119話 ダルザニアと……
王都【ブレーリト】の時計台の前に巨大なモニターが
魔法によって形成されて、大広場からモニターを
見ている者たちは、格闘台が消滅して天の勇者が
1人だけ立っている光景を唖然と見ていた。
圧倒的だった。
其の一言であった。
人族最強勇者、此の世界で最強の人物であることに
誰も不満を言う者はいないだろう。
セント・ギアに祝辞を言われて退場する天の勇者。
その光景が流れていても誰も言葉を発しない。
鳥のさえずり、ゴミ箱型ゴーレムの音だけが響いている。
つかさとの模擬戦でフェニックの鎧を着て戦っていたが
魔法は使わなかった。
魔法を使えば、つかさも敵わないだろう。
天の勇者は神アケミの眷属であるが、その力は封印されて
人族として過ごしているが、封印されている力のかわりに
フェニックスの鎧を与えられている。
獣族との戦いで後れをとった天の勇者を心配して、
神アケミが用意した。
鎧の材料になっているのは時空を飛び舞うフェニックスであり
春奈曰、テイムなど在り得ないと言うが、神アケミの力なのだろう。
私も欲しい……
モニターから予選2組に参加する者たちが
全員棄権したことが告げられて、大広場にいる者たちが
騒めきだして、静寂が終わった。
「世界の王に成るな、ロックティラよ」
「魔族の大陸なら出来るだろうが、狸が多い、御前のように」
ミューブル王国に天の勇者などの強者が集まり、
世界を獲れる国だと嫌味を含めて言う私に
ロックティラが、力だけで世界統一は出来ないと言うので、
確かに、政治的な駆け引きも出て来るが
「狸? 化かし合いはしたことが無いな」
不得意なのでしたことが無いと言うと、
「俺を王に仕立てて、ツカサを上王にしただろう」
「人族の大陸には興味が無いな」
ミューブル王との会議で、次期王には息子をと言っていたが
ロックティラたち強者を従える力は無いと告げた。
「俺が王女と結婚するから……
「力不足で、王配でもと言ったが……
イギリスのように王女が即位した例を挙げて説明したが、
「難色を示した義親父に……
「何を言ったかな?」
息子が成るのが普通だと言ったが、ロックティラたちを
従えるには圧倒的な力、カリスマ性がないので無理だと告げたが
それでもと言うので最終奥義を出すことにした。
ロックティラが私を睨んで言うので白を切ると
ナルエたちがクスクスと笑って聞いていて
知ってるからなと明後日の方向を見ていると、
「お前が王に成ると言っただろ」
「言ったかな……
「俺も聞いて驚いたが、ミューブル王国の初代からの
血筋で、王に成る権利があるとな」
「そんな話しあったかな」
ロックティラが知ってから、事あることに私との会話の時に
出してくる話で、その度にフフッと笑いながら白を切ると、
「フン! 魔王の嫁さんが出て来て序列を言うと、
御前の方が上で、その場で王位を奪っただろ」
「そんなことしたかな?」
春奈が王位継承権の系列が書かれている巻物を
王たちに見せて、王たちは愕然とした。
此れにはロックティラも笑うしかなく、
第1位がアケミさまで天の勇者の嫁である。その下に
ラッタクリーム王国の現王で、その次が
ミューブル王になっていた。
アケミさまは建国時の重鎮であり、ミューブル王国が
安定するまでの間に獣族が攻めてこないように
獣族を壊滅させているので名誉職扱いで第1位となっている。
後、王の任命権も持っているので誰の干渉も受けずに
天の勇者を王にすることもできる。
第2位の私だが、ゲームのルールの為に
直接、ミューブル王国の為に戦うことは出来ないが
私の父や祖父がミューブル王国の防衛のために
王になった時もあるようだが公式には書かれていない。
その時は魔族の姿ではなく人族の姿である。
「王位を奪って俺を……
「公爵たちは納得しなかったが」
クスッと笑う私に、
「その場で全員処刑すると言ったな」
「そんなことは言いません」
そんな強権発動などしませんよ、
領地剥奪や爵位の降格を言っただけで
公爵たちは領地の騎士団を、私設騎士団を
王都に向けて進軍させると、私の目の前で
反乱の意を言い出したので、
「セント・ギアで……性能は知ってるだろと」
「青ざめた顔は面白かったな」
ロックティラが言う通り脅しのつもりで言うと
