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旧アケミと共に異世界アドベンチャー……  作者: ウッドスチール
第3章 人と人の繋がりを……

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102話 好きな女性がいるって言うのに……

 日が昇り、俺は王都内に在る何でも屋の食堂で朝食を取っている。

  「光悦君は、今日も見回り?」

カウンターの向こうで調理をしているアキナさんが聞くので、

 「何時も通りですよ」

コップに入った水を飲みだすと、

   「そうなの? 獣族との謁見には?」

鍋に豆腐の小さく切ったのを入れていくのを見ながら、

 「出ませんよ! 王都内の見回りが任務ですから……

苦笑いしながら話して、コップに入った水を少し飲んでから

コップに入った水を眺めながら、

 「最近は獣族からの密偵も多いから大変ね」

「……そうですね」

  カウンターのテーブルに、御飯、みそ汁、煮魚、つくだ煮などが

アキナさんによって並ばれて、

 「代り映えしませんが……

アキナさんが言うのをフッと笑ってから、

 「いただきます!」

   御飯の入った茶碗から手を付けて行った……


何でも屋は王都の南東の商業エリアにあり、秋人さんと妻6人で経営している。

獣族側には冒険者ギルドがあるが、人族側には存在していないので、

冒険者ギルドのように依頼者から依頼を受けて、何でも屋に登録されている人が

請け負って解決する。

 登録されているメンバーは、秋人さんたちを含めて9人であり、

宮殿から追い出された失格勇者の3人も数に入っていた。

 この何でも屋が出来たのは3年前であるが、商業ギルドの建物より

広大な土地を得ている。

 俺たち勇者が、人族対魔族、人族の29か国対ミューブル王国後、

死んだと言うことになっているため、何でも屋に身を隠しながら

何でも屋の依頼を受けていた。

 改めて、何でも屋の広大な土地を見ると、ミューブル王が良く許可したなと

思ったら、秋人さんの妻の1人、セーイラさんの奴隷魔法で奴隷にして、

強引に奪ったらしい。

 これを聞いて、ひでぇと思ったが、何でも屋で王都内、近郊の村などの

助けをしたいと思ってのことである。

 ミューブル王国も騎士団、魔導士団があり、同じことをしていたが

秋人さん達には敵わなかった。

 

