114話 相手は俺ではない……
魔王の屋敷へと続く坂道の途中が馬車などの駐車場兼広場に
なっている場所に、ファインダーロペス、エルタンスの婚約者たちが
光悦が操る馬車をじっと見ている。
婚約者たちの近場に止まった馬車に、ファインダーロペスの執事の
エルガードが近づいて行き、御者席に座る明美を見ながら、
「ようこそ! 魔王陛下の別荘へ……
決まり文句を言ったエルガードの態度は明美に対して威圧的であり
エルタンスの婚約者たち、護衛として来た私設騎士団の者たちは
宿の雇われた物が御者席に座っていると思ったのだろうが、
「神アケミさま、その使徒の天の勇者【コウエツ】さま、
神の血を引くアレタさま、お待ちしておりました」
丁寧な御辞儀を言い終わった後にして、数歩下がり、
跪いて、顔を地面へ向けている。そして、ファインダーロペスの
婚約者、護衛で来ていた私設騎士団の者たちも同じようにする光景に、
戸惑うエルタンスの婚約者たちから、
「虫けらな人族に!!」
騎士が声を上げるのをエルガードが、
「どの口が言うか!! 神への冒涜だぞ!!」
立ち上がり、騎士に向けて全身にオーラを放ちながら
右拳で殴ろうとした瞬間に、
「待ちなさい!!」
明美から待ったがかかり、その場で拳を納めた
エルガードが、
「アケミさま! なぜ!?」
御者席から降りてから、
「今は宿で雇われた御者よ! 設定だから……
クスッと笑う明美に、
「分かりましたが、此の地は、人族、獣族、魔族が住む地です。
今度、同じようなこと言いましたら……
明美に眼光鋭く見るエルガードに、
「婚約者の父親のように、モルモーラに頼みなさい!」
その言葉を聞いて、婚約者、私設騎士団の者たちは、
婚約者の父親の死んだ理由が、神に暴言を吐いた為に
亡くなったことを悟った。
涙を流す者も中には居た。
俺は馬車の中で、何時になったら出れるのかと、
「俺たち此のまま?」
窓から明美たちのやり取りを覗いているが、出るタイミングを失い
ナルエ、エリエーラに苦笑いして言うと、
「だったら……
ナルエがエリエーラを見ながら、
「此処で、旦那様と……
外からカーテン閉めればとは行かないぞ! 声とか漏れるし、
防音対策はしていない。竜巳がキューイルとしていた時は、
セーイラさんが魔法でしてくれていたが、今は居ないので、
明美に頼むしかないが、明美は覗きたいからしてくれないだろう。
なので、おいおいと思っていると、
「そう言うことは、結婚式をした後で……
さっき、暴走したのは誰だと思いながら、
「18まで結婚式は挙げないから」
「そうなんですか? 旦那様は何歳で?」
挙げないと言ったので驚きながら聞くエリエーラに、
「今は15、今年の8月で16だよ」
「後2年も、体の疼きをどうしましょう」
困って言うエリエーラに、
「私たちはしてるわ! 式は挙げてないけど」
ナルエが言うので、「それは知ってます、けど、その……
モジモジするエリエーラに、
「さっき、眷属になっただろ。式は全員でするか、
個別でするかで考えないといけないから、
式は後で……
俺が言うと、
「そうですね、初めてですので……
頬を染めて言うエリエーラから、外を見ると、
「こんな大勢の所で、露出プレイ!!」
イモリの串焼きを買って食べていたムラサキが覗いていて、
「扉を開けてくれ!!」
出れるタイミングだなと思ったので、俺が言うと、
「会場に居る皆様! 注目!!」
ムラサキが大声で言うので、全員が馬車に注目した中で、
「あ、すっかり忘れてた」
白々しく言う明美から、
「神が御者をすると言うことは……
エリタンスの婚約者の1人が馬車の中の俺たちを見ながら言うと、
「今から3Pプレイを!!」
変なことを言うムラサキに、馬車の扉を勢いよく開けて、
