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18、ランクが昇格しました

『おい、なんだあれ。」


『腰に少女、背中にメイド…だと…』


『おまけにその対象は美少年…いや美少女?どっちだ?』


クエストから帰ってきた僕は、城下町に入った途端、羨望と興味、嫉妬の眼差しで穴が開きそうになっていた。


おまけに野次馬の言葉がいちいち耳に入ってくるから、正直うんざりしてきている。


「というかそこ!美少女とかいうなっ!これでもれっきとした男なんだぞ!」


せめて美少年で止めようよそこは!


『何!?あの外見で男だと!?』


『だがそれはそれでいいかもしれん…』


…もうやだこの人たち。


「カイト様、あんな野次馬の言葉などに耳を貸す必要はありません。聞くのでしたら私の声を存分に堪能してください!」


「その通りじゃ海斗。ちなみに左耳はわしの甘言を聞くために使うのじゃぞ。」


「いやいやいやいや、それはそれでおかしいからね!?あといい加減僕から離れてっ!みんなの視線で僕の羞恥心メーターが吹っ切れそうだよ…」


ちなみに吹っ切れると羞恥心が限界を突破し、恥ずか死にます。


いやほんと冗談抜きでつらい、この状況。


「ふむ、それはまずいのう。」


「?ムラマサちゃんは何か知っているの?」


「いや、元の世界にいたときにも一度だけ似たようなことがあってのぅ。そのときの海斗は大変じゃったぞ。なんせ顔を真っ赤にして、刀じゃったわしに抱きつきながら『もういやだよ~』といいながら泣いてしまったからの。さらにそこから―――」


「うわぁぁぁぁやめてぇぇぇそれ以上はぁぁぁ!!」


本当に恥ずかしすぎて、体がオーバーヒートしそうだよ。


「羞恥に耐え切れず涙を流すカイト様…」


フィー、もしかして僕のつらさを理解して―――


「…そそりますね!」


「うむ、同感じゃ。」


くれるわけないよね…わかっていたさそんなこと。


あれ、おかしいな。視界がぼやけてきたよ。なんでかな?


「しかしこのままだと本当にカイト様が危ないのでとっととギルドに戻ることにしましょう。」


「そうじゃな、野次馬の目がだんだん危なくなってきたみたいだしの。」


そういうと二人は僕を担ぐようにして、ギルドに向かって全速力で走り出した。


その場を走りさる寸前に後方から『『『男の娘サイコー!』』』とか聞こえてきたが絶対気のせいだ。







――――――――――――――――――――――――――――










『おかえりなさいませ、勇者様♪』


『おお、勇者がクエストから帰ってきたぞ!』


『お疲れ様~♪』


ギルドに入った途端、ギルドメンバーから歓喜の叫びが上がった。


うれしいことなんだけど、クエストが『キノコ採取』だからあまり喜べない。というか恥ずかしい。


「もう、みんな大げさだよ。それに今回のクエストはフィーについて来てもらってたんだよ。そこまで騒ぐような大きなクエストでもなかったんだしさ。」


何度もいうがクエストは『キノコ採取』。難易度は子供のお使いレベルなんだとか。


『いやいや、魔物を見た事すらないのにクエストから帰還するなんてすごいことだぞ!』


『そうですよ。今日はパーティにしましょう』


だめだこりゃ。これ以上は火に油を注ぐのと同じことになりそうだ。


「はぁ、まぁいいや。とりあえず報告しちゃおうかな。」


僕はカウンターまで行き、フィーのお姉さん、もといソラリスさんに声をかけた。


「あ、カイト様、いらっしゃいませ。クエストの報告ですか~?」


さすがに慣れてくれたのか、僕が話しかけても普通に対応してくれた。様付けはデフォルトみたいだけど。


「うん、でも報告ってどうやってやるの?」


「採取クエストでしたら決められたアイテムを、討伐クエストでしたらモンスターの首などの部位をもってきてもらい、それを渡していただければいいです。」


なるほど、結構簡単にできるんだ。


「ちなみに目標のアイテムやモンスター以外の物もここで換金できますよ。」


「へぇ~。じゃあこれも換金できるかな?」


僕はさきほど討伐したハエの羽50組とクラスターレックスの首をインデックスから取り出した。


「………え?」


「あれ、やっぱりだめだった?」


フィーとムラマサ以外のみんながその場でかたまってしまって、正直怖い。


僕、なにかまずいことしたかな?


『お、おい、あれってクラスターレックスの首だよな…』


『ええ、間違いないわ。あの白い肌と角、目撃情報と一致しているもの。』


みんななにかをぼそぼそとつぶやきはじめた。


もしかして僕、とんでもないことをしたのかな?


不安に感じた僕は、フィーに助けを求める視線を送った。


フィーは僕のほうをみてニヤニヤしている。


「ちょ、フィー、なんでニヤニヤしてんのさ。この状況どういうこと?」


「大丈夫ですよカイト様、全部良い方向にいきますから。」


ニヤニヤしながらそんなことを言われたのは初めてだよ。


「え、っと、その、カイト様、じつはですね…」


ずっと黙っていたソラリスがようやく口を開いた。


一体なんだっていうんだよ、もう。


「この竜の強さはランク5S。世界に散らばるランクSSSメンバー10人全員でやっとこ討伐できるレベルなのですよ…」


は?ランク5S?なにそれ美味しいの?


というかランクSSS10人は、さすがに大げさでしょ。


「それをカイト様はお一人で倒されてしまったのですよ…」


ソラリスの表情がだんだん暗くなっていく。


やばい、不安で足がガクガクしてきた。


「つまり、どういうことなの?」


「つまりですねカイト様、ランク5Sのモンスターを一人で倒したということは…」



しばしの沈黙…










「今日からカイト様は、戦士ギルドの頂点、ランクZに昇格しました!」


『『『うおおおおおぉぉぉぉ!!』』』


「おめでとうございますカイト様♪」


「さすがは我が主。もう頂点に君臨しおったか。」








………





…何この超急展開。僕もうついていけないよ…


というかランクZって何さ?SSSまでじゃなかったの?


ああ、考えるのも面倒になってきた。


『よし、今日はギルドを上げてのお祭りだー!』


『うおおおおおおぉぉぉぉ!』


もう好きにしてちょうだい…

ものすごく急展開になってしまいました。一体どうしてこうなったのかは次回説明する予定です。


読みづらくて、申し訳ありません。

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