 「ごちそうさまでした!」

食い終わって言うと、アキナさんは俺と同じ献立を食していたが、

 アキナさんは箸を箸置きに置いて、

  「早いわね。よく噛んだの?」

何時も言われる言葉に、

   「噛みましたよ! アキナさんの料理を堪能しながら……

アキナさんはクスッと笑って、カウンター越しのキッチンに向かい、

コーヒーの準備に入って行く。

 準備している姿は、1国の女王と言うより1流のシェフのようである。

アキナさんは、この世界、俺たちの世界とは別の世界の住人で、

ソリュート王国の第1王女であり婚約者も居たが、宮殿の第3城壁と

建物の間の小さな庭に落ちていた秋人さんを介抱したのがきっかけで、

秋人さんと共に逃亡した。

 アキナさんは、ソリュート王に婚約解消、秋人さんとの結婚を申し込んだが、

何処の馬の骨とも分からない者などと言って、秋人さんは牢屋に入れられて

死刑を待つ身であったが、アキナさんが行動を起こして秋人さんを助けた。

 「大胆ですね……

「未来の旦那様を救うのは妻の務め……

目を輝かしながら言う言葉に、

   「会ったばかりの男に、凄すぎ……

  呆れながら言うと、クスッと笑うアキナさんは、

「光悦君に最初に会っていれば、光悦君と結婚していたかも……

その時の顔はドキッとするくらい可愛くって、冗談でも嬉しかったが、

俺には最愛の片思いの相手ナルエが居るので、

 「さ、最初に会って、会っていれば……

頬を染めて、下を向いて噛みながら言った言葉に、

 「つかさ君に向いてるのに、頑張るわね」

グサッと胸に刺さり……


 「はい、コーヒー……どうしたの?」

「いえ、ちょっと思い出したことで、胸が……

心配そうに見てくれるアキナさんに、

 「アキナさんの淹れたコーヒーを飲めば大丈夫ですよ……」

乾いた笑いをしながら、コーヒーカップを眺めて、

  「秋人さん達、まだ戻ってこないんですか?」

 人族の29か国対ミューブル王国の戦いは、未来の歴史家たちは

卑怯な手で、ミューブル王国が勝利したと言うだろう。

 29か国の総兵は100万を超え、対するミューブル王国は10万も

行かない数であった。

 100万を超える兵が陣取っていた崖の上を崩壊させて全滅させたと

言うのが伝えられた報告で在り、その報告を受けて各国は卑怯な手と言って、

ミューブル王国を更に敵視した。

 だが、実際は卑怯な手より更に上を行った手で勝利した。

それは、神の投入である。

 秋人さん達は神である。その神が友好国として参戦した。

宮殿の中庭に設置された巨大モニターに映し出された光景は、

地獄のようであり、人が紙のように斬られ、魔法により人が瞬時に消えて、

10分もかからずに、29か国の100万を超える兵は死に絶えた。

 「転生エリアで希望を叶える極楽温泉ツアーに参加者が揃ったな」

 秋人さんが言う極楽温泉ツアーは、神界の転生エリアの極楽温泉地で

過去を捨てて、しがらみも捨てて転生しましょうに、記憶はそのまま、

希望の転生を叶える追加オプションのツアーを計画した。

 なぜそうしたかと言うと、圧倒的な恐怖心のまま転生エリアに行っても

長い年月も引きずり、転生しても恐怖が残ると、それで、希望を聞いて

恐怖心を残さずに転生してもらおうと。

 帰らずに逝った息子が違う形で戻って来た親子の感動などがあり、

俺も涙を流した。

 これが将来、ミューブル王国の助けになるかもしれない。

その為に、多額の借金を持った秋人さん達は、返済の為に他の世界を

管理している神からの依頼を受けて旅立った。

 そして、何でも屋の経営の為にアキナさんだけが残った。


 「半分は終わったけど……

「まだまだか……

  アキナさんの悲しい顔を見ながら呟くと、そっと寄って来るので、

   「それじゃ、行きます」

俺はジャケットが掛かっているスタンドに向かい、