殴って変形しても、瞬時に治るギャグ・ハンマーを
ムラサキの頭にぶつけて、倒れたムラサキに何度も
ハンマーを叩きながら、
「見世物じゃない!」
「さっきしようと……
俺たちのやり取りを見ていた光悦が馬車の方に歩き出して、
ナルエ、エリエーラをエスコートして馬車から降ろしてから、
「時と場所を選ばない男より、私と部屋で……
ナルエを口説く光悦へ
「あっ! おじさんがナルエお姉さまに!!」
アレタが叫び、「おじさんじゃない! お兄さんだ!!」
光悦が叫ぶので、
「俺のナルエに、手を出すな!!」
俺はムラサキから離れて、ハンマーを捨てて、鞘から剣を抜いて、
光悦に襲いかかると、光悦もフェニックスの剣で対応して、
「子供ですね……
「僕も行く!!」
ムラサキが呆れた感じで言い、アレタは参戦したいと言うが、
「20は上げてから」
明美が言うと、むうぅと頬を膨らまして、
アレタは俺と光悦の戦いを見ている。
「サラだけで良いんだろ!!」
「沙良も受け入れるんだから……
「そんなにハーレムが良いのか!!?」
「成り行きだ!!」
エスカレートする俺と光悦の戦いを見ている者たちの中から、
「そろそろ時間ですので……
エルガードが告げるので、俺たちは戦いを止めて、
「沙良を、お前から奪うからな!」
「サラはアケミだろ! アケミに言え!!」
俺たちはフッと笑っていると、
「いつものスキンシップも終わったから、つかさ! 自己紹介!!」
明美が言うので、鞘に剣を納めて、ナルエたちの真ん中に立ってから、
「ファインダーロペス、エルタンスの義理の弟になる、
ミューブル王国の上王、つかさだ!」
婚約者、私設騎士団の者たちは驚く中で、
「俺の右手にいる女性は、魔族の大陸を統一した
ラッタクリーム王国の王の娘で、第5王女
ナルエ・ファイブ・ツ・ラッタクリーム」
ナルエが礼をするが、隠し子がいるなど聞いたことが無かったので、
戸惑いの声が、婚約者、私設騎士団の者たちから漏れている。
「俺の左手にいる女性は、先程、俺の妻の1人になった、
エリエーラ!!」
一礼をしたエリエーラが、
「ファインダーロペス殿下の婚約者でしたが、
神アケミさまの眷属であります旦那様に
嫁いだ、エリエーラです」
エリエーラを凝視する婚約者たちから、
先程、発言していたエリタンスの婚約者の1人が、
「魔族の誇りは? 神の眷属とは言え、人族です!!」
どうやら、俺の妻にはなる気は無いようだ。
俺が転生しない為に、転生した未来で、俺と出会って妻になる
予定の女性たちが、このチャンスを逃さないために、
さらに、ソラスの後押し、明美がいるので、何とかなると思い立って、
俺と一緒にと押し寄せて来た考えで間違いが無いなと思いながら、
エリエーラを優しい目で、見守る目で見ていると、
俺に顔を向けて、エリエーラが少し微笑んでから、
「ありませんわ! 愛した方が、人族でしただけですわ」
「貴方は其れでも、親族は?」
ファインダーロペスの婚約者の1人が言うので、
「私を可愛がってくれましたから……
俺をチラッと見て来るので、
「最悪の場合は、ミューブル王国で面倒を見るよ」
「と言うことです。フフッ、旦那様……
俺を見た後に、明美、光悦、ムラサキを見渡してから、
「魔王陛下が亡くなりましたら、私の国を、王を倒して、王に」
その言葉に、婚約者、私設騎士団の者たちが動揺した後に、
「王スキルとか持ってないのに……
頭を掻きながら、
「フェイスやエルが良いと言うなら……
「お願いしますね」
言質取ったわと笑みを見せるエリエーラに、
「まずは、断りだろ、俺も行こう」
ナルエに念話で実況ブースには行かないことを告げて、
「今から兄貴たちの婚約者たちと一緒に会いに行くが、
私設騎士団の者は、彼方にある休憩所で寛いでくれ!」
