイアも十分困るが、接敵中に足止め用魔道具で味方を動けなくするなんて、最悪の結果になりかねない。


 一応クロスボウ型足止め用魔道具は粘着糸から魔力を抜けば強度も粘度も駄々下がりするので抜け出せる筈だが、戦闘中にそんなことを落ち着いてやっていられるかは怪しい。


 シュ!

 足止め用魔道具が最初のアーミーアントの胴体に当たり、絡まった。

 前脚部分にも絡まったが、そのまま後ろ脚で立ち上がって二足歩行で進んでくる。

氷矢アイスアロー!」

 いい感じに胴体に攻撃魔術が当たったら、ガクッとアーミーアントの動きが遅くなった。

 取り敢えずそれは放置して、その隣のアーミーアントへ足止め用魔道具を放つ。

 今度はもう少し下を狙ったら、良い感じに後ろ脚2本が拘束されて、魔物の動きが止まった。

 次のアーミーアントに向かって足止め用魔道具を放つ。

 首に絡まったが、そのままぐるぐる巻きつくだけで特に効果はなかった。

 軽く首のちょっと下辺りに刺さっただけだったので、怪我としても大したことはなかったらしい。


氷矢アイスアロー!」

 攻撃魔術が今度は頭に当たったら、そのままパタリとアーミーアントが倒れた。


 急いで足止め用魔道具のクロスボウに矢をつがえ、放つ。

 粘着糸付きボーラもどきが放たれ、頭に攻撃を喰らった個体の上を踏み越えてきていたアーミーアントの脚と胴体に絡まった。


 次から次へと寄って来る魔物が足止めされる距離が近くなり、数も増えてきた。

 ガン!

 近くに寄っていた個体をダルディールが盾で弾き返す。


 少し下がりながら足止め用魔道具と氷矢アイスアローでアーミーアントを押し戻していたら、やがて近づいてくる魔物が居なくなった。


 とは言え、まだ地面でウゴウゴと動いている個体が多いので、これから止めを刺して回らなければならない。

 近づいてその顎に噛みつかれたら足首ぐらいはあっさり捥げるらしいので、距離を取ったまま氷矢アイスアローを頭部に叩き込み、周囲のアーミーアントがすべて死んでから魔石を取りだしはじめた。


「なんかこう、次から次へと来る感じだったな。

 それなりに数を殺したと思うが、結局俺が倒したのって何体だった?」

 群れ全部を最終的に倒したような気がした隆一だったが、すっぱり頭部が斬撃で切り落とされた死骸も多いので、実際にはデヴリンが半分以上倒していた。


「5体だな。

 悪くはないぞ?」

 デヴリンがちょっと慰めるように言った。


「悪くはないが、これじゃあアーミーアントの群れに遭遇したら生き残れないなぁ。

 なんとも厳しい」

 常に酢を持ち歩くべきだろうか?

 ちょっとそれも微妙だが。



群れは対処が難しいですよね〜

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― 新着の感想 ―
見敵必殺(サーチ&デストロイ)は戦闘の基本ですよね
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