 癒してという感じのアキナさんに、

  「謁見の放送は、ここは?」

 獣族との謁見には、セント・ギア【クチナ】の前世の息子である

獣族最強の勇者【テルタ】が出席する。

 輝太とは、ゲームの最中に何度か模擬戦で剣を交えた仲だが、

俺よりレベルが上で、人族、獣族の中で最強の剣士であった。

 更に、クチナの前世の息子であると言う事実も驚愕であった。

  クチナは、俺たちの帰還後に前世が亡くなることは言ったが、

   それ以外は話さなかった。

 クチナは息子LOVEで、一緒に此処まで来たいと駄々をこねていたが、

獣族は人族と魔族に関しての協定をしているとはいえ、ミューブル王国の

秘密兵器の本当の性能が知られることに難色を示したミューブル王によって

却下されたが、べルールが国境からクチナを輝太に同行させた。

 報告では、べルールの兄が乗っていた馬車が崖崩れによって大破した。

そこに、偶然その場にいた輝太たちによって、兄たちの墓を建てていたので

感謝の気持ちで貸したらしい。

 セント・ギア自体は、野球の時に他の世界のロボットと言うことは、

駄目神ことソラスによって暴露されているので問題はないが、

 輝太にとって、クチナが自分の母親の転生と言うことを知って

どんな行動をとるかが問題だが、

 「クチナを恋人って言っていたし、クチナも言わないらしいから……

笑って言うべルールに、

 「恋人?……

   獣族側は人型と言っても俺たちと違うから恋人は出来にくいと思うが、

    ロボットに転ぶなんて、人族側で良かったと思いながら、

 「クチナが裏切る可能性もあるか……

セント・ギア【クチナ】は回復系が得意で、人と融合すれば

戦闘もこなすが治療がメインである。

 クチナはべルールには服従するが、俺たち、ミューブル王には服従する

義務も無いので、べルールが、どのように貸したかを言わないので

ミューブル王は執務室でべルールを尋問したが、つかさを上王にしたため、

べルールもミューブル王より上の位の為に、言う義務はないと一蹴し、

 「宮殿に来たら、クチナの部屋を使う!!」

べルールは言い放ち、執務室を後にしたが、

 ミューブル王は上王にしたことを後悔したが後の祭りであった。

  「コウエツ殿はどう見るか?」

参謀教官のパーセントが聞くので、

 「息子を怪我も無く帰せば問題ないだろう」

「もし怪我をさせれば……

パーセントが言った言葉に、ミューブル王が俺を見るので、

  「べルール、ツカサ、アキトさんには悪いが……

最悪の場合はクチナ、輝太を斬るという目で語り、

 「……その時は頼む」

ミューブル王は軽く御辞儀をして俺に言った。

 そのクチナの息子との謁見が今日行われるが、

俺が朝の6時に、ミューブル王の執務室で昨日の報告をしたが、

俺には謁見に参加せずに、何時も通り王都の見回りをしてくれと言うので、

何故かと聞くと、ロックティラ率いるセント・ギア隊を並ばせ、クチナも

同席させるので、輝太に何かあっても動けないことを言うので承諾した。

 謁見の間には監視カメラが設置されているので、何かあった場合に

瞬時に駆けつけれるように、兵舎、謁見の間の隣の待機部屋などに

モニターが設置されている。

 何でも屋にも謁見の間の監視カメラの映像は見れるので聞くと、

  「見るわよ! 光悦君が参加しないのが残念だけど……

俺が参加しないのが残念そうに言うアキナさんに、

 「セント・ギアが出て来るんです、俺の出る幕は無いですよ……

セント・ギアのレベルは30で融合するとパートナーのレベルを20上げる。

 そして、俺がフェニックスの鎧を着た状態のレベル80でも、ロックティラと

スオウとの融合のレベル60に勝ててはいるが僅差である。

 魔族との模擬戦も行われていて、セント・ギアも参戦し、毎朝7時から

南の国境付近の平原で行われているが、今日はセント・ギアが