厩舎の横にある立派な建物があるのを確認した
私設騎士団の者たちに
「それでは、自動販売機もありますから、飲みながら
会合が終わるまで待ちましょう」
エルガードが告げるので、馬車を移動させるために馬車に向かう者
自動販売機という謎の言葉に戸惑う者、俺の剣や光悦の剣を見せて
ほしいと言う者で騒めく中で、
「僕は、お汁粉が好き!!」
アレタが言うので、「飲み過ぎで虫歯になるぞ!」
「虫歯って?」
「歯がボロボロになること」
「折れても、暫くしたら生えて来るよ!」
サメの歯のような感じかと思いながら、
「生え変わりが無いから、差し歯にしたり、詰め物を入れたり……
「詰め物? 見せて!!」
俺に顔を寄せて言うので、困ったなぁと思いながら、
「俺もな、アレタと一緒で、眷属になった時から生え変わるから……
人間から、不老不死の下級神になったので、歯は折れても虫歯になっても
自分の意志で新しい歯が生やすことが出来るが、元の大きさになるまでに
1週間はかかるので、その間は、かみ合わせが悪かったりする為に、
回復系を持つ者か、神界の歯医者に行って、歯を再生してもらう。
神界には、歯を強化、虫歯治療などの歯磨き粉が売っているので、
歯が欠けたり、歯が折れたり、歯が割れたりしても1日で治るが、
滅茶苦茶高いのが欠点であるので、魔法で治してもらう方が早い。
「お兄ちゃん、僕と一緒なの?」
「勇者で来てる者たちで、詰め物ある奴いるから、
見せてもらうか?」
アレタに言うと、
「うん! お兄ちゃんの詰め物みたいから、こんど虫歯になって!!」
注文されてもなぁ、歯医者は嫌だ! 眷属になって嬉しかった内の1つで、
定期検診には行っているが、「来なくっても……
「詰め物が変わるか…… 「その子を内の、内緒で……
等と言われて、最近は削ったり、銀歯いれたりしていないので、
「世界で1番怖い所だから……
アレタは目を光らして、「見たい! 見たい!!」
興味を持ってしまったので、
「おおい、光悦君! 元の世界に帰ったら歯医者に行かない?」
休憩所に向かい出す直前の光悦に振ると、
「幼稚園の時から行ったことが無い!」
「嘘だろ!!?」
「兄貴や姉貴は行ってるみたいだけど……
「光ちゃんには歯磨き粉あげたでしょ!」
光悦の発言に明美が言うので、そうか、神界の歯磨き粉を
明美が渡していたかと、
「ナルエは?」
「家族共々、お医者には行かないから……
そうか、駄目神の娘で、病気対策はしているかと思っていると、
アレタが俺を期待に満ちた目を向けて来るので、
「眷属の力をセーブするアイテム使えば虫歯になると思うから、
アレタもなって、一緒に詰め物入れようね」
涙目になっている俺に、元気よく「なって! 医者に行こう!!」
アレタが言うので、ナルエたちは笑っていて、
「……そうだね」
行きたくねぇ! 帰るのは来年だから、アレタが忘れてくれることを
期待しながら、アレタをナルエに託して、エリエーラたちの方に向かった。
屋敷へと続く階段に来ると、エリエーラと
ファインダーロペス、エルタンスの婚約者たちが、階段を眺めながら
立っているので、
「どうした?」
「あなた! 階段で……
エリエーラが、スカートを手で掴んでから少し上げて、
ハイヒールを履いた足を見せるので、階段から踏み外すと危ないから
どうしようかと考えていたのかと思って、エリエーラに近づいて、
俺は腰を落として、エリエーラの背中とスカートの上から太腿を
手で持ち上げるように立ち上がり、俗に言う御姫様抱っこをして、
「嬉しいです」
小声で言うエリエーラに笑みを見せて、階段を上ろうとすると、
「私たちを置いていくんですか?」
エルタンスの婚約者の1人が言うので、
「靴脱いで、上がれば……
行こうとすると、俺の前に立ちふさがって、
