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21、たくさん作りました

「さて、さっそく作っていきますか。」


大量の食材を手に入れた僕は、そのまま城のキッチンに移動し、調理を開始することにした。


「今回は立食会形式になりそうだから、簡単かつ美味しい、しかも食べやすいものにしないと。」


そう、今回は一人で300人分を作る必要があるのだ。


前回のオムライスのように一人分作るのに時間が掛かるのはダメだ。


「よし、今回はサンドイッチを中心に作っていこう。」





――――――――――――――――――――――――――――





「よし、これでサンドイッチは完成だ。」


僕の目の前には、卵やベーコン、レタスにトマト、様々な食材をふんだんに使ったサンドイッチが約1200個ほど並んでいる。


え、作ってるシーンがない?ははは、ソンナワケナイジャナイカ。


「う~ん。さすがに作りすぎたかな?」


300人に対して、一つあたり食パン一枚分を使ったサンドイッチ1200個はさすがに多すぎたかもしれない。


「まぁいいか。余ったらインデックスに入れとけばいいんだし。」


ちなみにインデックスの中は時間の概念が存在していないため、物が傷むことはない。(フィキペディア)


「さて、次はおかずだね。少し味の濃いものがいいかな。」


さっきから独り言ばかり言っているけど、気にしない気にしない。


「魚のフライにから揚げ、鶏肉のさっぱり煮、あとは肉と野菜の串焼きでいいかな。」


鶏肉のさっぱり煮とは、醤油と生姜で味付けした汁で鶏肉の手羽先をじっくり煮込んだ料理だ。


その名の通り、あまりしつこくないので老若男女すべてに受ける万能料理だったりする。


ついでに言うと、僕の得意料理の一つだったりする。


「とりあえず、油を熱して先にフライを作っちゃいますか。」






――――――――――――――――――――――――――





「よし、串焼き500本完成。これでおかずはいいかな。」


だいぶ日も傾き、パーティーまであと二時間位しかない。


ちなみにパーティは大広間で行われる予定らしい。


「大体はこんなものでいいかな。ただ―――」


なにか物足りない。


「!そうだ、あれを作ろう。あれならきっと美味しいにちがいない。」


そうと決まれば早速作ってしまおう。




―――――――――――――――――――――――――――――――





「カイト様、本当にお一人で大丈夫なのでしょうか。」


わたしフィーは今、メイド仲間たちと立食パーティの準備中です。


「まぁ問題ないじゃろう。なにせあるじは料理の腕前も一流じゃが、なにより作る早さが段違いじゃ。」


隣で作業を手伝ってくれていたムラマサちゃんがわたしの独り言に反応してくれた。


「そうなのですか?」


「うむ。昔、主が15歳のころに、学び舎でブンカサイ?なるものがあっての。そのときに主は喫茶店の厨房を担当しておったのじゃが…」


「はぁ…」


ムラマサちゃんの顔色が若干悪い気がする。






「そのときに主は、たった一人で100万人分の料理を作ってしまったのじゃ。それもたった半日でじゃ。」




………




「え?」


「信じられんかもしれぬが本当のことじゃ。一体どうやって作り出したのかいまだ謎なんじゃがの…」


「………」


たった一日で100万人分って…


カイト様。あなたは本当に何者なのですか?


「ま、主が何者じゃろうとわしの愛には全く関係のない話じゃな。」


「その通りですね。例えカイト様が神様だろうと、魔王だろうとわたしの気持ちは変わりません。」


そう、わたしはあの方に一生尽くすと決めたのだから。


それに、


「ぶかぶかの魔王服を着たカイト様が『僕が魔王だ!』なんて言ったら、私は理性を保っていられる自身がありません!」


「同感じゃ。確実に押し倒してしまうじゃろうな。」


ああ、想像したらなんだか興奮してきました。早くカイト様にすりすりしないと気が狂いそうです。


『かっこいい台詞がいまので台無しだよ!』という声が厨房から聞こえてきた気がしますが、気のせいですよね。



海斗が15歳のときの文化祭とは、中学のときの出来事です。


中学校の文化祭でどうして100万人分の食材があったのかは謎です。


今回は料理描写をカットさせていただきました。もし、楽しみにしてくださっていた方がいましたら、心の底からお詫び申し上げます。


また必ず料理をするシーンがあるので、そのときはちゃんと調理シーンも入れようと考えています。

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