謁見に参加するために休止になっている。

 この連絡は5時にしているので、俺が報告する前に伝わっている。

ちなみに、模擬戦は魔王の息子、娘たちと戦って、セント・ギアに融合した

ロックティラたちは毎回負けているが、計画に沿って行っているようで

負けた原因を考えながら、昼からの個人練習に入って行く。

 「見回り行ってきます、10時には……

食堂の出入り口に向かいながら言うと、

 「気を付けてね……

   「はい!」と返事をして、何でも屋の正面玄関に向かった。


 時計台の南側の大広場に、何でも屋の、いや王都守護隊のメンバーが

集まっていて、

 「朝のデートご苦労さん!!」

元ミュー・クラッホーン魔導国の勇者【森戸浩二(もりと こうじ)】が嫌味っぽく言うので、

 「デートじゃないさ、食事するだけだから……

「それをデートと言うちゃうねん?」

  元スカージット王国の勇者【石川勇太(いしかわ ゆうた)】が言うので、

   「アキナさん指名で、1人で寂しいから……

 秋人さん達が居なくなり、朝起きると寂しい気持ちになるので、朝食を誰かと

言われ、明希人たちが手を上げたが、手を上げていなかった俺を指名して、

毎日、宮殿の兵舎から何でも屋に通い、アキナさんの手料理を食べている。

 「2人きりだ! 襲おうとは思わないのか?」

元ウインライム法皇国の勇者隊の1人、チェンジャーが言うが、

 「俺はナルエひと筋だから……

   「上玉で神だぞ! アキナさまは、お前を待っている!!」

チェンジャーは牧師で、人々に神の教えを伝える立場でもあるのに、

人妻のアキナさんと不倫しなさいって、この国に来てから変わったなぁ

と思いながら、

  「待ってないよ! 俺を弟のように面倒を見たいんだろうな……

今日も、今までも、アキナさんは俺に寄り添う時に、俺は襲いたくなる

気持ちを、ナルエを浮かべたり、なぜか浮かぶ明美の怒る顔で

正気に戻り回避しているが、たまに、

  「私たちの義弟(おとうと)になってほしいなぁ……

 呟くのを聞いて、未来の明美の旦那さんを気に入っていないから

言うのかと思うが、

 「俺はナルエを……

「ねぇ、ダメ? 明美ちゃんの……

  「その相手を倒せば……

    「光悦君が倒してくれる?」

   「あの……

 明美なんか好きじゃありません。 

  少し下着が見えたからって、レインボーアッパーで飛ばされるし、

未来の明美たちの行為など見ていて、あの男のように満足させるなんて

無理だと思うので、

 「秋人さんに倒してもらえれば……

   アキナさんから離れて、

    その時は逃げるように何でも屋を後にしている。

 その後、アキナさんに合うのが気まずかったので、

  数日、朝の何でも屋に1人で行くのを止めていたら、

   アキナさんが宮殿の俺の部屋に来て、

 「なぜ来ないの! 姉との取り決めを無視するの!!」

見たこともない怒り顔をされて、

   「姉いますが、一緒に2人でなんて……

「光悦君の(むすび)と私は違います! 結ちゃんは貴方と会話しないけど

  私はします! 親が出かけていて、お兄さんも出かけている時は、

   食事は別々にしてるけど、私は一緒に食事をします!!」

なぜ人の家の構成を、姉が俺に対して冷たいことも知っているかは

置いといて、何時の間にか弟にされて、反論したかったが、

 「ま、毎日行きます……

   言うのが精いっぱいで、今では、アキナさんが週刊誌や雑誌を

見せてくれて、俺に合う服とか言ったり、自分は人から神になったことを

俺だけに言ったりするので、明希人たちに言えないことが多くなっている。

 秋人さんがソリュート王国の王に成っているのは、

   前王に子がいなかったために神に願ったのが叶って、

     秋人さんたちが降臨したと、ミューブル王などは信じている。

 