「貴方は、馬鹿ロペスの婚約者を抱きしめて屋敷に行きます」
バカと言われたファインダーロペスに変わり、
「なぜ? ロペス様をバカと言いますか!!」
婚約者の1人が言うので、
「婚約者を奪われて、何もしないからです!」
エルタンスの婚約者の1人が言うので、
「それは、今から御会いして、聞くつもりです」
「何を聞くの?」
「この方が、どれ程凄いのかを……
俺の方をチラッと見るファインダーロペスの婚約者に、
「フェイスの方が強いよ、行こうか!」
「はい、あなた!」
俺はエリエーラに告げると、エリエーラが答えたので、
階段を上ろうとすると、
「待ちなさい! 私たちを置いて、どうするんですか!?」
「靴脱いで行けばいいだろ!」
先程から喋っているエルタンスの婚約者に言って、
100段以上はある階段を見ながら、足を一歩目を出すと、
「私たちも、貴方が抱いている馬鹿ロペスの
婚約者のように運びなさい!!」
エッとなりながら、
「何の権限で?」
俺が言うと、
「貴方は、先程、魔族の大陸の次期王に相応しいエルタンス様の
弟と言いました……
確かに言った。
「エルタンス様と結婚をしまして、貴方の姉になります……
確かにそうだが、
「弟が姉の言うことを何でも聞くのが普通です……
居るかも知れないが、聞いたことないぞと怒りマークを
額に浮かべながら、
「早く上って、私を運びなさい! 弟君!!」
を聞いて、高慢な態度のエルタンスの婚約者に腹が立つが、
開始の時間が1時間も遅れているので、
「分かったよ!」
階段をジャンプしながら数段抜かして、屋敷の門の前に降り立ち、
屋敷と門の間の通路に、エルタンスの執事のロイマーが、
メイドと共に通路の両脇に立っているのを確認して、
ロイマー達に見えないように背を向けて、俺が抱いていた
エリエーラを足から地面に降ろしてから、立ち上がると
エリエーラは離れたくないと言う感じで俺に抱き着いて来て、
潤ましている目を向けるので、下からは見えないな!
ロイマーの方にチラッと少し腰を回して、明後日の方向を
見ていろと無言の圧力を掛けると、ロイマー達は空を見上げていたり
しているので、俺はエリエーラと熱いキスをしてから、
「直ぐ戻って来る!」
「待ってますわ……
軽くキスを交わして、待っているファインダーロペスの婚約者、
エルタンスの婚約者たちが居る所へ飛び降りて、
「最初は!?」
「私ですわ、尻など触らないでくださいね」
しおらしく言う傲慢なエルタンスの婚約者の腰から
左腕で持って、
「あの、これは、お姫様……
何が、姉の言うことを聞けだと、お前なんか荷物扱いだと
階段も数段飛びじゃ面倒だから、全段飛び越えて、
エリエーラの所に降り立ち、
「おい! 受け取れ!!」
放り出すようにロイマーに投げて、
「気絶をしている……
受け取ったロイマーは、メイドに支えながら言うので、
「俺を奴隷のように使おうとした罰さ!!」
「そうですね、相手を見て言わないと」
俺を見ながら、困った人ですねと言う感じで言うので、
「エルには、お似合いだけどな」
「タツミさまに合うかなと思いますけど……
飛び降りようと思ったが、竜巳と聞いて振り返り、
「竜巳に?」
「何となくですけど……
憶測ですので気にしないでという感じで言うので、
その場から俺は飛び降りて、傲慢な婚約者と同じようにして……
気絶から目を覚ました婚約者たちは、メイドに支えながら、
俺はエリエーラと腕を組んで、屋敷の中に入って行った。
私は耳にイヤホンを取り付けて、マイクに向かい、
「エルタンス、ファインダーロペスと婚約者たちの
血と血で争う、泥沼の公開処刑が間もなく開始されます!!」
「只の話し合いだろ?」
「いいえ違います! 振られて、私と一緒にと言う婚約者もいるでしょう!!