その場で公爵たちは自分たちの未来に絶望していた。
私としては、つかさを超える、私を倒す力を得たいから
ミューブル王国に居てくれるロックティラ達に何も与えないと
言うのは可笑しいので、空いた領地、爵位を与えるのに
丁度いいと春奈も賛同していたのでチャンスと思ったが
簡単に私に従うと言うので、何でも屋で働いていると言う形で
エンリーたちを使っているので、他に何かないかとアケミさまに
相談すると、セント・ギアは天の勇者たちが元の世界に
帰還するまでだから、それに代わる物をミューブル王国の
騎士になるなら用意すると言って、エンリー達は正式に
ミューブル王国の騎士になった。
アキナさまの計らいで、エンリーたちはアケミさまの
上位準眷属か中位準眷属になりたいなら成れる状態である。
エンリーは、まだ決めかけている。
これだけの強者が揃うミューブル王国を
ロックティラでも制御出来ないと言うことで、
我が愛する娘ナルエと、その他の女性と共に遊んでばかりいる
つかさにロックティラ達への抑止力として王の上の位を作り
上王に薦めると、あっさり承諾した。
つかさ自身も良く分かっていた感じである。
「夫を上王にして……
「ツカサの力も知れ渡り、不満を言う者も居まい」
不満を言うナルエに言う私に
「2か国も、まだ増える感じだし!!」
「王族の女性を得ればな……
つかさはスタンテッド王国の次期王にされたのは
娘を嫁にしたのもあるが、つかさの才能の高さだろう。
王としての素質があり纏める力がある。
女性に対して受け入れる懐の大きさもあるが
100人以上は多すぎだろう。
私の所は竜巳である。
娘たち、息子たち全員が同じ人物に嫁ぐのは
呆れたが……
「王妃まで行くとは……
ロックティラが笑いながら言うので、
コンピーコム王国の王妃【リザベラ】が愛人枠で
つかさに嫁いでしまったので、コンピーコム王は
息子たちに如何いうかが楽しみである。
ロックティラと話し込んでいると
時計台の大広間に繋がる
扉が開いたので、春奈たちをフッと見た後に、
「ロックティラよ! 現王として言おう
この国を列強諸国から守れ!!」
「分かっている。そのためには魔族の力も……
「魔族ではない家族だ!!」
お互い顔を眺めて、フッと私たちは笑い、
握手を交わして、
「行くぞ!!」
貴族、関係者が先に入った時計台に向けて私を先頭に歩く
ロックティラ達。魔王が次期王を守る者であるように
見られる光景に陳列した貴族たちは驚いている。
大広間の中央に来た私たちは止まり、ロックティラ、
ロックティラの家族が玉座が置かれた壇上の前に進み、
玉座の両脇には参謀教官のパーセント、宮廷魔導士の
シャドウが立ち並び、ロックティラを見ている。
玉座には誰も座っていない。
ロックティラ、家族が跪くと、玉座に歪が発生して
ヘルメットは無いが天の勇者が姿を現して座っていた。
誰もが驚く中で
「ロックティラ! 面を上げろ!!」
天の勇者の声が響く。
「ミューブル王国の次期王、第44代の王に任命する」
その言葉に43ではと陳列する貴族たちから声が出るので、
「その問いに、魔王が答えよ!」
天の勇者が私に言うので、
「国の成り立ちから言わねばならないぞ! 王代理よ!!」
「初代王妃ミューラの血を引き継ぐ者である
魔族の大陸の長であろう」
その言葉にコロッセオでも驚きの声が上がっている。
魔族たちにとって人族の血が王族に入っているなど
信じられないことである。
「まずは聞きたい! 王代理が天の勇者なのか!!?」
ビシッと右手人差し指で天の勇者に向けると、
「簡単だ! ジャンパー・フォルル・ミューブルが
最近の出来事で疲労し、俺の妻が王代理となったが
今は姿を現すのは不味いと言うので
俺が代わりに出て来た。
魔王、不満があれば御前を消滅させる」
誰もが先程の光景を浮かべて、魔王と言えどと思う中で、
「人族の大陸が消滅するぞ!!}
「それは無い、お前も知っているだろ……
「カテゴリーが人族ではなく、我が娘たちと同じ
神族なのだな、天の勇者! いや、神の使徒!!」
その言葉に大広場も驚きの声が上がり、
コロッセオでも驚きの声が上がる。
「お前も言うことがあるだろ、
ミューブル王国第43代の王よ!!」
何でも屋の食堂に居る者たちも含めて驚きの声が上がり、