「良い思いをしてることには変わりないな……

前髪を右手で払いながら浩二が冷淡に言うのを無視して、

 「朝の巡回だが……

集まっている10名を見渡してから、

   「屋台や露店の手伝い、不審者への問いかけ……

 全員、真剣に聞いてくれている。

  「今日は、魔族からの武器、薬草の入荷が

    ウエッポン・ジャック・ファームにあるが、商業ギルドの

     駄目マスターの社員(天使)に任せる」

それを聞いて、

 「任す? いつもは協力していますが?」

がっしり系の目の優しい元ウインライム法皇国の牧師ガイドルが

 優しく聞くので、

  「10時からの獣族との謁見がある」

「なんやら、宮殿が忙しかったなぁ……

 勇太が言うには、宮殿内に居る騎士、魔導士を集めて選考していたが、

勇太たちには何時も通りの行動をしてくれと言われ此処に来たので、

 「ロック率いる王直属騎士団(セント・ギア隊)が謁見の間に出ると

   聞いてる。それに、ロックたちが動かないでも良いようにじゃないかな」

前髪を触りながら浩二が、

 「俺たちは、王から何でも屋に依頼されて見回りなど……

「そうだな、表向きは部外者だからな……

チェンジャーが悔しそうに言うので、

  「見る権利はある。で、何でも屋で見ようと……

「謁見の間で……

  それ以上は周りに獣族の密偵がいるかもしれないのでガイドルは

 言わなかったが、輝太たちがミューブル王に襲い掛かる場合も想定しての

  セント・ギア投入であり、謁見の間が戦場になる可能性はあると

 俺たちは思いつつ、周りには見えないスマートフォンを見ながら、

  獣族の密偵が居ないことを俺たちは確認して、

   「王都に密偵が居てへんのは、練習出来へへん」

 勇太が笑いながら言うが、大広場で、今日の見回りを言うのは、

密偵に聞かせるためであり、居た場合はマッピングをして、

徐々に追い詰めていって、捕まえた後は礼拝堂の地下の牢屋に

放り込んで、暫くしてから記憶を変えて帰還してもらう。

 「魔族の居る所が多いからな……

俺もクスッと笑って言った後に、

   「何時も通りに別れて、10時前には……

 了解、解りましたと言って、今日の巡回が始まった。



 「あれは、天の勇者か?」

数人が集まって何やら雑談をした後、

 5人ずつに別れて行くのを見届けながら呟いていると、

  「お兄さま……勇者ですか?」

アーシーリヴァが聞いてくるので、

 「あぁ……晩餐会などで会っているから、間違いないと思うが……

報告では、勇者は後衛担当以外は全滅、

 女性は全員死亡というのを聞いているので

  「他人の空似では……

アーシーリヴァが否定するが、

 「ロックティラが此処にいる! 嘘の報告をした可能性は高い!!」

 私たちがカーディオン王国がらコンピーコム王国経由で

ミューブル王国に入り、王都には3日前に到着してから、今月の終わりに

カーディオン王国から消えたロックティラの戴冠式が行われることに

驚きを超えて驚愕した。

 ミューブル王国は、勇者召喚に失敗後はゲームに不参加で、

去年の5月に行われた人族対魔族の戦いは人族の勝利で終わったにも

関わらず、ミューブル王国は魔族にそのまま奪い返した街を任している。

  魔族にミューブル王国は魂を売った国と、29か国は結論付けて、

ミューブル王国に攻め込んだが、国境での卑劣な手で

ミューブル王国は勝利した。

 ミューブル王国と隣接している国、コンピーコム王国は第1王女が

ミューブル王国の第1王子と婚約中で、王都に来てからも結婚式の

予定が年内と発表されているので婚約破棄になっていないのも驚きであった。

 だが、魔族からの武器がミューブル王国経由でコンピーコム王国に

入って来ているので、戦略から婚約破棄にしていないだろうが、

第1王女は道具にされているようで悲しい気持ちになる。


 ロックティラは平民の出で、貴族ではない。

 ミューブル王国の民でもない。

 第1王子を差し置いて王に成る。

 在り得ないことである。


 王都の民に聞いた感じでは不満を言う者は居ないが、貴族の中には

不満を言う者もいるが、魔王が亡くなった後のことを考えれば、

人族最強の男が王に成ることは、素晴らしいことだと言う。

 私が王都に到着後に接近してきた貴族は、

  「武器の買い付けか?」

「えぇ……魔族の武器は勇者を、天の勇者を倒した武器と……

  「勇者は生きている」

 「まさか……

   「暫くは居るんだろ?」

  「戴冠式までは……

「だったら会えるさ! 魔族の武器を超えるのも見える」

  「超える?」

 「あのゴーレムを見たか?」

   「魔族の王からの贈り物とか……

 「街を魔族に渡したままにした御礼だが……

「魔族など、汚らわしい者に……

  「そうだが、神が与えたゴーレムもある……

「神?」

  「南の国境付近で魔族と模擬戦をしているという噂だ」

 「魔族と……在り得ない……

「このミューブル王国は、神のゴーレム、魔族の武器を超える神の武器、

  その気になれば人族の大陸を統一する力がある」

   「なぜ、私に……

「王は言わない、あの壁画の意味も、この国の失格勇者を上王にした」

    「無能を……

 「王は一言だけ言った。敵に回してはいけない相手だと……

「まさか……

  「私はあまり動けない。貴方なら王、ロックティラを下ろさせる

    物を見つけられる。第1王子がなるべき……

「王子の……

  「戴冠式の前に此処で……

 

