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49、アイテム確認をしました

「うん、我ながらなかなかの出来だね♪」


自分で作ったカレーだがスパイスのおかげなのか、いつもより美味しくできたような気がする。中に入ってる野菜も心なしか新鮮な感じがするよ。


「相変わらずお前は料理うまいよな。なんか特訓でもしたのか?」


「いや特にはやってないかな?小さい頃からずっと作り続けてるからかな?」


小さい頃。父さんと母さんが行方不明になった直後、二人の代わりになるために必死だったっけ。


あれからまだ5年くらいしか経ってないんだ…案外ここまで長かったな…


「どうしたのですかカイト様?遠くを見るような目をして…」


気がつくとフィーが僕の顔を覗き込んできていた。その目には純粋な心配の念が込められている。


見ると他のみんなも心配そうに僕のほうを見ている。


そんなに変だったのかな、さっきまでの僕…


「みんなそんなに心配そうにしなくていいよ。ちょっと昔を思い出していただけだよ。」


「そ、そうだったのですか?よかったです~」


「なんか目が虚ろだったから…本当に大丈夫なの?」


「…これ飲む?」


みんなが安堵のため息を吐いて、また黙々とカレーを食べ始めた。右隣に座るフィーも「なにかありましたら何でも言ってくださいね♪」と言って、同じようにカレーを無心で食べ始めた。


カレーって無心で食べるものだったっけ?


とりあえず、左隣にいる美琴が水のようなものを差し出してきたので素直に受け取る。


「ありがと美琴、ちょうど喉が渇いてたんだよ。」


美琴から受け取った水を一気に喉に流し込む。喉の渇きがどんどん潤っていく感じが堪らない…


「んく、んく、ぷはっ、ああ~美味しかった~」


たった一杯の水なのに、妙に美味しかった。考えてみたら今日一日、ろくに水を飲んでなかったっけ。


もしかして天然水なのかな?


「…なんともないの?」


美琴が信じられないという顔でそう問いかけてきた。


あまり感情を顔に出さない美琴にしては珍しい光景だった。


それにしても、何ともないとは何のことだろうか?もしかしてまだ僕の体調のことを心配してくれているのかな?