「我は繋ぎの王であり、正式ではない!!」
私が答えると、
「王の系列に入れると妻が言ったので却下だ!!」
「分かった! なぜ我が第43代の王に成るかを
此処に居る者たち、コロッセオに居る者たちに
言わねばなるまいな」
「魔王! 御前の言葉だけでは
納得しない者も居るだろう、
その為にゲストを呼んでいる……
「ゲスト……?」
跪いたままロックティラが呟くと、
「初代王妃ミューラだ!」
天の勇者がゲストの名前を言うので、
シャドウが後方に下がると其処に
白きロングのワンピースを着た穏やかな女性が
立っていて、
「我が高祖母様、いつ見ても美しい!!」
私が跪くと春奈以外が跪いて、
「メガーデスティー! お世辞は良いですよ」
フフッと笑って言う高祖母様に
「見たままを言ったまで……
「そうですか」
御世辞抜きで言ったことに
微笑んだ高祖母様が、
「メガーデスティーが私のことを高祖母と
言うのかを教えましょう」
私との関係を語り出す。
魔族の大陸を統一する前のサイクロメール国の王である
サラウンド・ギルツ・ネイル・フォン・クロメールと神である
ミューラとの出会いの地が此のミューブル王国であり、
子が出来なかったサラウンドとの間に出来た双子の1人が
ミューブル王国を、もう片方がサイクロメール国を継ぎ、
サイクロメール国を継いだラッタクリームが魔族の大陸を
統一したことを告げた。
我が妻の春奈が神ソラスであり、春奈の友人の
神ミューラと告げた。
更に、ミューブル王国の建国に天の勇者の妻も
参加したことを告げた。
大広場には沈黙が流れている。
なぜ私が第43代の王なのかと納得した者たちが
言葉を出さずに他の貴族の顔を見渡している。
「今日の戴冠式はメガーデスティーでも良かったのよ」
高祖母様が言い出すが、
「高祖母様、私は亡くなる身!
今更、ミューブルの王に就く訳にはいきません」
「息子は?」
「私の後を継いで……
「他にも……
「王に成る気はありません!」
「それで、人族最強の男を……
高祖母様はロックティラを見下ろしながら言うので
「第1王女を娶ります。私の目から見ても
王としての素質もあります」
ロックティラのことをヨイショして言うと
「分かりました。ロックティラ! 此方に」
高祖母様がロックティラに向けて叫ぶと、
ロックティラは立ち上がり、目の前の階段を上って行く。
壇上に着くと天の勇者が大きな帽子(冠)を手に持ち
天の勇者の前にロックティラが跪くと
ロックティラの頭に帽子を被せた。
高祖母様がロックティラに
「我が国は他国に攻め込まない代わりに、
豊かな土地をソラスから得ています。
それを破れば自然災害が多くなるでしょう」
告げると、
「肝に銘じます! 初代ミューブル王妃様」
顔だけを高祖母様に見せて言うロックティラに
「貴方とリジャッタの子が産まれたら……
ニコッと笑って言ってから此の場から姿を消した。
天の勇者がロックティラと並び、
「戴冠の儀を終了する。此れからコロッセオで
予選3組目が始まる。
誰が優勝するのか楽しみである。
新王よ、コロッセオで見ようぞ」
ロックティラ、ロックティラの家族をテレポートで
コロッセオに運んだようだ。
残った我々は、
「何でも屋でビール飲みながら……」
春奈に向けて言うと
「お父さん! 昼間から」
ナルエが注意するので、
「ツカサから恋人を取り戻す会の皆様と
飲むのが悪いか!!」
「もう、私は夫の所に行きますから!!」
そんな会に居たくないから、ナルエが
べルールとセンシーラに目で合図をして頷いている。
「巡回か?」
「そうです」
つかさが王都を巡回しているので、
一緒に巡回すると言うので
「門限は17時だ!」
「お父さん! 一緒に住んでるんですけど……
可愛い娘が、夜の怖い時間帯に外に出てるのは
危険と言うことで、門限を言うと、
メルウララ修道院で、つかさと一緒に住んでいると言うが、
「何でも屋で私と過ごすの!!」
たまには、家族団欒するべきと言うと、
「私たちはいい……
べルールが言い出すので、
「我の娘だ! ナルエと同じ!!」
春奈たちが我が儘いいだしたわという感じで私を見ているが
「親は……
センシーラが言い出すので、
「ツカサはナルエと結婚して我の息子だ!