その為のナイフなども、会場には用意させてもらっています!!」
「おぉい! 片付けろ! ルービュークス!!」
光悦が叫ぶので、会場に現れたサキュパスのルービュークスが
私と一緒に机の下に隠していたナイフを取り出して、皮袋に回収している
様子をモニターで見ながら、
「美里の眷属が、光ちゃんの命令を聞くなど……
「お前の未来の旦那! ミサトの旦那でもある俺の命令は、
ルービュークスにとって、ミサトと同様に仕える者と言う
認識なんだろう!!」
解説する光悦に、
「光悦さんは、私とは……
ナルエが聞くので、慌てて、
「ルービュークスにとっての未来で!! 俺の未来は
ナルエと一緒の素晴らしい家庭しか見えない!!」
叫んで言う光悦に、
「光ちゃん! 未来の私が置いていった物……
光悦に写真を見せると、アレタが何って、お汁粉を飲みながら
覗いている中で、
「お前、13だろ! 20歳からだ!」
私の手から素早く写真を取る光悦に
「何が写ってるの?」
「子供は見る者ではない! 20になってから!!」
慌てる光悦の姿を、私、ナルエ、カメラを構えている
ムラサキ、休憩場の建物の1階が大広間になっているので、
モニターを設置して、婚約者たちの私設騎士団の方たちが椅子に
座っている中で、
「僕! 50歳、今年51歳だよ!!」
「見た目、5、6歳だからダメ!」
「ええぇ!!! そんなぁぁあああ!!!」
言いながら、缶に入った御汁粉を飲み込んで、
無くなったのか、実況ブースから出て行って、自動販売機の方に
向かい、自動販売機で同じものを買っている中で、
「見せて!」
ナルエが写真を見ると、俺と明美を睨んで、
「未来で、私と光悦が!!?」
ベットの上で私がね、ええっと、どう言おうかなと思っていると、
「合成だ! まったく、明美の体だろ!」
「何でわかるの?」
引き気味に光悦を見るナルエから私が写真を奪ってから、
「これを、つかさに見せて、離婚を迫る手っと書いてあるが……
私が持つ写真の裏を見ながら言う光悦が、
「アキナさんの所に繋がる?」
私に聞くので、
「それでは、何でも屋の食堂に居る、アキナお義姉さま!!」
私設騎士団の方たちが見ているモニターの中の私たちのブースから、
何でも屋の食堂の映像に変わり、テーブル椅子には、元勇者たちの方たちが
座っていて、コーヒーなどを飲みながら居る光景から、
『はい! まさか、写真の件で来るとは思わなかったわ」
少し驚いているアキナお義姉さまの発言で、
食堂は騒がしくなっている。
「アキナさん! 俺が何故すぐに明美と分かったかを……
『私が説明するの? 光悦君?』
「俺から説明するより、アキナさんからの方が誤解が無いので……
『それじゃ、今度、体洗ってくれる?』
可愛く言うが、食堂では、光悦に体をと驚き、アキナお義姉さまに
圭一たちが詰め寄ろうとすると、クチナと輝太に邪魔されて、
渋々、圭一たちは席に戻っている。
アキナお義姉さまの護衛に輝太たちを就かしているのは、
何でも屋でアーシーリヴァとデートをさせる為である。
アーシーリヴァの御兄さんは、おじさまと稽古中である。
『光悦君は、私の義理の弟になるでしょ!』
「そうですね、未来では……
アキナお義姉さまが言うので、私が言うと、
「俺の未来ではないけどな……
光悦が言うのは無視して、
『朝は、光悦君と一緒に食事をしてるから良いんだけど、
夜ね、1人で大浴場で入ってると寂しいの……
「借金返済の為に、アキナお義姉さま1人で
此の世界に居ますから、その気持ち分かります」
「ツカサを囲んで皆でワイワイしているのが、私だけ残ったら……
私がアキナお義姉さまの言葉に賛同した言葉を
話すと、ナルエも話して、
「それで、明美が来たから、一緒に!