なんて優しい娘なんだろうか。これで僕の置いたコップの縁を舐め回してなければ完璧だったのに…


「僕はもう平気だよ。心配してくれてありがとね美琴。」


「…うん。」


美琴はなぜか俯いて、カレーを口にし始めた。


「(いったいどうしたんだろう美琴、少し元気がないような…)」


「(…睡眠薬入れたはずなのに、なんで効かないんだろう…お水飲もう。)」


僕と同じようにグッと水を飲む美琴。美琴の喉元がせわしなく動いているのをしばし観察する。


そして…


「…はうぅ」


そのままテーブルに突っ伏して眠り始めてしまった。カレーは対面にいた優奈が間一髪ずらしていたので、最悪の事態にはならなかった。


「どうしたんだろう美琴、そんなに無理してたのかな?」


「いや、たぶん違うと思うわよ?」


姉さんが即答してきたので、そこで会話は打ち切られてしまった。


仕方ない、カレーを食べよう。


「(あの娘、間違って自分の水に睡眠薬入れたわね…)」


「(美琴ったら、変なところで抜けてるのよね…。)」






◆◆◆◆◆◆





「さて、全員揃ったかな?」


夕食を食べ終わった僕らは、片付けもそこそこに、談話室に集まった。


美琴は結局起きなかったので、姉さんと優奈がここまで運んできた。最初は優奈一人だったのだが、身長差のせいで断念。姉さんに協力してもらうことにしたらしい。


まあそれはおいといて。


「それじゃあこれからみんなのアイテムの性能を確認するよ。しっかり把握して今後の危機に備えよう。」


「うん!」


「そうだな。」


「別に今のままでも楽勝だと思うけど…」


「私も頑張るよ、お兄ちゃん!」


みんながみんな、思い思いの返事をする。姉さんの言ってることが現実になりかねないのでホント恐い…


「いったいどんなものなんでしょうね?」


「同じ武器として、なかなか興味深いのじゃ。」


「私も気になります。」


フィーたちも興味津々のようだ。


僕はテーブルの中央に、王様が孝に渡したという紙を広げる。その紙は予想以上に大きく、二畳ほどもあるテーブルのぎりぎりまで広がった。


「それじゃあどんなものか、見ていこうか。」


全員(ソファーで熟睡中の美琴は除く)が中央の紙に視線を向けた。




◆◆◆◆◆◆



『ウォークライ』:指輪


気力や精神力などを矢や弾丸、魔法弾に変換する魔法具。中央に填められている人工魔法石による働きにより、装備者は無限に飛び道具を使用することが可能。ただし代償は使用者の気力のため、使いすぎには注意が必要。



『ラビッツステップ』:靴


伝説の兎型モンスター『ロイヤルラビット』の羽根毛から作られたブーツ。尋常ではない軽さで、主に足の性能を上げる装備。跳躍やダッシュの性能を飛躍的に高め、使いこなせば壁などを蹴って自由自在に動き回ることも可能。



『アブソリュート・オペレーション・システム』:アクセサリー


通称AOS。脳の五感を補助するアイテムで頭部に装着する。視力などが飛躍的にあがるので、目視もくしでの索敵範囲が500m~1000m位まで広がる。また、第六感が覚醒し、霊的なものの感知や、見えないものを視ることのできる能力などが身につく。

ただし、装備者に適正がないと装備できない。現在装備できたのは、この装備の製作者ただ一人のみ。

猫耳のように見えるものは、システムの一部を守るためのプロテクター。



『ドラゴンズハート』:腕輪


竜の加護を受けた腕輪。本体には何の効力もないが、刻まれた紋様により力が宿っている。筋力を増強し、物理攻撃力を高める。また、宿っている竜に認められれば空を飛ぶことも可能。

紋様を刻めるものがいなくなってしまったので、かなり貴重なものとなっている。



『オーラボウ』:弓


希少な鉱物で作られた金属製の弓。金属だが、木以上にしなやかなので命中精度も威力も高い。また、取り外し可能な刃があり、近接戦闘に巻き込まれたときでも立ち回ることができる。

希少金属に宿っていた妖精の加護があり、そのせいか少し淡い光を放つ。



『ライトニングスラスト』:細剣


世界初の魔武器で、細剣とは思えない威力を誇る。電撃の魔法が込められており、刺した相手を内部から感電させる。刃の素材は謎。噂だと竜の牙をベースにしているとかで、切れ味もかなりのもの。

威力の代わりに若干重く作られているので素早い戦闘をするには、相当の鍛錬が必要。



『イリア・フォルミスト』


ガルド王国のメイド。主に家事や仕事のサポートを専門としている。魔法ギルドのメンバーであり、魔法使いとしてはそれなりの実力を持っている。

失敗をすることも多いが、みんな愛具動物扱いのためあまり咎められない。本人はその扱いを気にしている模様。ちなみに例えられている動物は羊である。

使用すると「みゅ~」や「むいっ?」など変わった鳴き声が聞ける。



PS:これらの道具は自由に使ってくれ。「イリアはみんなのアイドル!」と城のものが申しておったぞ。


by『王様』






――――――――――――――――――――――――――――――――――――――




~フィキペディア~


『人工魔法石』


数人の魔道士が透明な石に魔力を込めたもの。魔道具を作るときの基礎であり、魔道具の原動力になる。

石の中の魔力は、他の人間の魔力によって常に増幅されるので、事実上永久的に魔力を供給できる。

天然の魔法石は、何の魔力が込められているのか不明なので使用するのが危険。なので、その構造だけを真似た人工魔法石が作られた。











長くなりそうなので、続きは次回に延ばすことにしました。「ふざけんな!」と感じた方、本当にすみません…


美琴のヘタレっぷりを少しだけ書く事ができました!今後も可愛く書いていけるよう頑張っていきたいです!!


感想・評価待ってます!


※5月22日まで、テストのため投稿ができません。必ず再開するのでそれまで待っていただけるとうれしいです。

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