ベルールたちはツカサと結婚したなら
我の娘である、
此処に来る前に、お父さんと言っただろ!!」
アチャと言う顔でべルールとセンシーラは顔を見合していて
「嫌な顔をするな! 武闘大会の打ち上げパーティーを
上でするから、集合時間だ!!」
「聞いてないけど……
アケミさまが、今日の武闘大会の打ち上げを
アケミ御殿で行うと言うので、アケミさまがメールで
全員に送ると言ったが、
「ツカサたちには私から言うと言って
伝えないようにしたからな」
「お母さん、知っていたの?」
ナルエたちは今知って、春奈に確認をするように聞くと、
「だって、つかさ君のビックリする顔を見たいって……
困った人ねと私を見ながらナルエに言うと
「分かったわ、其れじゃ……
ナルエは了解してべルールとセンシーラと行こうとしたが
貴族たちに阻まれて、
「本当に神の子なのか?
「天使の翼は……
「魔王とは……
等と聞かれたが、お父さんに聞いてくださいと言って
私の所に来るので、ナルエの為だと思って質問に答えてやった。
春奈に関しては薄々は分かっていたので、はっきりと神ソラスと
分かって、今まで以上にミューブル王国に関与と言った貴族に
今まで通りと告げてガッカリさせたり、王都でも魔族との
交配は出来ないのかと聞く貴族に、ロブシェリルだけで
深く愛さないとダメよと釘を刺していた。
力の為では無理だよと……
貿易に関しても今までと同じで魔王特権の
優遇は受けられないことにガッカリする貴族もいた。
だが、私の武器を卸しているのはミューブル王国のみである。
魔族の大陸の輸出入も、ミューブル王国経由のみである。
他の国と貿易をしていると思っている貴族が
独占できないかと聞いてくるが、それは不正で行っているので、
見つけ次第、不正をしている者を処罰している。
どうでも良い物の場合は、
不正をしている者を見逃している時もある。
私の武器は趣味で作っていたので、息子の
ジャクトル・ファイブ・ダ・ラッタクリームが
私のを見ながら改良して魔族の大陸に出しているだけである。
私の武器を本格的に売り出したのは最近である。
無事に? 何でも屋に戻り、舞姫から冷たい水が入った
コップを貰って、グイっと飲んでから、
「ビールに、おつまみ!