だけど、隅っこに入って、湯気で見てないからな!!」
光悦がアキナお義姉さまの願いの為に風呂に入っていたことを
告げるけど、
「でも、なんで分かるの?」
ナルエが光悦に聞くので、
「此奴が19歳になった姿を見せるから! 胸を押し付けたり……
私を見ながら言うのを聞いて、
『婚約者同士なんだから、もっと見ないとね! ナルエちゃん!!』
急に言われて、
「そ、そうですね、父が、ええっと、言えません!!」
冷や汗を掻きながらナルエが言うと、
「僕、まだ見せてない!! 乳首とか……
アレタが、つかさに裸を見せてないと言う感じで言うので、
「見せる必要はない! もし外で見せたら、警察に捕まるぞ!!」
「そうなの?」
「ツカサが強制したと思われて独房行きだ!
20歳になって、家の中で合意の下で……
光悦が力説するが、
「僕、50歳!」
「見た目が5、6歳だからダメだ!!
「ええぇぇ!!! そんなぁぁあああ!!!」
涙目になったアレタは、また自動販売機の方に向かい、
このやり取りを聞いていた私設騎士団の方たちは、赤面しながら
床を眺めて、じっと何かに耐えていた。
『なぜ、ツカサ君は居ないのか……
何でも屋に居る圭一が、アキナお義姉さまのマイクを奪って
聞いてくるので、
「このブースには、私とナルエと光ちゃんと自動販売機に行った
アレタの4人? あれ? あれれ、居ないね?」
『どうしてですか? アケミさま』
ムラサキがカメラを向けるので、Vサインを
手で作って見せている私に、
『サインは良いです! 如何して……
圭一の言葉を遮って、
「まだ、会場には入って来ていません、時間も刻一刻と流れて
いますが……
モニターの隅に圭一の顔が追いやられて、会場の画面が大きくなり
圭一は答えろよ! と喚いているが、
「お姫様ロードで、ハイヒールを履いてるからって……
ナルエが言い出したので、
「元々、屋敷まで馬車が行けたんですが、あえて階段にしまして、
男性が、女性を御姫様抱っこして行くという行為をしたいと
言うことで、2週間前に私が作りました」
「毎回、つかさに……
頬を染めるナルエの映像がモニターに映り、
『そんなことさせるかぁ!!! 我がする!!』
突然に入って来た担任の声で、魔王は居るラッタクリーム王国の
ガーランド王宮の魔王の私室が映し出されて、
『いい加減、認めたらどうですか?』
イサベラーサが微笑みながら言うので、
『誰が! 愛する娘をチャラ男になどにやれるかぁああああ!!!』
「竜巳は良いの?」
私の問いに、担任はソファーに座ってから、
『我にとって、可愛い娘が出来たようで……
立派な角が生えている顔が、ダメ親父の顔のようで、
竜巳に息子以外の男が出来たら怒るんだろうなと
思いながら、
「私は、可愛くないの?」
ナルエが聞くので、
『目に入れても良いくらい、超、超かわいいぞ!!』
魔王の威厳もない、私設騎士団の方たちに見せるには
不味いデレデレの顔を見せている中で、
「キモイ!!」
ナルエの一言で、担任は撃墜されて、
ソファーからズレ落ちて気絶している。
「あ、メイド姿のルービュークスが入って来ました!