第1王子を押している貴族が言ったことが、私の目の前に、

 「何の用だ!?」

天の勇者は振り返り言うので、

  「さすがは、天の勇者【コウエツ】、接近しただけで……

息を切らしながら追いついたアーシーリヴァが、

 「急に走らないでください! お兄さま!!」

頬を膨らませて言うのを無視して、

   「死んだ勇者と勘違いする、お前は?」

 不機嫌な顔をしているが、

  晩餐会であった容姿と余り変わらないので、

「ロックティラが王に成ると聞いて……」

  我が国の元騎士の名を出して反応を見ようとしたが、

   「村から出て来たのか? それじゃ……

行こうとする天の勇者に、

 「天の勇者! 村じゃない! カーディオン王国から……」

   「そう……それじゃ!」

右手を上げて行こうとするのを、フードを開けて、

 「私を見て! 覚えてないか!!? 天の勇者!!」

不信な目で、

   「新手の詐欺? 勇敢に戦って亡くなった勇者と……

 「お前が、天の勇者で! 生きてたんですよね!!」

 天の勇者の肩に両手を置いて激しく揺らしながら叫ぶと、

周りはヒソヒソと喋りながら通り過ぎていくが、

  「神が万能でも、死んだ人間は生き返りません!」

体格のいい優しそうな男が言うので、

 「貴方の言う通りですが、こうまで瓜二つなのは?」

「お兄さま! この世には似た方が2、3人いるそうですから……

アーシーリヴァが天の勇者を助ける感じで言うので、

  「すまなかった! 私の生きていると思った上の過ちだった」

頭を下げずに天の勇者から離れて行くが、

 アーシーリヴァは付いてこないので、   

  「アーシー! どうした?」

叫ぶと、「大広場をゆっくり見たいので、買い付けは、お兄さまだけで……

 天の勇者と一緒に居るアーシーリヴァの所に戻って、

  「露店や屋台はあるが、お前の武器も……

 「私は……

   腰に下げている短い杖を見せて、

     「此れで十分ですので、お金を全て、お兄さまの武器に……

 強い意志で言うので、

  「偽物の天の勇者! 妹を頼めるか?」

天の勇者は困った感じで、

    「何をされてもいいなら……

 アーシーリヴァに手を出すなど許したくないが、一緒に居れば

ボロが出ると思い、

 「アーシーが良いと言えば……

私は大広場にアーシーリヴァを残して、

   9時開店のウエッポン・ジャック・ファームに向かった。



「勇太! お前たちだけで見回り頼めるか?」

  俺の問いに、

   「連れ込むねん?」

男と女がする宿などあるからって、

 「テルタの恋人に手を出すかぁ!」

周りに聞こえないように勇太たちに言うと、

 「テルタって、あのテルタの恋人? ホンマか?」

つい言ってしまったが、どうやって誤魔化そうかと思っていると、

 「コウエツさん……

アーシーリヴァが、俺を見ながら困った感じで言うので、

   「この方は、天の勇者でも、コウエツという名でも……

ガイドルは言うが、

 「バレてるから、言えないこともあるから……

「この子、何処の子や?」

  警戒心を持ちながら聞いてくる勇太に、

   「ロックの元いた国の王女様だよ!……

 ウエッポン・ジャック・ファームの方に右手親指を向けて、

     「さっきのが第2王子!」

4人は驚いていて、

 「なぜ、コウエツだけ知ってるねん?」

  「獣族の勇者との接点など在りませんよ」

勇太、ガイドルが聞いてくるが、アキナさんから聞いてるとは言えないので、

 「世の中には知らない方が良いこと多いんだよ! 巡回行けよ!!」

「王女と聞いて、コウエツと2人には……

  ガイドルが言うことに、3人も頷いていて、

   「あそこの小道のベンチで……

此処から見える木々に覆われた細い道を見ながら言うと、

 「全て白状してもらうねん!!」

勇太に言われて、

   「知ってることだけな……

 俺たちはアーシーリヴァと共に、小道のベンチに向かい、

アーシーリヴァはベンチに腰かけてもらって、ガイドルに

露店のアイスクリーム屋に、アイスを6個買って来てもらってから、

 ミューブル王の執務室で行われたべルールの尋問に対して、

疑問を持ったので、アキナさんに聞いたことを勇太たちに話をして、

 「クチナとの適合者なぁ……

勇太は呟くので、

   「人間の子をな……

 「ですが、クチナの都合で……

クチナの我がままに、駄目神もべルールも巻き込まれ、

 アーシーリヴァ、そして、転生後の杉原夏美まで巻き込んでいる。