お前ら! ツカサ愚痴合戦だぁぁあああ!!!!!」
モニターには予選3組目が始まろうとしていた。
残りの予選を、ロックティラと見ながら
本選まで語ろうかなと思っていたら
「なぜ、御前が横?」
2つ用意された玉座の片方に座る明美に言うと、
「光ちゃんが座るなら私でしょ」
確かに戴冠式で妻と言いましたげど、此処は前王代理の俺と
現王になったロックティラが座るのが普通だろう。
ロックティラ達は玉座があるスタンドの直ぐ下の
椅子に座っているので、
「ロック! そこで良いのか?」
「本選になったら座るが、気楽に飲み食いしながらな」
つかさの妻の1人【キアリー】がロングのワンピースに
エプロン姿で、俺たちにワイングラスを渡して、
ワインクーラーから白ワインの瓶を出してから俺たちに注いで行く。
ロックティラーの息子【ウェルカー】は、キアリーがコルクを
瓶から取る姿が様になっていたので感動しているが、子供の御前には
シャンペンが御似合いだと思うが、ロックティラは御構いなく
ウェルカーのワイングラスに注ぐのを見ていた。
「良いのか?」
「水のかわりで……
少し飲みながら子供にはと呟くと、明美が言うが、
水は魔法で出来るし、貴重という感じでは無いが、
まぁ、俺の生まれた世界じゃないし、
辛いから飲むのを止めるかなと思っていると
「キアリー様! もう1杯!!」
ウェルカーは直ぐ飲んだようで、お代わりを要求して
キアリーは注いでいた。
味わって飲むのにと思いながら、
「似合ってるな」
天使姿のキアリーの服装が天使の翼と合っていて、
凛とした感じではなく可愛いという感じだったので
キアリーに言うと、
「お前に言われるとキモイから言わないでくれ!」
帰って来た言葉にガッカリしていると明美が俺の頭を
なでなでと手でしてくれて、
「可愛くっても、綺麗でも2度と言ったらん!!」
「旦那様だけに言われれば十分だ!!」
「キアリー様、綺麗です」
「ありがとう」
復帰した俺はキアリーに対して褒めないと言うと
つかさだけに言われたいと言うが、ウェルカーに言われて
嬉しそうに返すので、此奴、俺で遊びやかって!!
ワインをグッと飲んで、ワイングラスをキアリーに
差し出すとワインを注いでくれてから
「何か、軽めの食事を持ってきます」
俺たちに告げて其の場を去って行った。
「……キアリーたちが天使化してるのは驚いたが」
ロックティラが俺の方に来て言うので、
コロッセオのスタンドを見ても魔族が多いので、
人族のレベルでは暴走されたら対応が出来ないので
キアリーたちは天使化をしている。
つかさのレベル160の80%のレベル128である。
魔王も倒せるレベルで存在自体が在り得ないので
キアリーたちを見てチョッカイを出す者は居ないだろう。
「なるほど、色々と来るだろうなぁ……
ロックティラの諦めた感じの言葉に、
「俺が王でなくって良かった」
クスッと笑って言うと
「王代理したんだから……
ロックティラも笑って返すので、俺も笑って、
「どんな風に来るか楽しみに、まずは……
予選3組目が新調された格闘台に上がっている。
この3組は、獣族の大陸から唯一出場している
獣族最強の騎士【ダルザニア】が参戦している。
ダルザニアを見て魔族、人族たちは手に持っている
玩具のハンマーを見て笑っていたりする。
更に、格闘台の床にピコピコと音を出して叩いている
ダルザニアの姿に笑いが起きている。
1000人の内、魔族が大半を占めていて、此処で勝者となれば
本選は予選4組と、次に予選5組か6組の勝者と戦い、
その次が俺と戦う。
予選5組には次期魔王候補のファインダーロペスが参戦している。
俺との戦いは棄権しても、魔族の貴族、商人などが来ているので
自分をアピールして貴族、騎士などに抜擢してくれる
かもしれないので、予選3組目はストレッチ、魔法の詠唱を初めて
開始の合図を待っている。
スオウがマイクを手に持って格闘台を見渡している。
格闘台に緊張が走り、剣士や格闘家は闘気を体から
発していて、魔導士たちは自身の周りに防御壁を
形成している。
ダルザニアは目を閉じて合図を待っている。
「2分ね」
明美が呟くとスオウが初めの言葉を発して
玩具のハンマーを持つダルザニアに近くの者たちが襲うが
玩具のハンマーを振ると大半の者の腕が、剣が無くなっていて
腕が無くなった者は、無くなった腕の所から血が噴き出している。