そして、婚約者が、ああああ!!!!」
私が叫んで言うと、
「白々しく言うな!」
光悦が言うのを無視して、
「婚約者5人が落ち込んでいますね……
「理由は、今から……
光悦が言うと、
つかさとエリエーラが腕を組んで入って来て、
『またか!! ゲェ!!!』
担任の声だけがモニターには入って来たが、
会場のソファーに婚約者は腰を下ろすが、つかさを凝視している。
「光ちゃんは、耐えられる?」
「アケミが6人じゃなければ……
「それじゃ、分身で……
嫌な顔をして、
「やめて」
ナルエやアレタは笑っているが、私設騎士団の者たちは
何が恐ろしいんだと思っているようなので、
後から修業と称して虐めてあげようと、フフッと
口を吊り上げていると、
『だったら、俺が耐えれば、復活を!!!』
卓の音声が入って来て、
『ロジャーよ、どうだ?』
スタンテッド王国の王様が、スタンテッド王国の最強騎士に聞くと、
『神のプレッシャーにですか?』
モニターにはロジャーが映っていて、嫌そうな顔をしている。
『ある程度、耐えれば、望みは何がほしい?』
スタンテッド王国の王様が言うので、
『武器です! セント・ギアを!!』
それって、スタンテッド王国の物ではない。
私の私物を勝手に望みで言わないでほしいと思っていると、
『神アケミ! 頼めるか?』
おっさん! 何を言っていると、
「魔王が亡くなった後に、回収しますから、他で!!」
亡くなると聞いて、私設騎士団の者たちが騒めく中で、
「ロックから、その後も継続して貸してほしいと……
光悦が言うので、黙っていればいいのにと思いながら、
「此の世界に合う機体は用意するけど……
『ロジャーよ! 聞いたな!!』
嬉しい声で言うスタンテッド王国の王様に代わって、
『どれくらい耐えれば、我々に!!?』
「ロックが融合したスオウに、3分耐えれば……
『1人で?』
「10人で良いわよ」
私の発言に、スタンテッド王国の王様の護衛で来ていた騎士たちから
歓声が上がり、私設騎士団の者たちは、セント・ギアって、
カメラを構えているムラサキを見ながら、こんなの貰って嬉しい叫びを
するのかと、人族は魔族の足元にも及ばないし、つかさは規格外だからと
改めて納得しながら、会場の7人の姿をモニターは映していて……
気まずい雰囲気の中で、メイド姿のルービュークスが蜂蜜酒の入った
グラスを、テーブルの上に置いた竹のコースターの上に置きながら、
淡々と仕事をこなすルービュークスの姿に、
エルタンスの婚約者の1人、ダークエルフが、
「あの、ルービュークス隊長でしょうか?」
その言葉に答えずに去ろうとするルービュークスに、
ダークエルフはソファーから立ち上がり、
「隊長! 生きていたなら、生きていたと!!!」
涙を流しながら叫ぶので、他の婚約者が驚く中で、
「似てる人なのか?」
俺がダークエルフに聞くと、
「はい! 間違いなく、昔より若くなっていてズルいです!!」
若くなったことに驚いてるのと思いながら呆気に囚われていると、
クスクス笑うルービュークスがダークエルフの方に振り向き、
「生きていたことより、そっちなの?」
「そうですよ! エルタンスさまのお母さまと同年齢で!……
ナーナナたちの母親を思い浮かべながら聞いていて、
「サキュパスでも300歳前半でしたのに……
熟女好きなら在りだなと思って聞いていると、
「私より若いって在り得ます!!?」
エルフは、此の世界では1000年生きる種族で、老化は
人族の年齢で言えば25歳くらいで止まり、その後は死ぬまで
変わらない。
「貴方を隊から除名したのは、20年前よ!
隊長と言うのも可笑し、若返った理由を
言うことも無いわ」
ルービュークスが、ダークエルフの問いに真面に答えずに
会場を去ったので、
「死んだと聞いて……
会場の扉の方に行こうとするダークエルフに、
「落ち着きなさい! スピーディア!!」
「アルケミスト! 私の憧れが!!」
魔族(人族)に、ルービュークスを追ったらいけないのかと
辛い顔を向けるので、
「今日で、お別れじゃないだろ?」
俺がダークエルフに言うと、
「人族! 知っているなら教えて、く、ください!!」
聞きたくない相手に聞こうとエルタンスの婚約者の1人、
オーガの横に座り、俺を睨んでいる。美人の顔が台無しである。
俺は、蜂蜜酒が入ったグラスに、紙のストローが2本入れてあるので、
片方のストローを、もう片方のストローをエリエーラが使い、
仲良く飲んでいると、
