表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
覚醒  作者: 星野☆明美
5/10

お偉いさん

「シュート!ノリノリじゃないか!」

兄貴がバスケットボールを小脇に抱えて僕に言った。

家庭用ゲーム機の全身運動タイプを導入してもらったんで、僕はそれに熱中していた。

赤と青のブロックがランダムに高速で画面を流れてくる。手足につけたセンサーでブロックに合わせて動いて行くとポイントが入っていく。

「兄貴もなんでもやるんだね!」

さっきまでクロケットもどきのチーム戦に参加していたはずなんだけど、もうバスケを始めるのかなぁ。

ビープ!

エラー音。

ちょっとしくじった。それからドミノ倒し的に次々とズレて失敗。ゲームオーバー。

「すぐに挽回できるように、が課題かしらね?」

リサ師匠が小首をかしげて言った。

「イエッサー!」

あれ?誰か来た。みんなその人に注目して手を止める。

「浩二、例のプロジェクトについて話がある」

「わかりました」

兄貴が返事した。兄貴、名前、浩二さんなのか。

「リサ師匠、あの人誰?」

「ここの創業者」

「お偉いさん?!」

「まあ、そうね」

リサ師匠は何か気がかりがある様子で、そのお偉いさんと兄貴が入って行った会議室の方を見ていた。

「リサちゃん、兄貴連れて行かれるかもなあ」

兄貴と一緒にスポーツしていた青年たちが声をかけてきた。

「連れて行かれるってなんの話?」

僕が尋ねると、青年たちは顔を見合わせて、話すかどうか迷っている様子だった。

「いいか、ぼうず」

「ぼうずじゃない、シュート!」

「シュート。ここも慈善事業やってるわけじゃなくてね、身体を鍛えてある程度オールマイティになったら、兵役にかられるんだよ。莫大な報酬が用意されるけれど、命懸けの世界が待ってる」

「まさか、兄貴が?……冗談だろ?ここは日本だぞ」

リサ師匠がぷいとどこかへ行ってしまった。僕は追いかけたが見失ってしまった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