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19、いろいろ説明を受けました

「…どうしてこんなことに。」


僕の目の前には、酒でべろんべろんになったギルドメンバーたちがそこかしこにいる。


『酒だー!酒が足りないぞー!!』


『ほらカイトも思いっきり飲みなよ~。なんせ今日はあんたのための宴なんだから。』


「いや未成年だし。あとまだ昼間だからね!?」


大人がこぞって真昼間から酒を飲み交わしてるなんて、見ているだけで頭が痛くなる。


「カイト様、すいません。まさかここまで酷くなるなんて思ってもいなくて…」


「うむ、わしもいささか調子に乗りすぎたようじゃ。すまぬ。」


唯一まともなフィーとムラマサは、なぜか僕に謝罪してるし。


「いや、この状況はフィーとムラマサのせいじゃないから。」


原因は僕がクラスターレックスを一人で倒しちゃったことだし。


「とりあえず、どうしてこんなことになっているのか。僕のランクとかもろもろについて説明してくれないかな?」


「わかりました。では、姉さんのかわりに私が説明しますね。」


フィーが僕に向かってなぜか敬礼しながらそう言ってきた。


ちなみにソラリスさんは酔いつぶれて、カウンターに寄りかかって眠っている。


「それじゃあまず、カイト様のランク、『Z』について説明します。このランクは普通の人ではなることができません。正確には、なることは可能なのですが、まぁはっきり言って無理ですね。」


「え、なんで?」


「『Z』の条件が厳しすぎるとかかのぅ?」


ムラマサの一言にフィーが反応した。


「その通りです。条件は5つ。


・ランク5S以上のモンスターを一人で倒すこと。


・独自の技を所持していること。


・武器との意思疎通ができていること。


・ギルドメンバー全員がその人の人柄を認めていること。


・ツッコミが素早いこと。


これらの条件をすべて満たしたとき、大陸で唯一無二のランク『Z』に昇格します。」


ふむふむ、なるほど…


「…ねぇ、フィー?」


「はい、なんでしょうかカイト様♪」


「僕、いつそんな条件満たしたの?」


「?どういうことでしょうか。」


フィーが僕に質問で返してくる。


「モンスターや独自スキルはまだわかるよ。でも武器との意思疎通なんて誰ができんのさ。」


ツッコミに関してはあえて触れない。


…いや、触れてはいけない気がしてならない。


「それに、僕はまだこのギルドに来て二日しか経ってないんだよ。ギルドのみんなが僕の、しかも人柄を認めているなんて、そんなのありえないじゃないか。」


フィーはしばらくキョトンとした後、ポンッっと手の平をグーで叩いて何か納得したような顔をした。


「ああ、言ってませんでしたか。武器との意思疎通ができる人は極少数ですがキチンと存在します。それにカイト様の人柄に関しては、初日の自己紹介でみんな見極めているので大丈夫ですよ♪」


………


「…いや、ありえないよね。」


自己紹介で人柄を見極めるとか、普通無理だよね。


「むぅ~そんなに疑うのでしたら――――」


フィーは頬を膨らませながら、ギルドメンバーのいる方向へ向き直り、


「みんな~カイト様のことが好きかー?」


大声でとんでもないことを言い始めた。


「ちょ、フィー。そんなことしたらみんな気分が冷めちゃうよ!」


ちなみに僕の気分と肝はとっくに冷え切ってシャーベットになっている。


そんな僕の声は聞かず、フィーは続ける。


「みんなにとって、カイト様は何だ~!」


その声を合図にか、みんなが口を大きく開け、


『『『『カイトは俺の嫁!』』』』


『『『『カイト君は私の婿!』』』』


『『『『カイト(君)はみんなのアイドル!!!』』』』


とんでもないことを口にし始めた。


「…なんかここまでくると、いっそ清々しい気分に――――」


「さっすがみんな!でもカイト様は私のものだからね♪」


「何を言うのじゃフィー。カイトは私の婿になると決まっておるのじゃ!」


なるわけありません。


これも愛され体質によるものだとすると、申し訳なさで気持ちが潰されそうになるよ。


「…僕がランク『Z』になったことはわかったよ。じゃあ『Z』になるとどういうことが起きるの?」


現実逃避の意味も混ぜて話を少しそらす。


フィーは、謎の宗教団体みたいになっているギルドメンバーの輪から抜け出し、僕のところに戻ってきた。


「『Z』になると、すべてのクエストを一人で受けることができます。その中には総勢1000人で行う超大規模戦闘なども含まれます。この超大規模戦闘については今回は省きますね。」


あ、ちょっと面倒になって話を簡単にしたな。


「個人で受けるものはランクSSSとあまり大差ありません。しいて言うなら他の国の王への謁見が顔パス、エルフやケットシーなどの別種族との交流の許可などですかね。」


この娘、さらっとすごいこと言ってるよね。王様が顔パスとか。エルフがどうとか。


「しかし、ギルド全体で受けるものは非常に大きく、世界中の依頼をほぼ独占できるほか、国からの保護があるという事ですね。まぁギルド内の誰かが違法や犯罪、横暴な独占などをした場合は厳しい処罰がありますけどね。」


ふむ、つまりまとめると、


~ランク『Z』の所持者~


・所外国の王との謁見許可(顔パス)


・人外種族との交流


・ランクSSSと同等以上の待遇


~ギルド~


・世界中から来る依頼の独占権


・所属国家からの保護(ただし、犯罪や違法を犯した際は処罰が重くなる)


ということか。


だからみんなもあんなに浮かれているのか。


なるほどね~


「って、僕かなりの権力者になっちゃってんじゃん!」


「そうですね。もう国王レベルの権力者なのですよカイト様は♪」


「うむ、さすが我が主じゃ。いやぁあっぱれじゃのう。」


うわぁこんなことになっちゃったけど、この先大丈夫なのかな…


「さあさあさあさあカイト様、その権力を使って私にあんなことやこんなことを命令しまくってください!」


「もちろんわしにも使うのじゃぞ!」


『『『『カイト(君)ばんざーーーい!!』』』』


主にこの二人とギルドメンバーたちが…


ああ、頭痛い…







あ、そろそろお城で夕飯作らないと。





説明文ヘタクソですいません。


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