ダルザニアが玩具のハンマーを振り回しながら
格闘台に居る者たちの上半身が、鎧が、魔法の防御壁が無くなり、
ダルザニアの玩具のハンマーが強力な武器であることが
コロッセオ、時計台に居る者たちに恐怖を与えた。
ダルザニアが玩具のハンマー【ミュージック・ハンマー】を
構えながら来る者たちを待つ。
だが、恐怖を感じた者たちは格闘台から降りて
スオウに棄権を告げている。
残った者たちは、最初にダルザニアを倒すことを決めて、
魔術師たちが自身が持っている最大魔法を詠唱し出している。
魔術師たちの方に行けないように剣士、魔法剣士、格闘家が
ダルザニアに向かって威圧を放っている。
ダルザニアは俺たちの方にチラッと見てから
「エヴリシング・ナッシング・ライトォォォオオオ!!!!!」
ミュージック・ハンマーがピーピピーピピピピ、ピー……
ダルザニアが叫んだ言葉で鳴り響き、
ミュージック・ハンマーが光り輝く中で
頭上から格闘台に向けてミュージック・ハンマーを振り落とすと
格闘台が一瞬光り、格闘台に居た者たちと共に消滅していた。
ミュージック・ハンマーの柄頭を残った格闘台にドンッと
置いて、コロッセオにいる者たちに、
勝者が俺だと仁王立ちしてアピールをしていた。
スオウが勝者を告げるが、
俺たち、輝太たち以外は沈黙した。
「よし! コウエツに続いて圧勝!!」
俺はダルザニアの勝利に喜んでいる。
アルテイラも無事に予選を勝ち抜いたので
両手を合わして勝利を喜んでいる
つかさの妻たちは当然という感じで売り子をしている。
コウエツはフェニックスを召喚して鎧としたが、
ダルザニアは誰もが笑う玩具のハンマーで
戦うと言う暴挙で直ぐ負けると思っていた者たちに
玩具のハンマーの凄さを見せつけた。
ダルザニアも玩具のハンマーを使いこなし
獣族の最強騎士、此処にありと見せつけた。
「知っていたんですか? テルタさん」
予選4組目が全員棄権というアナウンスで
我に返った者たちの中で、俺の横に居るアーシーリヴァが
俺に言った後に頬を膨らまして睨んでいる。
「最後のは知らなかったけど」
「ホントですか?」
明美からダルザニア専用武器と聞いた時に性能を聞いた。
だが、最後の詠唱しながら放ったのは聞いていなかった。
聞いていたんでしょと睨むアーシーリヴァに
「ホントだって! なぁアルテイラ!」
知らなかったと言うが、念のためにアルテイラに尋ねると
「テルタ殿が心を込めて言うべきでしょう」
俺が心を込めて言えばと言うので、
「俺の目を見ろ!!」
アーシーリヴァの目を見つめて言うと、
恥ずかしそうに見つめ返すアーシーリヴァに
「俺は本当のことしか言わない!
俺はクチナが好きです」
言った後に、
「バカ!! ちょっと……
アーシーリヴァの平手が俺の左頬に当たった後に
スタンド椅子から立ち上がり、売り子をしている
つかさの妻の1人に話をして、一緒に観客スタンドの
奥の道に入って行った。
「なんなんだよ!!」
左頬を左手で触りながら言う俺に、
「テルタ殿、なぜクチナ殿の名を?」
呆れながら俺を見るアルテイラに
「心を込めて言う相手は母さんだけだから」
「……そうですか、普通は信じろでは?」
答えると、肩を落とすアルテイラを見ながら、
「母さんの適合者しか言わないかな」
「……そうですか」
その言葉を言える相手は母さんと精神的に融合できる
相手になら言えるが、アーシーリヴァは護衛という
恋人をしているだけであり、アーシーリヴァは俺が持つ
天王剣を狙っている。
天王剣は、今は皮袋に入っている。
「で、何処行った? 護衛だし」
アルテイラに聞くと、
「ツカサ殿の奥様と一緒に行きましたので……
「それでも」
つかさの妻の1人と一緒だからと言うが、
心配なので行こうとすると、
「行かない方が……
「なぜ?」
「殴ったついでに……
「だから、なんだよ!!」
アルテイラが此処に留まるのが良いと言うが、
心配だからと押し問答をしていると
「テルタさん、アルテイラさんと?」
俺たちを見ながらアーシーリヴァが言うので
アーシーリヴァが無事に戻って来たので
「何処に行っていた?」
嬉しそうに俺が言うと
「ちょっと歩きたかったので……
惚けるように言うアーシーリヴァに
「観客は魔族が多いんだ! アーシーは可愛いんだから
獣族の奴らみたいにされるといけない!
