30、寝ている間に何かが起きました その2
「どうしようムラマサちゃん。わたし、今夜寝れる気がしないよ。」
「同感じゃ。この状況で熟睡できているのはカイトだけじゃろう。」
さて、みなさん。この状況とはどのような事でしょうか。
正解はこちら。
「ああ、いい!この脇腹の感触最高!やっぱりあたしと海斗の相性バッチリだわ!!」
「この味…れろっ…癖に…ぴちゃ…なりそう…」
「カイト様の生足…ああ~頬ずりが止まりません~♪」
「…ムフー、ムフー、あぅ…しゃ、しゃいこう~♪」
変態がお兄ちゃんに群がっている、でした。
…寝られるわけないじゃん。
「しかし、皆幸せそうな顔をしておるの。そんなによいものなのじゃろうか…」
「ダメ!ムラマサちゃんがやったらいろいろまずいから!」
というかムラマサちゃんまで変態サイドに堕ちたら、わたしの正気が保ってられない…
「…んん~」
「「「「「「!?」」」」」」
全員が一斉に声のしたほうを見る。
声の主であるお兄ちゃんは、幸せそうな顔をしながら、静かに寝息をたてている。
「「「「「「っほ。」」」」」」
それを確認したわたしたちは、安堵のため息を吐いた。
「あ、危なかった…こんな状況をお兄ちゃんが見たら…」
「確実にトラウマになるじゃろうな。」
ちなみにわたしとムラマサちゃん以外の4人は、また変態行動に戻っていた。
「…海斗、海斗、海斗!ぶはっ!」
「あ、美琴さんが力尽きた。」
「うむ、今頃カイトの服の中は鼻血まみれじゃろうな…」
朝起きて、自分の服の中が他人の鼻血まみれだったら、どんな気分なんだろう。
「…一応、中身の確認を。」
わたしは、お兄ちゃんの首元から、そっと中を覗きこんだ。
「うへへへへ~。か~いと~♪」
「………」
「どうしたのじゃ志穂殿?」
「…いや、なんでもないよ。わたしは何も見てないし聞いてもいない。」
「本当になにがあったのじゃ!?」
別に血だらけになりながら、お兄ちゃんの胸の上でニヤニヤしながら失神している美琴さんなんて見てないんだからね!
「っ!志穂殿、手を貸しておくれ!」
「どうしたの?」
ひとりで何かに対して言い訳をしていると、急にムラマサちゃんが慌て始めた。
「ああ、もう、もう我慢できない!そろそろ犯っちゃってもいいよね!」
「カイト様~私の初めてを貰ってくださ~い!」
「こやつらの行動を止めるのを手伝ってほしいのじゃ!」
うん。瞬時に状況理解。
お姉ちゃんとフィーさんが、お兄ちゃんの下着に手を入れようとしている。
「了解ムラマサちゃん!ほらお姉ちゃん落ち着いて!」
「離して志穂!私は早く、海斗とあんなことやこんなことをしなくちゃいけないの!」
「いやいやいや、それお兄ちゃんの同意なしにやっていいことじゃないからね!?」
たとえ同意だったとしても、姉弟なのでNGだけどね。
ここで止めないと、お兄ちゃんの未来が危うい…
「これ、フィー!落ち着くのじゃ!それ以上やってしまうとまずいのじゃ!」
「ムラマサちゃん、ダメなの!私、早くカイト様と子づk―――」
「言わせぬわ!」
ムラマサちゃんのチョップが、フィーさんの後頭部にクリーンヒット。
「はう~」
そのままフィーさんは、ベッドの上に倒れてしまった。
「まったく、こやつは本当に『めいど』なんじゃろうか…」
「たぶん、メイドさんの領域は越えようとしていたと思う…」
というか何でお兄ちゃんにメイドさんなんて付いてるのかな?
いまさら疑問に思えてきた。
「離して!はな、し、て―――ぐぅ。」
「あ、こっちも力尽きた。」
お姉ちゃんもベッドに倒れ、そのまま眠ってしまった。
「お姉ちゃん、ここ最近ろくに眠ってなかったからね。さすがに限界だったのかも。」
夜な夜なお姉ちゃんが家の中を「海斗…海斗…」と言いながら彷徨うので、正直トラウマになりかけた…
「それにしても、すごい光景じゃのう。」
「たしかにすごいかも。」
血だらけのひとや、気絶している人、死んだように眠っている人…
傍から見れば、殺人現場と間違えてもおかしくない光景だ。
「でも、これでなんとか眠れそうだね。」
「お主は本当に肝が据わっておるの。」
そりゃ、こんな人たちと日常を過ごしてきましたから。
「ま、志穂殿の言うとおりじゃな。わしらも早めに寝るとしよう。」
そう言ってムラマサちゃんは、お兄ちゃんの右腕に抱きついて、そのまま可愛い寝息をたてはじめた。
「さて、わたしも早く寝よう。」
わたしは、お兄ちゃんの左腕に抱きつき、お兄ちゃんの寝顔を見る。
「また一緒に過ごせるね、お兄ちゃん♪」
お兄ちゃんの腕の中に顔をうずめ、わたしは目を閉じた。
こういうシーンを書くのは初めてだったので、ものすごく下手な仕上がりになってしましました…
もっといろんな人の作品を参考に勉強していこうと思います。
志穂はできるだけツッコミキャラとして生かしておきたいですが、若干常識を崩壊させてもいいかなと考えています。
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