「知っているなら……
ダークエルフが俺たちの光景を睨みながら聞いてくるので、
ストローから口を離して、エリエーラが嫌そうな顔をするので、
頬にキスをした後に、
「聞いた後、どうする?」
「私とエルタンス様の執事に……
「無理だな、今は俺の仲間の眷属さ!」
俺の言葉に、ファインダーロペスの婚約者の1人、魔族(人族)が
「眷属? 人族に寝返ったのですか?」
「親父も知っている! 身も心も全て捧げた相手さ!」
俺が言うのを聞いて、
「私もそうですね、あなた」
エリエーラがピンク色のオーラを纏った感じで言うので、
「そうだな……
キスをする俺たちに、赤面する婚約者たちから、
「魔王陛下を親父と呼ぶのは?」
ファインダーロペスの婚約者の1人、ウルフが耳を後ろに倒して
牙を出して聞いてくるので、
「さっきも言ったろ! 第5王女のナルエの婿だから」
「そうだったな、ロペスさまに先に合わなければ!!!」
言い終わった後に、歯をギリギリと音を出して動かしている。
「ナルエとは聖女で、次期法皇が魔王陛下の娘と
人族は知っているのですか?」
エルタンスの婚約者の1人、魔族(人族)が俺に問うので、
「死んだことになっている。ルービュークスのように」
「生きてるのに……
「生きて、ミューブル王国に寝返るより良いだろ!」
「勇者が死んだことも……
「そう言うことだ!」
俺は廊下には居るのに、会場に入らないファインダーロペスたちを
感じながら、
「1年半を此処で優雅に過ごしてもらいながら、レベルを上げて、
親父との最終決戦をする」
最終決戦と聞いて、エリエーラも真剣に俺を見ている中で、
「勝つのは?」
ファインダーロペスの婚約者の1人、魔族(人族)が目を細めて
聞くので、可愛いのに眉間に皺を寄せて聞くなと思いながら、
「俺はゲームには出ない! 出れないルールだから、
天の勇者たちがする」
俺が出れないことに安堵する婚約者たちから、
「魔王陛下が勝つ可能性も?」
エルタンスの婚約者の1人、オーガが聞くので、
「あるな、まぁ親父は転生したいから、ワザと負けるかも……
「どうして……
俺を上目遣いで見るエリエーラに、
「寿命もある、それに、ナルエが産まれなくなるだろ」
「あなたに会うことも?」
俺の胸を右手の人差し指で撫でるように動かしながら聞くので、
「……かもな」
「魔王陛下が亡くなった後は?」
エルタンスの婚約者の1人、魔族が質問するので、
「召喚された俺たちは元の世界へ、エリエーラともお別れだ!」
「嘘でしょ!」
「どうしてだ?」
「貴方の恋人が悲しんでいないから」
エリエーラが、嬉しそうな顔をしてるので、
「悲しめよ!」
「だって、何時でも此処へ戻って来て、ミューブル王国を
スタンテッド王国を、私の生まれた国を……
「嘘だと思わないのか?」
「私は、ナルエと一緒で、貴方の眷属ですよ!
神アケミさまが、何時でも行き来できるように……
此処まで関わった以上、此の世界も沙良が居る世界と同じように
俺たちの世界、神界、沙良の世界、此の世界の時間軸を同じにして、
神界の明美の家から行き来することになるだろう。
沙良の世界には、沙良の国の冒険者として遊びには行くが、
沙良の都合もあるので、月に1、2回くらいの頻度である。
その度に振られているが、沙良の元気な顔を見るだけで嬉しい。
「たしかに、けど、エリエーラ、妹のことで相談しないとな……
扉の方に振り向いて、
「いい加減! 入って来いよ!!」
俺が叫ぶと、扉が開かれて、
婚約者たちの相手が入って来たのを見ながら、
なぜ、俺がお前らの婚約者と話をしないといけないのかと
ブスッとしながら、その婚約者たちの相手である
ファインダーロペスとエルナンスを迎えた。
盛り上がってますね
ツカサとな
入るタイミングが
このままタツミの所に
着替えてますよ
だから
父上が婚約破棄は……
次回
第115話 恋は突然に……
零! お前が好きだ!!
ツカサが好き!
100人も居て……
居ても良いの
現実を!!
他に女作れば!!
俺にとっては零だけだ!!
私なんて、オタクなのに
それは此の世界に来て知った……問題ない!!
クチナみたいに浪費家だよ
だ、大丈夫だ……
ツカサの通帳、見たことある?
無いけど
貯金額以上なら……
ど、どれくらい
国の予算以上かな
ははは、俺の愛は其れ以上さ!!
買い物も出来ない愛は要らないわ、じゃあね……
俺だって眷属になれば、つかさ以上に!!!!