今度行く時は俺も行くからな!!」
「ツカサさまの奥様が居ますから」
1人ではないので大丈夫と言うアーシーリヴァに
「護衛としての任務だ!!」
口を尖らして俺を睨むアーシーリヴァが
「護衛だけ?」
「当たり前だ! 女性はクチナだけ!!」
聞くので答えると、ギャグ・ハンマーで
アーシーリヴァに殴られて、
「何時の間に持っていた……
言い終わると俺は気絶をした。
「そこはクチナ母さまではなく、私と!!」
「貴方が……
アーシーリヴァが、母さんが転生したオタクロボットを
クチナ母さまと言うので、アルテイラは母さんと精神が
体が適合する者であり、アーシーリヴァが転生した女性が
俺の婚約者であることに気が付いてアルテイラが言うと、
「黙っていてくださいね」
ニコッと笑って行った後に俺をスタンド椅子に座らしてから
アーシーリヴァは自分の太腿にローブの上だが俺の頭を置いて
格闘台が再々設置されて予選5組目が格闘台に上がって
準備運動などをしているのを見始めた時に
俺は気が付いて、何?
アーシーリヴァが俺に膝枕をしていることに驚くが、
「この組が終わるまで……
頬を染めて言うので頷くと、
こんな所でイチャイチャしてと言う周りの視線が痛いが
俺は母さんだけが好きなんだと心の中で反論すると
アーシーリヴァに軽く頭を叩かれて、
「恋人じゃ……
アーシーリヴァに文句を言うと、
「蚊が居たので……
その言葉に俺とアーシーリヴァは笑っていた。
アルテイラは呆れながら格闘台の方を見ていた。
いよいよ魔族たちが待ち望んでいた
ファインダーロペス・フォウ・ダ・ラッタクリームが
登場する。コロッセオの観客席からの声援が大きい。
俺は黙って旦那であるファインダーロペスを見ている。
魔王に劣らない角を頭から生やしている
精悍な顔、鍛えられた体をタンクトップで
少しだけ隠しているがウットリと見惚れてしまう。
俺はファインダーロペスに抱かれたのを
思い出すと体が熱くなる。
「ダーリン! ようやくじゃ!!」
キューイルが兄のファインダーロペスが
シャドーボクシングをしているのを見ながら言うので、
「長く待ったけど、すぐ終わる……
戴冠式が終わってから1時間も経っていないが、
俺たちが会場入りからだと5時間は経っているので
キューイルの気持ちも分かるが、其の間、
特別室を与えられて何をやっていたんだろうか……
フローベールが一角馬に変身しているので
アルケミストはフローベールの体に身を置きながら、
「病院の待ち時間のような言い方ですね」
俺の横で言うので、
「そうかな……
「フフッ……
俺の頬にキスをするアルケミストに
「ぼくぅも!