  ガイドルの言葉に、

「私は、戴冠式後の武闘大会で死ぬ運命です。

  クチナお母さまと初めて会った時に、テルタさんの写真を見せられて、

   心を動かされました。

    転生して、テルタさんと共に生きることを……

アーシーリヴァの全てを受け入れていることに驚きながら、

 「貴方は、その運命から……

「私は此処に居ますが、転生した私も此処に居ます。

  もし、武闘大会で私が死なないと……

ガイドルの問いに答えるアーシーリヴァに、

 「転生した者が居なくなり、時空や時間が可笑しくなると……

「コウエツさんの言う通りだと思いますが、よくは……

俺たちも、前世と今の魂が同時に存在する場合の流れに

派向かうと、実際どうなるか分からないので、

 「俺たちが阻止してみるか?」

冗談で言ったのを、

 「止めて下さい! 帰還後の計画を決めてますから!!」

アーシーリヴァが冗談が通じずに怒って言うので、

 「冗談だから、帰還後?」

  「今は杉原夏美です。 王が寝ているので……

アーシーリヴァが日本名を言うので、

 「ゆ、勇者召喚された……

ガイドルが恐る恐る聞くと、アーシーリヴァは、杉原夏美とは

 同じ魂の為に情報を共有し、同時に体を交換できるスキルを

  駄目神から得ているので、

  「此方の体の方が、輝太の助けには成るんですけど……

アーシーリヴァは言い終わった後にクスッと笑い、

 「ややこしくって、解らへんわ!」

腕組みをして困ったように言う勇太に、

 「アキナさんに聞かされた時は……

肩を竦めて勇太に言った後に、

   「今月の終わりまでの記憶を持って転生なのでしょうか……

ガイドルが聞くので、

 「武闘大会で兄が死に私も……

俺は目を逸らして、

   「クチナお母さまからは、帰還後に起こったことも聞いています……

 クチナも輝太の母親の転生であり、帰還後に亡くなったと聞いた時は、

クチナの明るく言うので実感もなく、転生も含めて人生だなっと思っていたが、

目の前の美少女から言われる現実に、

 「未来が決まっている訳じゃない!!」

勇太たちは、吐き捨てるように言う俺に悲しい顔を向けるが、

 「光悦さん達が無事に帰還できたかは知りません。

   あくまで、私たちの間のことです」

アーシーリヴァが言うが、

 「ぶ、武闘大会までは……

俺の問いに頷くアーシーリヴァに、

 ひと息してから、「謁見の間での出来事も……

  「輝太の雄姿を見たいので、お兄さまを此処に強引に

    連れてきて、光悦さんを発見して、どう動くかと……

第2王子との言い争いも、俺に妹を託すことも、全て杉原夏美にとっては

過去をなぞることで、何か操られている感じで嫌だが、

 「それで、何でも屋に一緒に行って……

「アキナさまと皆さんで、明美さま率いる獣族と、ニコール、ロックティラが

  率いるセント・ギアの戦いを……

食べているアイスクリームが入った紙容器を落したのも分からないまま、

俺たちは険しい目でアーシーリヴァを見ていて、

 「王が、認めたのか……

「ダルザニアがロックティラと戦いたいから、明美さまがお膳立てをして、

  明美さまが代理の王に成るならって……

俺の問いに淡々と話すアーシーリヴァに、

 「1対1でないのは……

「セント・ギアとの融合具合と……

唾をゴクッと飲み込みながら。

 「具合と……

   「天使化の慣れ具合を見たいとか……

 天使化と言う聞いたことのない言葉が出るが、

  「それで、集団戦を……

ガイドルが言うが、

 「見れば分かるわ! 行きましょうか……

アーシーリヴァはベンチから立ち上がり、食い終わった後の紙容器を

大広場のゴミ回収用のゴミ箱型ゴーレムに放り込み、更に俺たちが落した

紙容器を回収して去った後に、

  「場所知ってるのか……

その問いに、ニコッとして、

 「昨日の夜に、明美さま、ソラスさま、アキナさまと飲んでいたから……

「兄貴をほっといてかぁ……

  勇太が言うと、

   「当たり前でしょ! 女同士の話に入れないでしょ!!」

そうだなと思いながら、アーシーリヴァを先頭にするわけにも行かないので、

俺は横に並び、アーシーリヴァに犯罪者として連行する形にすると言うと、

 「獣族の密偵を気にしているの?」

「優しく案内していると、狙われる可能性が……

  以前、場所を聞かれて案内した人が、獣族の密偵に

 拷問されたことがあったので言うと、

  「明美さまが、王都に居る獣族の密偵を奴隷にしてるわ……

朝のミューブル王への報告時に聞かされていないし、

 アキナさんからも聞いていないので、

  「何時の間に……

「だから、ナルエじゃないけど、恋人気分を味わう?」

  上目使いで妖しく言うアーシーリヴァに、

   「予行演習として……

目を細めて、俺を見ながら、

 「明美さまとは、どんな関係?」

なぜ、明美の名が出るかは知らないが、

 「この剣をくれただけの関係さ」

腰から下げているフェニックスの剣が入った鞘を右手で掴んで言うと、

 「頬が赤くなるのは……

指摘されて、

   「素晴らしい剣だから……

「ニヤニヤするのは……

  親に貴方の相手は誰って聞かれてるみたいで、

   「聞いてると思うけど、ロックたち以上の剣だから……

 勘弁してくれって言う感じで言うと、

  「ふうぅん……ナルエを好きになったのは?」

 話が変わって、片思いの相手の話になって、

  「清らかで、優しくって、どんな人にも分け隔てなく接するところ」

「で、明美さまは……

  ナルエの話が続くと思ったのに、嫌な感じで、

   「俺も一緒にやら……

 あの時の光景が浮かんで言いそうになったのを、

  「本物と会ったことないからな! 

    さ、さ、行くまでの風景で何か、は、話そうか!!」

 自分でもわかるくらいに、顔が赤くなってるなと思いながら、

アーシーリヴァの手を掴んで早歩きで何でも屋に向かった。

 


「あぁ……ワイもイチャイチャしたい……」

光悦と王女様を見ながら愚痴のように呟くと、

  「勇太もいるんだろ?」

ワイたちと一緒に巡回している元ウインライム法皇国の勇者隊の1人、

バンルックが聞いてくるが、

 「ワイは女は嫌いねん」

岩崎恭子や取り巻きに散々いじられて、パーティーなどでは親父の影に

隠れたり、壁沿いで、女性と会わないようにしていた。

   「嫌いなのに、したいのか?」

 長い髪を手で触りながら良く分からない奴だなっという感じで言われて、

元スカージット王国の勇者隊の1人、アドラーが、

  「王宮でも王女や王妃たちが話しかけて来ても逃げていたな……

 爽やかに言うので、

 「ただ1人の勇者や、やる気を出させるためや……

左手首に巻いてあるミサンガを見ながら、

   私を超えられたら、迎に来て……

 ドラゴンと戦う岩崎恭子の映像を見た時に、ミサンガを渡された時に

言われた言葉を思い出したけど、

 「コウエツを超えろと言うねん! 逃げるに決まってるねん!!」

先行している光悦と王女様を睨みつけながら言うと、

   「更に、上がいるからな……

アドラーが、ワイの肩に手を置いて言うので、

 「それより、もっとが居るねんよ!」

    ワイの顔を覗き込むように見ながら、

      「お前って……

光悦みたいに、片思いの奴が居るのかと言うかと思ったけど、

 「神様になりたいの?」

   「なんでやねん!?」

アドラーに、呆気にとられながら聞くと、

     「突き詰めると……

 「なる気はあらへん!!」

語気を強めて言うと、その場に立ち止まって笑った後に、

 「……で、どうします。報告は?」

光悦たちが、小走りで離れて行くのを見ながらガイドルが言うので、

 「そうやな……

   「王女の死、王子の死をさせないように……

バンルックがロングの髪をいじりながら報告後のことを言うので、

 「だが、転生後の幸せを掴むために……

アドラーが、今じゃなく未来への行動に進む王女に、

 エールを送るように言うので、

   「報告は無しやな、胸にしまって……

3人は頷いて、

   ワイたちは、光悦から少し距離を開けて何でも屋に向かった。





転生した自分を見るか……

 いろいろな世界にいけば、会うこともあるよ

アケミは?

 私? 私の場合は、過去に行けば会えるんじゃないかな……

そうか、神で自分で転生だった?

 そう

俺の場合は、人間だから次は動物か魔王でも良いかな……

 そうね……

なぜ目を背ける……

 次回

103話 分かって賭けするのは楽だな……


俺は取り戻す!

 何を……

かずえ、ありす! お前たちを!!!

 新しい恋をしなよぉ

 男って引きずるよねぇ……

学校も、クラスも一緒で、公認されてますが……

 帰ったら、つかさの家で……

 そうそう、皆でね……

ツカサの家って……俺は負けない!!!







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