「愛人1号の僕が!!」
バーブルが、ミルティーがアルケミストを除けて
俺に体を寄せて、2人のキスの嵐が襲い掛かるので
やめろと命令魔法を告げても
「「 愛の前に効かない!! 」」
「誰かぁああ!! 助けてぇぇえええ!!!」
俺の旦那様、奥様達は笑って見ているだけであった。
アルケミストは頬を膨らませた後に、
2人と同じように攻めてきた。
元エルダンスの婚約者であるので、エルダンスに目で
助けてと向けるけど、ワインを飲みながらフィールドの方を
見ていて、キューイルは何処で参戦しようが
タイミングを計ってるようで、
俺の奴隷魔法って最強なのって思う今日この頃です。
そんな俺たちを尻目に、格闘台ではスオウによって
開始が言わされて、
ファインダーロペスが腕に炎を纏って相手を格闘台外に
飛ばしながら相手の数を減らして行く。
ファインダーロペスは、天理の姉のナンシーリエットが
29か国対ミューブル王国の戦いで、
亡くなった29か国の人たちを転生エリアへ御招待という
極楽温泉ツアーを催した為に借金が出来たので、その返済の為に
あらゆる世界から来た依頼をこなしているために不在である。
ナンシーリエットさんの代わりに、
セント・ギア【ドラゴンシリーズ】の
グリーン・ドラゴン【ナツメ】から
ボルテック・マグナムを伝授された。
そして頃合いと見て、ファインダーロペスは
右拳に炎を集中させて
ファイヤー・ボルテック・マグナムを放ち、
格闘台に居る者を吹き飛ばした。
吹き飛ばされた者たちは炎に包まれて
言い残すことなく灰となって昇天した。
恐怖した者たちは格闘台から降りて棄権をした。
予選5組目はファインダーロペスが勝利をした。
その雄姿に、
次期魔王は、ファインダーロペスだと確信した者が多かった。
予選2組、4組と同じように6組は全員が棄権した。
残りの7組、8組、9組、10組が行われた。
本選までのトイレタイムという感じで人の動きが大きく、
勝者の名を知るものは殆どいなかった。
時間節約のために天理が奴隷魔法で操ったりしていたのは
内緒である。そして、10組目のアーシーリヴァこと
杉原夏美の双子の兄は、天理に鍛えられた剣を振るい、
アーシーリヴァの魔素を双子ゆえに共通し、
身体強化をアーシーリヴァが唱えると
召喚者、魔族以外では有り得ないレベル80となり
予選10組を圧倒したが見ている者は殆どいなかった。
懸けの対象にも入っていない。
だが、
天理たちは最後に勝つ者を知っているので賭けている。
全ての予選が終わり、
俺は服を着て特別室の椅子に腰かける。
本選の第1試合は
俺の旦那の1人であるファインダーロペスと
獣族最強騎士のダルザニアとの戦いである。
本来は6試合目に行われるが、予選2組、4組、6組の
参加者が全員棄権ということで、予定を変えて
第1試合目となった。
格闘台に2人が睨み合いながら上がり、
スオウの開始の合図を待つ。
2人の闘気にコロッセオは静寂に包まれる。
スオウは2人を見ている。
睨み合いが続く間に
両者の闘気が最高潮になり
スオウは開始の合図を送ると、
「「 神よ! 我に神の力を与えたまえ!!!! 」」
黒き翼、白き翼の天使が出現した。
私にも天使化のスキルはある!!
そうですわね
兄上に負けません!!
私たちと戦うと……
勝つに決まってるでしょう!! ワハハハ!!!
それではやりましょう!!
本気で行くぜ!!
え、え、全員、なれるの……
エルタンス様! 天使化した同士で……
あの、1対4は……
1対1とは言ってないぜ!!
何分持ちますか?
私も武闘大会に出ればよかったぁああああ!!!!
次回
第120話 出来レース……
主人公が勝つのは普通だよな
転生して魔物から魔王になって最強になって終わるのも
主人公機のみが最強ってのも
途中で主人公機が変わるのもあるな
メロンが好きだけど……
明美の影響が……
クチナの影響!
母さんが好きなのは男の娘!
そうか?
進次郎もされていただろう
見て見たかったなぁ
見せないからな! 他は?
主人公は絶対死なない!
後付けだよなぁ、この前、アキナさんと見てて……
魔法が使えて、死んでも蘇生できる設定なら
チート設定だな
俺たちは?
負けるのが多いけど……
愛する人に勝つわけには……
そうだな
沙良に勝てば、俺の!!!!
無理だって!
勝っても渡さない!!
ナルエと交換でも……
後ろで女性陣が居るのに!!! 逃げろ!!!!!




